香りの器 ~高砂コレクション~

美術館「えき」KYOTOにて6月12日より開催!

美術館「えき」KYOTO
「香りの器 ~高砂コレクション~」
2020年に創業100年を迎えた高砂香料工業のコレクションより
古今東西の「香りの器」約200点を一堂に展覧します‼

≪ドーム兄弟 百合文香水瓶≫ 1900年頃≪ドーム兄弟 百合文香水瓶≫ 1900年頃


古くから宗教的な儀式や、また王侯貴族の生活に用いられてきた香油や乳香、没薬など、人々の生活と密接なかかわりをもって進化してきた「香り」。それらを保管するために、古代オリエントの香油壺や古代ローマン・ガラス、近代の陶磁器、華やかなアール・ヌーヴォー、アール・デコ、現代の香水メーカーの香水瓶、また日本の伝統的な香道具の贅を尽くした漆工芸品など、人々が生活の中で愛した香りにかかわる工芸品が生まれました。
本展は、2020年に創業100年を迎えた高砂香料工業が長年にわたり収集してきた「香りの器」のコレクションの中から、選りすぐりの約200点を一堂に展覧いたします。古今東西の「香りの器」をどうぞご堪能ください。

 

【第1章 異国の香り】
香りの歴史は、紀元前3000年頃の古代メソポタミアやエジプトにまで遡ることが出来ます。古くから、宗教的な儀式の中で、香油や乳香、没薬などが使われただけでなく、王や貴族などが生活の中でも用いていたと考えられています。古代ギリシア・ローマ時代には香料や香油壺、軟膏壺が数多く作られ、特にローマン・ガラスは、技術革新によって容器のデザインが多様化しました。
中世から近世にかけて、オリエント、イスラーム世界では蒸留技術の開発のおかげで、多くの香水が作られ、ガラス容器に保存して利用されましたが、西ヨーロッパでは、ポマンダーという容器に入れられた練り香が中心でした。
[古代の土器・陶器・石製容器]

 

 

≪赤絵式把手付香油瓶≫ 前6世紀≪赤絵式把手付香油瓶≫ 前6世紀

[古代オリエントのガラス製容器」

≪フラスコ形香油瓶≫ 1-3世紀≪フラスコ形香油瓶≫ 1-3世紀

 

≪長頸香油瓶≫ 1-3世紀≪長頸香油瓶≫ 1-3世紀


17世紀に入ると、アルコールによる精油の抽出が行われるようになり、香水文化は一気に開花。18世紀には、王侯貴族が主導的役割を果たしつつも、庶民の間でも香水を楽しむ習慣が普及し、マイセンやウェッジウッドなどの陶磁器による優美な香水瓶が人気を博しました。

[携帯用の香水瓶]

≪赤色ガラス香水瓶≫ 18世紀≪赤色ガラス香水瓶≫ 18世紀


[陶磁器製の小さな香水瓶]

≪マイセン 色絵香水瓶「恋人たち」≫ 19世紀≪マイセン 色絵香水瓶「恋人たち」≫ 19世紀

≪ロイヤルコペンハーゲン 花文香水瓶≫ 20世紀初頭≪ロイヤルコペンハーゲン 花文香水瓶≫ 20世紀初頭

19世紀以降は、市民社会の成熟とともに香水文化は洗練の度合いを高め、香水瓶もボヘミアン・ガラスやアール・ヌーヴォー、アール・デコの作家たちによるガラス工芸の粋を集めた作品によって、華やかな世界を演出するようになります。20世紀には香水メーカーが、売り出す香水にふさわしいデザインをラリックなどの作家に依頼するようになり、香水瓶の量産時代を迎えました。

[ボヘミアン・ガラスの香水瓶]

≪被(き)せガラス水玉文香水瓶≫ 19世紀≪被(き)せガラス水玉文香水瓶≫ 19世紀

[アール・ヌーヴォーとアール・デコの香水瓶]

≪エミール・ガレ 草花文香水瓶≫ 1900年頃≪エミール・ガレ 草花文香水瓶≫ 1900年頃

[ルネ・ラリック]

