ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma社、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)および肥満に対する第2相臨床試験を開始
・この新しい試験は、ベーリンガーインゲルハイムの循環器代謝領域重点分野である肥満およびNASHにとって重要な進展
・GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるBI 456906は、体重管理とNASHの改善の両方に重要なベネフィットをもたらす可能性
・肥満とNASHを対象としたBI 456906の第2相試験は、ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma社の長期的な協業の一部であり、2020年には、2型糖尿病患者を対象としたBI 456906の第2相臨床試験が開始
・GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるBI 456906は、体重管理とNASHの改善の両方に重要なベネフィットをもたらす可能性
・肥満とNASHを対象としたBI 456906の第2相試験は、ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma社の長期的な協業の一部であり、2020年には、2型糖尿病患者を対象としたBI 456906の第2相臨床試験が開始
2021年4月13日 ドイツ/インゲルハイム、デンマーク/コペンハーゲン
ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma A/S(以下、「Zealand社」)(NASDAQ:ZEAL)は、過体重または肥満の成人、および非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non-Alcoholic SteatoHepatitis)の成人患者を対象に、GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるBI 456906の2つの第2相試験開始を発表しました。この化合物は、2011年にZealand社から導入したもので、2型糖尿病患者を対象とした第2相試験が進行しています。週1回投与で、現在利用可能なGLP-1受容体アゴニスト単剤による治療と比較して、体重管理とNASHの改善および肝硬変への進行抑制の両方に更なるベネフィットがもたらされる可能性があります。BI 456906は、肥満およびNASH領域で拡大しているベーリンガーインゲルハイムのポートフォリオの一部です。
バージニア州リッチモンドにあるバージニアコモンウェルス大学医学部の内科学・生理学・分子病理学教授のArun J. Sanyal氏は、次のように述べています。「肥満とNASHは、アンメットニーズの高い疾患領域であり、現在利用できる承認された治療薬は限られています。これらは生活の質(QOL)の低下および死亡率の上昇と関連しています。この新たなアプローチが、医療従事者と、肥満やNASHに苦しむ患者さんに待望の治療オプションをもたらしてくれると期待しています」
ベーリンガーインゲルハイムとZealand社は、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬に関するZealand社の専門知識と、循環器代謝疾患の新薬研究開発に対するベーリンガーインゲルハイムの専門知識を結集することで、長年にわたって有意義なパートナーシップを構築しています。Zealand Pharma社のエグゼクティブバイスプレジデント兼最高医学責任者(CMO)のAdam Steensberg氏は、次のように述べています。「このたび、肥満およびNASHを対象としたBI 456906の第2相試験を開始できたことを嬉しく思います。このデュアルアゴニストは、GLP-1とグルカゴン受容体活性化作用を組み合わせることにより、患者さんの代謝を改善して体重を低下させ、上流の脂肪化を減少させることによってNASHを改善することができると考えています」
ベーリンガーインゲルハイムの心血管代謝および呼吸器部門長Waheed Jamal, MDは次のように述べています。「当社の循環器代謝領域の研究開発は、肥満およびNASHの新規治療薬を発見し、これらのグループの大きなアンメットニーズを充足することに重点を置いています。肥満またはNASHの患者さんに役立つ大きな可能性を秘めた多くのユニークなアプローチを模索しています。デュアルアゴニストが体重減少およびNASHの改善と肝硬変の予防に高い有効性を発揮する次世代の医薬品候補になると確信しています」
GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのライセンス契約の条件に基づき、ベーリンガーインゲルハイムは、すべての研究開発および商品化活動の資金を提供します。Zealand社は、今後マイルストーンペイメントとして最高3億4,500万ユーロを受け取る権利を有します。第2相試験の開始に伴うマイルストーンペイメントはありません。契約では、世界的な売上高に対して一桁台後半から二桁台前半パーセントのロイヤルティが発生します。
本試験について
この第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(NCT04667377)では、糖尿病非合併の肥満またはBMI 27 kg/m2以上の過体重の患者さんを対象として、BI 456906を評価します。被験者は、試験期間中、1週間に1回、BI 456906またはプラセボの皮下注射を受けます。試験の主要評価項目は、プラセボと比較した46週時点の体重変化率(%)です。
もう1つの第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(NCT04771273)では、糖尿病合併の有無にかかわらずNASHおよび肝線維化(F2/F3)の患者さんを対象として、BI 456906を評価します。試験の主要評価項目は、治療後48週時点での、線維化の悪化を伴わない脂肪肝炎の組織学的改善です。被験者は、試験期間中、1週間に1回、異なる用量のBI 456906またはプラセボの皮下注射を受けます。
