「すすぎのいらない衣料用液体洗剤」の特許が令和7年度関東地方発明表彰「東京商工会議所会頭賞」を受賞

ライオン株式会社

ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)が発明した「衣料用液体洗浄剤組成物」の特許が、公益社団法人発明協会主催の令和7年度関東地方発明表彰において「東京商工会議所会頭賞」を受賞しましたのでご報告いたします。本賞は、地方発明表彰において特別賞の一つに位置づけられます。

表彰式は、2025年11月20日(木)に水戸市民会館(茨城県水戸市)にて行われ、受賞者に表彰状が授与されました。

                         <表彰式の様子>

■受賞特許

・特許番号:特許第7122446号

・技術分野:液体洗浄剤組成物

■発明の概要

ライオングループは、持続可能な地球環境の実現を目指し、2019年に策定した長期環境目標「LION Eco Challenge 2050」のもと、水使用量の削減に取り組んでいます。

水道水の浄化や移送、排水処理にはエネルギーが必要なため、洗濯で節水することは、CO2排出量削減に繋がります。当社では特に洗濯のすすぎ工程に着目しており、すすぎ工程を省略しても、洗濯ができる洗剤の開発を進めていました。

 図1:従来洗濯とすすぎゼロ洗濯の工程比較(イメージ)

■発明の独自性

一般的な洗剤では洗浄時に泡立ちが多いことが良好な使用感に繋がりますが、すすぎ時には泡がなくなることがすすぎ完了の目安となることから、すすぎ工程を省略するためには、泡立ちを抑えることが求められます。さらにすすぎ工程を省略すると、洗濯物から取り除かれた汚れが再び洗濯物に付着することが起こり、その結果、十分な洗浄力が発揮されません。これらの課題を解決するために洗浄時の泡立ちを抑えつつ、すすぎ工程を省略しても洗浄力を発揮できる洗浄技術を開発しました。

洗浄力を持つ界面活性剤が泡立ちの原因であるため、界面活性剤を少なくしても洗浄力を維持でき、汚れの再付着を防止できる洗浄基剤を探した結果、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(図2)を発見しました。

図2:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体

(1)ポリエチレンイミンのエチレンオキサイド付加体の洗浄力

ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体は水になじみやすい上に、カチオン部位という油汚れになじむ部分も持っていることから、効率よく汚れを取り除き、汚れの衣類への再付着を防止できると考えられます(図3)。

(2)オレイン酸(皮脂汚れの成分)への作用

さらにポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体は界面活性剤と複合体を形成することで、オレイン酸(皮脂汚れの成分)の界面張力を低下させて(図4)、衣類から取り除きやすくし、界面活性剤が少なくても高い洗浄力を発揮します。

図3:ポリエチレンイミンの洗浄/再汚染防止メカニズム
      図4:オレイン酸の界面張力低下

本発明により洗浄中の泡立ちを抑え、洗濯中のすすぎ工程を省略しても十分な洗浄力をもつ衣料用洗剤の開発を可能にしました。本発明をすすぎゼロを訴求する液体洗剤の開発に応用展開しています。


地方発明表彰とは

1921年(大正10年)から開始された地方発明表彰とは、実施されている優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。全国を8地方(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)に分けて実施しています。


■関連情報

・ライオン統合レポート「サステナビリティ重要課題への取組み強化 水を大切にする習慣づくり」

 https://www.lion.co.jp/ja/ir/library/ar/2025/pdf/ir2025.pdf#page=46

・ニュースリリース(2025年2月10日)

 発表資料 すすぎ0回推奨!アクロン史上最高レベルにシワ・ヨレなし(※1)!洗濯用洗剤『アクロンやさしさプレミアム』新発売

 (※1) 弱水流コース、すすぎ工程0回での仕上がりにおいて

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

ライオン株式会社

65フォロワー

RSS
URL
https://www.lion.co.jp/ja/company/about/
業種
製造業
本社所在地
台東区蔵前1-3-28
電話番号
03-6739-3711
代表者名
竹森 征之
上場
東証プライム
資本金
344億3372万円
設立
1891年10月