≪ルネ・ラリック 香水瓶「ユーカリ」≫ 1919年≪ルネ・ラリック 香水瓶「ユーカリ」≫ 1919年

≪ルネ・ラリック 香水瓶「光に向かって(ヴォルト社)」≫ 1926年≪ルネ・ラリック 香水瓶「光に向かって(ヴォルト社)」≫ 1926年

[香水瓶メーカーの香水瓶]
 

≪ポール・ポワレ/ジュリアン・ヴィアール 香水瓶「道化(ロジーヌ社)」≫ 1923年≪ポール・ポワレ/ジュリアン・ヴィアール 香水瓶「道化(ロジーヌ社)」≫ 1923年


 

 

[さまざまな化粧道具]

≪装飾枠付三組香水瓶≫ 19世紀中頃≪装飾枠付三組香水瓶≫ 19世紀中頃

≪卵形ケース香水瓶セット≫ 19世紀≪卵形ケース香水瓶セット≫ 19世紀

 

 

[カタログ・ポスター]

≪「ジュレ・フレール社」ポスター≫≪「ジュレ・フレール社」ポスター≫


【第2章 日本の香り】
日本の香りの歴史は、仏教が伝来した6世紀以降に始まったとされています。期限前からの歴史を持つ古代オリエントや、その影響を受けたヨーロッパ諸国と比べると、日本の香りへの関心は決して早かったわけではありません。ところが、そのようなことを感じさせないくらい、日本の香りの文化は瞬く間に開花して、他国にはない独自の展開を見せていきます。
宗教儀式や宮中などで香りが用いられるようになると、やがてそれは儀式だけにとどまらず、上層階級を中心に日々の暮らしの中で使用されるようになり、平安時代には、香りを聞いて競い合う「薫物合せ(たきものあわせ)」など優雅な遊びへと発展し、さらに室町時代には、香りは「香道」という芸術へと高められました。それとともに、香を焚き、聞くための道具作りが盛んとなり、江戸時代の大名道具などの漆工品を中心に、香道具のための逸品が次々と製作されて、日本の香り文化は絶頂期を迎えます。

[香道具]

≪鶴蒔絵香枕≫ 江戸時代 18世紀≪鶴蒔絵香枕≫ 江戸時代 18世紀

そして、明治という新しい時代になると、日本の工芸品製作は、近世以前の職人たちによる分業制から、個人作家が美術作品を制作するという、新しい概念へと変化しました。香道具の製作も近世のような豪華な逸品製作は激減し、その一方、一点ものの香炉や香合は、実用だけでなく、鑑賞品としても捉えらえるようになり、大正期以降続々と登場した個人作家たちの格好の制作対象として、数多くの名品が制作されたのです。

[香道具]

≪浜松塩屋蒔絵十種香箱≫ 明治時代 20世紀≪浜松塩屋蒔絵十種香箱≫ 明治時代 20世紀

[香炉・香合」

≪七宝花鳥文香炉≫ 明治時代≪七宝花鳥文香炉≫ 明治時代

[香木・香道伝書等]

≪志野流香道伝書五巻≫ 1801年≪志野流香道伝書五巻≫ 1801年



【開催概要】
展覧会名:香りの器 ~高砂コレクション~
会場:美術館「えき」KYOTO
会期:2021年6月12日(土)~7月4日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館締切:閉館30分前)
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更する場合がございます。
入場料:一般1000円(800円)、高・大学生800円(600円)、小・中学生500円(300円)
※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引
前売販売:販売中~6月11日(金)まで。
チケットぴあ(Pコード685-521)、ローソンチケット(Lコード51558)にて販売
主催:美術館「えき」KYOTO、京都新聞
特別協力:高砂香料工業株式会社
企画協力:岡村印刷工業株式会社、株式会社求龍堂、株式会社アートワン
美術館「えき」KYOTOホームページ  https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入館の際、マスクの着用・検温・消毒をお願いしております。
※当館における新型コロナウイルス感染症に関する取り組みとお客さまへのお願いを、当館ホームページに掲載しております。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。
 

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会社概要

URL
https://www.mistore.jp/store/kyoto.html
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
京都府京都市下京区烏丸通塩小路下る東塩小路町
電話番号
075-352-1111
代表者名
伊倉 秀彦
上場
未上場
資本金
-
設立
1990年10月