肥満について
肥満は、長期的な管理が必要となる複雑な慢性疾患であり、心臓病、虚血性脳卒中、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む肝疾患、2型糖尿病などの複数の循環器代謝性疾患や、多くのがんの主なリスク因子の1つです。世界の肥満人口は1975年から約3倍に増加しており、2016年には20億人近くの成人が過体重(BMI ≥ 25 kg/m2)と見なされ、そのうち6億5,000万人が肥満(BMI ≥ 30 kg/m2)*と見なされています。
* BMI30以上を「肥満」とする世界保健機関(WHO)の国際基準に基づいています。日本では、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25以上」を「肥満」と定義しています。(肥満症診療ガイドライン2016)
NASHについて
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝臓に脂肪が蓄積することで引き起こされ、肝線維化や肝硬変の主な原因の1つとなっています。現在、利用できる承認された治療薬は存在せず、アンメットメディカルニーズが高い領域です。NASHは、欧米の先進国で一般的に見られる肝疾患である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のより深刻な病態です。NASHとNAFLDは、2型糖尿病や肥満などの代謝異常の患者さんに特によく見られますが、これらに限定されません。今日では、成人の4人に1人がNAFLDに罹患していると考えられています。NASHの有病率は、軽度のNAFLD患者さんではアジアで6.67%、北米で29.85%であり、肝生検の必要があると考えられるNAFLD患者さんは63%で20年前の2倍となっています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)
Zealand Pharma A/Sについて
Zealand Pharma A/S(以下、「Zealand社」)(NASDAQ:ZEAL)は、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬、開発、商品化に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業です。Zealand社が生み出した医薬品候補のうち10以上が臨床開発段階に進み、そのうち2つが市場に投入されました。Zealand社が研究中の充実した医薬品パイプラインには、後期開発段階にある医薬品候補3つと、米国で規制当局の承認に向けて審査中の1つが含まれます。Zealand社は、糖尿病患者さん向けのオールインワンの強化インスリン(Basal-Bolus)送達オプションであるV-Go®を販売しています。ベーリンガーインゲルハイムやアレクシオンファーマ社とのライセンス提携により、さらに多くの患者さんがZealand社の生み出したペプチド治療の恩恵を受けられる可能性があります。
Zealand社は、1998年にデンマーク・コペンハーゲンで創立され、ニューヨーク、ボストン、マールボロ(マサチューセッツ州)などの主要都市を含め、米国全土に展開しています。Zealand社の事業および業務の詳細については、www.zealandpharma.comをご覧ください。
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が2021年4月13日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。
ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma A/S(以下、「Zealand社」)(NASDAQ:ZEAL)は、過体重または肥満の成人、および非アルコール性脂肪肝炎(NASH:Non-Alcoholic SteatoHepatitis)の成人患者を対象に、GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるBI 456906の2つの第2相試験開始を発表しました。この化合物は、2011年にZealand社から導入したもので、2型糖尿病患者を対象とした第2相試験が進行しています。週1回投与で、現在利用可能なGLP-1受容体アゴニスト単剤による治療と比較して、体重管理とNASHの改善および肝硬変への進行抑制の両方に更なるベネフィットがもたらされる可能性があります。BI 456906は、肥満およびNASH領域で拡大しているベーリンガーインゲルハイムのポートフォリオの一部です。
バージニア州リッチモンドにあるバージニアコモンウェルス大学医学部の内科学・生理学・分子病理学教授のArun J. Sanyal氏は、次のように述べています。「肥満とNASHは、アンメットニーズの高い疾患領域であり、現在利用できる承認された治療薬は限られています。これらは生活の質(QOL)の低下および死亡率の上昇と関連しています。この新たなアプローチが、医療従事者と、肥満やNASHに苦しむ患者さんに待望の治療オプションをもたらしてくれると期待しています」
ベーリンガーインゲルハイムとZealand社は、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬に関するZealand社の専門知識と、循環器代謝疾患の新薬研究開発に対するベーリンガーインゲルハイムの専門知識を結集することで、長年にわたって有意義なパートナーシップを構築しています。Zealand Pharma社のエグゼクティブバイスプレジデント兼最高医学責任者(CMO)のAdam Steensberg氏は、次のように述べています。「このたび、肥満およびNASHを対象としたBI 456906の第2相試験を開始できたことを嬉しく思います。このデュアルアゴニストは、GLP-1とグルカゴン受容体活性化作用を組み合わせることにより、患者さんの代謝を改善して体重を低下させ、上流の脂肪化を減少させることによってNASHを改善することができると考えています」
