【実態調査:技能実習生・特定技能外国人】育成就労制度移行で人材流出に拍車がかかる可能性。外国人労働者の約8割が、同郷者SNSグループの情報をもとに転職を検討
人材の獲得・流出阻止の鍵は「母国語による相互理解の環境構築」にあり
現場DXプラットフォーム『カミナシ』シリーズを提供する株式会社カミナシ(本社:東京都千代田区、代表取締役:諸岡 裕人、以下「カミナシ」)は、日本で働く技能実習生および特定技能外国人計273名を対象に「日本での就労意識・就労環境に関する実態調査」を実施しました。

【調査トピックス】
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約8割が、日本で働く自国出身者とのSNSグループで他社の待遇情報を見て転職検討経験あり
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最近の外国人への否定的意見・ニュースが多い状況が、長期就労意向で来日した約5割に影響
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会社選択の軸、約2割が「会社が仕事や生活の話を聞く機会を設けていること」と回答
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約6割が「わかっていないのに“はい”と返事をしないように」と注意を受けた経験あり。その理由を5割が「日本語ではうまく伝えられず断念したから」と回答
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約6割が業務をOJTで学ぶも、うち半数が聞き直しを躊躇。また母国語に対応した手段で業務を習得した層の8割は「母国語だからこそ早く習得できた」と回答
調査背景
深刻な労働力不足を背景に、政府は2026年1月時点で「育成就労」「特定技能」による今後5年間の受入れ見込数を計123万人と示しています。外国人材はもはや、日本の社会インフラを支える「不可欠なパートナー」となりつつあります。一方で、円安や近隣諸国との人材獲得競争により、日本の「選ばれる国」としての地位は揺らいでいます。さらに2027年4月施行予定の「育成就労制度」では、一定条件下で転籍(転職)が認められるため、人材流出・獲得競争は一層激化することが予想されます。
こうした市場の変化を受け、企業の事業継続における喫緊の課題となっているのが、外国人材との共生を見据えた職場環境の整備と定着施策の推進です。そこで本調査では、日本で働く技能実習生・特定技能外国人の就労意識や職場環境、業務習得に対する本音を明らかにしました。
その結果、「約8割が自国出身者とのSNSグループで他社待遇情報を見て転職を検討」「日本社会の排他的論調が長期就労の意欲を削いでいる」実態が明らかになりました。また、企業が選ばれる鍵として「一従業員としての尊重」と「教育の充実」が示唆される一方、コミュニケーション不全の最大要因は「日本語でうまく伝えられないことによる諦め」にあることが判明しました。さらに、約6割がOJTを通じて業務を習得するも、その半数は聞き直すことを躊躇しており、対照的に母国語に対応した手段で業務を習得した層の8割は「母国語だからこそ早く習得できた」と回答しています。これらの結果から、外国人材の獲得・定着を左右するのは「母国語での相互理解の環境構築」である示唆が得られました。
調査結果詳細
トピック1:約8割が、自国出身者のSNSグループで他社の待遇情報を見て転職検討経験あり
日本で働く自国出身の外国人とのSNSのグループ・コミュニティに参加しているか質問したところ、60.4%が参加していることが明らかになりました。またそのうち、そのコミュニティで他社の給与もしくは働き方に関する情報を見て転職したいと思ったことがある回答者は合計77.0%にも上り、「両方を見て、そう思ったことがある」(37.6%)が最も多く、次いで「『給与・賃金の情報』を見て、そう思ったことがある」(30.3%)、「『会社での働き方の情報』を見て、そう思ったことがある」(9.1%)となりました。

トピック2:最近の外国人への否定的意見・ニュースが多い状況が、長期就労意向で来日した約5割に影響
一時的ではなく、長期就労する前提で来日した外国人材は72.2%で、彼らに対し「最近日本での外国人に対する否定的な意見やニュースが多くなっている状況が『日本で長く働きたい』という気持ちに影響したか」を質問したところ、51.3%が「悪い影響があった」と回答しました。

トピック3:企業選択の軸、約2割が「仕事や生活の話を聞く機会を設けていること」と回答
今の会社を選んだ理由(給与・賃金を除く)について質問したところ、1位は「特定技能1号・2号に移行できる」(26.0%)、2位は「会社が仕事や生活の話を聞く機会を設けていた」(20.1%)、3位は「会社の雰囲気が良さそうだった」(16.5%)、4位は「会社が日本語を学ぶ機会を提供している」(13.6%)、5位は「会社が仕事の知識やスキルを多言語で学べるように支援してくれる」(13.2%)、また僅差で6位が「自分の国の文化を尊重してくれる」(12.5%)という結果となりました。
長期的な就労が可能な環境整備以外に、外国人材を一従業員として尊重してくれる環境(仕事や生活の話を聞く機会・自国の文化尊重)や教育体制の充実(日本語学習機会の提供・仕事の知識やスキルを多言語で学べる)を重視する回答が目立ちました。

