資源循環社会の実現に向けたGlicoグループの取り組み~企業理念「おいしさと健康」を実現し、事業を通じて社会に貢献し続けていくために~

GlicoグループのCSRをわかりやすく報告するため「CSR REPORT 2021(ダイジェスト版)」を発行

江崎グリコ株式会社

6月は「環境月間」です。江崎グリコ株式会社(以下、江崎グリコ)では今年3月、環境分野で2050年を最終年とする「Glicoグループ環境ビジョン2050」を策定しました。重要課題(マテリアリティ)などをもとに、「気候変動への対応」「持続可能な水資源の活用」「持続可能な容器包装資源の活用」「食品廃棄物の削減」の4つの分野でKPIを定めました。環境ビジョン策定の責任者のひとり、グループ調達部長でCSR委員会環境部会長の森田裕之氏に聞きました。
江崎グリコ株式会社

グループ調達部長 兼 CSR委員会環境部会長
森田 裕之 (もりた・ひろゆき)

 

キリンホールディングス株式会社を経て、2019年5月江崎グリコグループ調達部長、同年10月からCSR委員会環境部会長を兼務。Glicoグループとして取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の見直しに携わり、環境ビジョン策定ではプロジェクトの責任者を務めた。グループ調達部長として調達分野における環境負荷軽減などにも取り組む。
 
  • 資源循環社会の実現に向けて、企業市民としての責務を果たす
 - 環境ビジョン策定の背景を教えてください。
地球を取り巻く環境は深刻になっています。持続可能な社会に向け、2015年12月に気候変動を巡る国際的な枠組み「パリ協定」が採択されました。パリ協定では、気候変動のリスク及び影響を著しく減少させるため、世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも2度高い水準を十分に下回るものに抑えること並びに、1.5度高い水準までに制限する努力を継続することとされています。日本政府は2050年には排出を実質ゼロにする考えです。

そうした中で、Glicoグループは、企業理念である「おいしさと健康」を実現し、事業を通じて社会に貢献し続けていくため、取り組むべき重要課題として、「気候変動の緩和と適応」「水資源の管理」「資源循環と廃棄物削減」の解決を掲げました。豊かな地球環境を未来に繋いでいくため、循環型社会の実現に向け責務を果たします。
特に地球温暖化を抑える取り組みは、Glicoグループの取引先企業を含めた、サプライチェーン全体での取り組みを強化する必要があると認識しています。機関投資家からもESG(環境・社会・企業統治)の観点で注目されており、ステークホルダーとの対話において、長期的な視野に立ち、社会課題の解決を通じた、持続的な事業成長を目指します。 


 - 環境ビジョンで取り組む内容は何ですか?
環境ビジョンと中長期的なKPIは、2020年4月からCSR委員会や取締役会で議論し、2021年3月に決定しました。「気候変動への対応・温室効果ガスの削減」「持続可能な水資源の活用」「持続可能な容器包装資源の活用」「食品廃棄物の削減」の4分野について、2030年目標と2050年目標について、Glicoグループの現状を踏まえて、実現可能性を十分に検証しました。

 - 4分野それぞれの取り組みは?
「気候変動への対応・温室効果ガスの削減」では、温室効果ガスを2013年比で2050年に100%削減します。企業活動で使用する電気、ガス等の使用量を管理し、CO2の排出量を削減しています。また、冷凍・冷蔵設備の冷媒を、段階的に地球温暖化係数(GWP)の低い「代替フロン」や「ノンフロン」に切り替えます。2050年までに二酸化炭素やアンモニアなど自然に存在する物質を由来とする自然冷媒等に切り替えます。
「持続可能な水資源の活用」では、水の使用量原単位を2013年比で2050年に20%削減し、水質汚染ゼロ化を目指します。一部工場で排水を冷凍設備の冷却に再利用するなど、水資源の使用量削減に取り組んでいます。

 - 持続可能な容器包装資源の活用の取り組みとは?
食品の包装容器として使われるプラスチックの使い捨てを減らします。再利用が可能な素材は可能な限り再生し、2050年にはプラスチックをリサイクル原料に100%切り替える目標です。紙の使用量を減らし、商品の包装材や名刺、事務用紙なども含め、2024年には森林認証紙に100%切り替えます。

 - 食品廃棄物の削減の取り組みの具体的な事例は?
食品廃棄物は可食部(製品)と非可食部(原料)に区分し、それぞれについて計画を立てて取り組んでいます。具体的な取り組みとしては、需給予測をより高度にすることで、過剰在庫を持たないように工夫し、生産過程で出てくる副産物のリサイクルの促進を加速させます。生産者の食品ロス削減として、大阪府内のいちご農園でいちご狩りの中止により発生した、余剰イチゴを活用して商品化、「カプリコミニ大袋<いちご狩り>」として2020年12月に近畿エリアや、グリコのオンラインショップで発売することも出来ました。

 - 今後の展開や、ビジョン実現に向けた課題は? 
Glicoグループとして、資源循環社会の実現にむけ、企業市民としての責務を果たしたいと考えています。ビジョンの実現には、日々刻々と変化する企業を取り巻く環境への対応が求められます。地球環境に関する科学的根拠も新たな論文で覆ったり、倍増したりする世の中です。今回の目標も未来永劫変えないということではなく、科学的視点や社会や市場からの要求水準に合わせていく必要があります。Glicoグループは、企業理念である「おいしさと健康」を実現し、事業を通じて社会に貢献し続けていくため、今後も環境への取り組みを推進していきます。
 
  • CSRに関する最新資料 CSR REPORT 2021(ダイジェスト版)

ステークホルダーの皆さまに、GlicoグループのCSRをわかりやすく報告することを目的に、より重要で特徴的な取り組みを中心にまとめています。 

https://www.glico.com/assets/files/CSR_REPORT_DIGEST2021.pdf

 


 
 

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会社概要

江崎グリコ株式会社

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URL
https://www.glico.com/jp/
業種
製造業
本社所在地
大阪府大阪市西淀川区歌島4-6-5
電話番号
-
代表者名
江崎悦朗
上場
東証プライム
資本金
77億7300万円
設立
1922年02月