【岡山大学】ヒト多能性幹細胞から手足の元である肢芽間葉系細胞の誘導・拡大培養に成功 ~軟骨再生医療やiPS細胞を用いた創薬研究への応用に期待~
2021(令和3)年 8月 15日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
◆概 要
胚形成過程の側板中胚葉より生み出される肢芽間葉系細胞は、四肢(両手・両足)の原基である肢芽を構成する細胞群です。肢芽間葉系細胞は、四肢骨格を構成する多くの細胞種(軟骨細胞、骨芽細胞、腱・靭帯細胞、真皮線維芽細胞など)への分化能力を有しています。そのため肢芽間葉系細胞は、四肢骨格形成メカニズムを理解するうえで重要なだけでなく、ヒト多能性幹細胞(ヒトES細胞やヒトiPS細胞)を利用した運動器の再生医療研究・ヒト疾患モデリング研究に重要な細胞種です。
しかしながら、ヒト多能性幹細胞から側板中胚葉を誘導する手法に関しては報告されていましたが、側板中胚葉から肢芽間葉系細胞を誘導する技術、それを拡大培養する技術に関しては確立されていませんでした。
今回、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医学系) 宝田剛志教授、山田大祐助教、髙尾知佳助教、尾﨑敏文教授、中田英二講師らの研究グループは、東京大学大学院工学系研究科 中村正裕特任助教、京都大学ウイルス・再生医科学研究所/iPS細胞研究所 戸口田淳也教授、吉富啓之准教授(現医学研究科准教授)、川井俊介特定拠点助教、東京大学大学院医学系研究科 北條宏徳准教授、岡山理科大学フロンティア理工学研究所 岩井良輔講師らとの共同研究により、ヒト多能性幹細胞から肢芽間葉系細胞を誘導・拡大培養する技術を開発し、肢芽間葉系細胞の軟骨細胞分化能を事前に評価するための表面抗原の同定に成功しました。
開発した技術を利用することで、四肢骨格形成異常をきたすII型コラーゲン異常症患者由来iPS細胞より肢芽間葉系細胞を誘導し、培養皿上で患者疾患病態を再現させ、疾患モデリング/創薬スクリーニング方法の開発にも成功しました。
さらに、iPS細胞由来肢芽間葉系細胞と、細胞自己凝集化誘導技術(Cell self-Aggregation Technology, CAT)を組み合わせることで、均一な大きさを有する硝子軟骨組織塊の大量作製法を開発し、同組織塊が膝関節軟骨の再生能を有していることを示しました。
以上の成果から、ヒト多能性幹細胞由来の肢芽間葉系細胞を用いることで、ヒト四肢の骨格形成メカニズムの解明や各種骨格系疾患の病態解明が進むだけでなく、軟骨再生医療や骨格系統疾患患者由来iPS細胞を用いた創薬応用の進展が期待されます。
この研究成果は、2021年8月10日、国際科学誌「Nature Biomedical Engineering」のResearch Articleとして掲載されました。
◆山田大祐助教からのひとこと
ラボ内でヒト多能性幹細胞を培養する技術を立ち上げ、さらに最適な分化誘導方法を見つけるには、かなりの時間も必要となり、本当に大変でした。しかし、開発した技術が、将来的に幅広い分野に応用される可能性が高い事を考えると、達成感のある研究成果になったと言えます。
◆論文情報
論 文 名:Induction and expansion of human PRRX1+ limb-bud-like mesenchymal cells from pluripotent stem cells
掲 載 紙:Nature Biomedical Engineering
著 者:Daisuke Yamada, Masahiro Nakamura, Tomoka Takao, Shota Takihira, Aki Yoshida, Shunsuke Kawai, Akihiro Miura, Lu Ming, Hiroyuki Yoshitomi, Mai Gozu, Kumi Okamoto, Hironori Hojo, Naoyuki Kusaka, Ryosuke Iwai, Eiji Nakata, Toshifumi Ozaki, Junya Toguchida, Takeshi Takarada* (*Corresponding Author)
D O I:10.1038/s41551-021-00778-x
https://www.nature.com/articles/s41551-021-00778-x
◆詳しいプレスリリースについて
ヒト多能性幹細胞から手足の元である肢芽間葉系細胞の誘導・拡大培養に成功 ~軟骨再生医療やiPS細胞を用いた創薬研究への応用に期待~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210810.pdf
◆参 考
・岡山大学医学部
https://www.okayama-u.ac.jp/user/med/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
http://www.hsc.okayama-u.ac.jp/mdps/
・岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)組織機能修復学分野
https://www.okayama-u.ac.jp/user/syuufuku/
◆参考情報
・【岡山大学】ヒトiPS細胞から作製したミニ肺臓器で、がん初期病変の見える化に成功
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000221.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)組織機能修復学分野 教授 宝田剛志
〒700-8525 岡山県岡山市北区鹿田町2丁目5番1号 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7407
E-mail:takarada◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.okayama-u.ac.jp/user/syuufuku/
<AMED事業に関するお問い合わせ先>
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 再生・細胞医療・遺伝子治療事業部 再生医療研究開発課
TEL:03-6870-2220