トピック4:約6割が「わかっていないのに“はい”と返事をしないように」と注意を受けた経験あり。その理由を5割が「日本語ではうまく伝えられず断念したから」と回答
日本で仕事や生活をするなかで注意・怒られた経験がある人は57.9%と約6割。具体的な内容の上位は「『わかっていないのに"はい"と返事をしないように』と言われた」(57.0%)、「報告・連絡・相談が足りない(困ったことがあったら報告・連絡・相談して)」と言われた(36.1%)という結果でした。さらに「わかっていないのに“はい”と返事をしてしまった」「困ったことがあったとき、報告・連絡・相談をしなかった」理由として最も大きいものを複数選択肢の中から1つ回答してもらった結果、最も多かったのは共に「わからないことを伝えたいが、日本語ではうまく伝えられず諦めているから」(45.6% / 50.9%)でした。

トピック5:約6割が業務はOJTで学ぶも、うち半数が聞き直しに躊躇。また母国語で学んだうち8割が「母国語なら早く覚えられる」と回答
日本での仕事のやり方をどのように学んだか(選択肢:OJT/研修・紙のマニュアル・動画のマニュアル[日本語のみ/多言語対応])という質問に対して、2位以下に大きく差をつけ1位は「現場で先輩社員から直接教えてもらう(OJT)」(60.1%)でした。また、2位は「会社の研修(日本語のみ)」(31.1%)、3位は「会社の研修(多言語対応」(17.6%)、4位は「紙のマニュアル(日本語のみ)」(15.8%)、5位は「紙のマニュアル(多言語対応)」(12.8%)でした。
さらに「OJT」を選択した回答者に「教えてもらった内容を忘れたとき、教育担当者にもう一度確認することに抵抗を感じますか?」と質問したところ、50.0%が「抵抗がある」と回答しました。加えて、多言語での教育を受けた回答者に「母国語で理解できるので、仕事を早く覚えられていると感じますか?」と質問したところ、81.4%が「そう感じる」と回答しました。


※本調査の結果をまとめた詳細レポート(ホワイトペーパー)も下記URLよりダウンロードいただけます。
https://kaminashi.jp/download/company-to-leave-and-company-to-stay
調査結果に対するコメント
弁護士法人Global HR Strategy 代表社員弁護士 弁護士(東京弁護士会)・社会保険労務士 杉田 昌平 氏

本調査は、外国人の就労実態を「当事者の声」から可視化した点に大きな意義があるといえます。育成就労制度の施行を控え、転籍が制度上認められる中で、外国人がSNSを通じて待遇や職場環境を比較し、主体的に職場を選択している実態は、企業にとって極めて示唆的です。 特に注目すべきは、賃金水準だけでなく、「話を聞いてもらえる環境」や「教育の充実」が企業選択や定着に直結している点です。形式的な受け入れ体制では、人は定着しません。今後は、法令遵守にとどまらず、外国人を一緒に会社を作る仲間として尊重し、相互理解を前提とした職場環境を構築できるかが、企業の持続的成長を左右すると言えるでしょう。
調査概要
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調査対象 :技能実習生および特定技能外国人
※国籍:フィリピン・ミャンマー・ネパール・ベトナム・インドネシア・カンボジア・タイ・中国 -
調査時期 :2025年12月16日〜2026年1月9日
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調査対象者数:273名(技能実習生71名、特定技能外国人202名)
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調査方法 :インターネット調査
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調査機関 :株式会社Guidable
※調査結果の引用について
本リリースの調査データの引用・転写の際は、「調査名(技能実習生・特定技能外国人の「日本での就労意識・就労環境」)」および「出典元(株式会社カミナシ)」を明記の上、ご利用ください。
現場DXプラットフォーム『カミナシ』シリーズについて
現場DXプラットフォーム『カミナシ』は、現場管理の要である「作業・人・設備」を軸に、多角的なソリューションを展開するクラウドサービス群です。帳票帳票をデジタル化する『カミナシ レポート』をはじめ、設備保全、従業員教育、コミュニケーションツールなどの製品を幅広くラインナップ。アナログで分断されていた現場情報をクラウド上で統合・活用することで、生産性を飛躍的に高め、現場で働くノンデスクワーカーの誰もが活躍できるスマートな業務環境を構築します。
https://kaminashi.jp

株式会社カミナシ
会社名:株式会社カミナシ
所在地:東京都千代田区神田鍛冶町3-7 神田カドウチビル3F
代表者:代表取締役CEO 諸岡 裕人
設立:2016年12月
事業内容:現場DXプラットフォーム『カミナシ』シリーズの開発および提供
URL:https://corp.kaminashi.jp
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