ベーリンガーインゲルハイムの心血管代謝および呼吸器部門長Waheed Jamal, MDは次のように述べています。「当社の循環器代謝領域の研究開発は、肥満およびNASHの新規治療薬を発見し、これらのグループの大きなアンメットニーズを充足することに重点を置いています。肥満またはNASHの患者さんに役立つ大きな可能性を秘めた多くのユニークなアプローチを模索しています。デュアルアゴニストが体重減少およびNASHの改善と肝硬変の予防に高い有効性を発揮する次世代の医薬品候補になると確信しています」
GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのライセンス契約の条件に基づき、ベーリンガーインゲルハイムは、すべての研究開発および商品化活動の資金を提供します。Zealand社は、今後マイルストーンペイメントとして最高3億4,500万ユーロを受け取る権利を有します。第2相試験の開始に伴うマイルストーンペイメントはありません。契約では、世界的な売上高に対して一桁台後半から二桁台前半パーセントのロイヤルティが発生します。
本試験について
この第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(NCT04667377)では、糖尿病非合併の肥満またはBMI 27 kg/m2以上の過体重の患者さんを対象として、BI 456906を評価します。被験者は、試験期間中、1週間に1回、BI 456906またはプラセボの皮下注射を受けます。試験の主要評価項目は、プラセボと比較した46週時点の体重変化率(%)です。
もう1つの第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(NCT04771273)では、糖尿病合併の有無にかかわらずNASHおよび肝線維化(F2/F3)の患者さんを対象として、BI 456906を評価します。試験の主要評価項目は、治療後48週時点での、線維化の悪化を伴わない脂肪肝炎の組織学的改善です。被験者は、試験期間中、1週間に1回、異なる用量のBI 456906またはプラセボの皮下注射を受けます。
肥満について
肥満は、長期的な管理が必要となる複雑な慢性疾患であり、心臓病、虚血性脳卒中、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む肝疾患、2型糖尿病などの複数の循環器代謝性疾患や、多くのがんの主なリスク因子の1つです。世界の肥満人口は1975年から約3倍に増加しており、2016年には20億人近くの成人が過体重(BMI ≥ 25 kg/m2)と見なされ、そのうち6億5,000万人が肥満(BMI ≥ 30 kg/m2)*と見なされています。
* BMI30以上を「肥満」とする世界保健機関(WHO)の国際基準に基づいています。日本では、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25以上」を「肥満」と定義しています。(肥満症診療ガイドライン2016)
NASHについて
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝臓に脂肪が蓄積することで引き起こされ、肝線維化や肝硬変の主な原因の1つとなっています。現在、利用できる承認された治療薬は存在せず、アンメットメディカルニーズが高い領域です。NASHは、欧米の先進国で一般的に見られる肝疾患である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のより深刻な病態です。NASHとNAFLDは、2型糖尿病や肥満などの代謝異常の患者さんに特によく見られますが、これらに限定されません。今日では、成人の4人に1人がNAFLDに罹患していると考えられています。NASHの有病率は、軽度のNAFLD患者さんではアジアで6.67%、北米で29.85%であり、肝生検の必要があると考えられるNAFLD患者さんは63%で20年前の2倍となっています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)
Zealand Pharma A/Sについて
Zealand Pharma A/S(以下、「Zealand社」)(NASDAQ:ZEAL)は、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬、開発、商品化に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業です。Zealand社が生み出した医薬品候補のうち10以上が臨床開発段階に進み、そのうち2つが市場に投入されました。Zealand社が研究中の充実した医薬品パイプラインには、後期開発段階にある医薬品候補3つと、米国で規制当局の承認に向けて審査中の1つが含まれます。Zealand社は、糖尿病患者さん向けのオールインワンの強化インスリン(Basal-Bolus)送達オプションであるV-Go®を販売しています。ベーリンガーインゲルハイムやアレクシオンファーマ社とのライセンス提携により、さらに多くの患者さんがZealand社の生み出したペプチド治療の恩恵を受けられる可能性があります。
Zealand社は、1998年にデンマーク・コペンハーゲンで創立され、ニューヨーク、ボストン、マールボロ(マサチューセッツ州)などの主要都市を含め、米国全土に展開しています。Zealand社の事業および業務の詳細については、www.zealandpharma.comをご覧ください。
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が2021年4月13日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。
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