E-mail:saisei◎amed.go.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
◆概 要
胚形成過程の側板中胚葉より生み出される肢芽間葉系細胞は、四肢(両手・両足)の原基である肢芽を構成する細胞群です。肢芽間葉系細胞は、四肢骨格を構成する多くの細胞種(軟骨細胞、骨芽細胞、腱・靭帯細胞、真皮線維芽細胞など)への分化能力を有しています。そのため肢芽間葉系細胞は、四肢骨格形成メカニズムを理解するうえで重要なだけでなく、ヒト多能性幹細胞(ヒトES細胞やヒトiPS細胞)を利用した運動器の再生医療研究・ヒト疾患モデリング研究に重要な細胞種です。
しかしながら、ヒト多能性幹細胞から側板中胚葉を誘導する手法に関しては報告されていましたが、側板中胚葉から肢芽間葉系細胞を誘導する技術、それを拡大培養する技術に関しては確立されていませんでした。
今回、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医学系) 宝田剛志教授、山田大祐助教、髙尾知佳助教、尾﨑敏文教授、中田英二講師らの研究グループは、東京大学大学院工学系研究科 中村正裕特任助教、京都大学ウイルス・再生医科学研究所/iPS細胞研究所 戸口田淳也教授、吉富啓之准教授(現医学研究科准教授)、川井俊介特定拠点助教、東京大学大学院医学系研究科 北條宏徳准教授、岡山理科大学フロンティア理工学研究所 岩井良輔講師らとの共同研究により、ヒト多能性幹細胞から肢芽間葉系細胞を誘導・拡大培養する技術を開発し、肢芽間葉系細胞の軟骨細胞分化能を事前に評価するための表面抗原の同定に成功しました。
開発した技術を利用することで、四肢骨格形成異常をきたすII型コラーゲン異常症患者由来iPS細胞より肢芽間葉系細胞を誘導し、培養皿上で患者疾患病態を再現させ、疾患モデリング/創薬スクリーニング方法の開発にも成功しました。
さらに、iPS細胞由来肢芽間葉系細胞と、細胞自己凝集化誘導技術(Cell self-Aggregation Technology, CAT)を組み合わせることで、均一な大きさを有する硝子軟骨組織塊の大量作製法を開発し、同組織塊が膝関節軟骨の再生能を有していることを示しました。
以上の成果から、ヒト多能性幹細胞由来の肢芽間葉系細胞を用いることで、ヒト四肢の骨格形成メカニズムの解明や各種骨格系疾患の病態解明が進むだけでなく、軟骨再生医療や骨格系統疾患患者由来iPS細胞を用いた創薬応用の進展が期待されます。
この研究成果は、2021年8月10日、国際科学誌「Nature Biomedical Engineering」のResearch Articleとして掲載されました。
◆山田大祐助教からのひとこと
ラボ内でヒト多能性幹細胞を培養する技術を立ち上げ、さらに最適な分化誘導方法を見つけるには、かなりの時間も必要となり、本当に大変でした。しかし、開発した技術が、将来的に幅広い分野に応用される可能性が高い事を考えると、達成感のある研究成果になったと言えます。
◆論文情報
論 文 名:Induction and expansion of human PRRX1+ limb-bud-like mesenchymal cells from pluripotent stem cells
掲 載 紙:Nature Biomedical Engineering
著 者:Daisuke Yamada, Masahiro Nakamura, Tomoka Takao, Shota Takihira, Aki Yoshida, Shunsuke Kawai, Akihiro Miura, Lu Ming, Hiroyuki Yoshitomi, Mai Gozu, Kumi Okamoto, Hironori Hojo, Naoyuki Kusaka, Ryosuke Iwai, Eiji Nakata, Toshifumi Ozaki, Junya Toguchida, Takeshi Takarada* (*Corresponding Author)
D O I:10.1038/s41551-021-00778-x
https://www.nature.com/articles/s41551-021-00778-x
◆詳しいプレスリリースについて
ヒト多能性幹細胞から手足の元である肢芽間葉系細胞の誘導・拡大培養に成功 ~軟骨再生医療やiPS細胞を用いた創薬研究への応用に期待~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210810.pdf
◆参 考
・岡山大学医学部
https://www.okayama-u.ac.jp/user/med/
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
http://www.hsc.okayama-u.ac.jp/mdps/
・岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)組織機能修復学分野
https://www.okayama-u.ac.jp/user/syuufuku/
◆参考情報
・【岡山大学】ヒトiPS細胞から作製したミニ肺臓器で、がん初期病変の見える化に成功
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000221.000072793.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)組織機能修復学分野 教授 宝田剛志
〒700-8525 岡山県岡山市北区鹿田町2丁目5番1号 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7407
E-mail:takarada◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.okayama-u.ac.jp/user/syuufuku/
<AMED事業に関するお問い合わせ先>
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 再生・細胞医療・遺伝子治療事業部 再生医療研究開発課
TEL:03-6870-2220
E-mail:saisei◎amed.go.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
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