直結する虎ノ門駅の機能拡充・災害インフラ整備で高度な防災都市づくりへ貢献『東京虎ノ門グローバルスクエア』竣工
国家戦略特区事業・虎ノ門駅前地区第一種市街地再開発事業
■本事業について
本事業は、2015年6月に「東京圏国家戦略特別区域における国家戦略都市計画建築物整備事業」として内閣総理大臣の認定を受けた再開発事業です。
当地区では、建物の老朽化や隣接する虎ノ門駅の混雑といった街の課題の解決を目指し、2012年よりまちづくりの方向性について検討を開始しました。その後、再開発組合設立、権利変換計画認可を経て、2018年1月に工事着工し、2020年6月末に竣工いたしました。
なお本事業におきましては、地権者として森村不動産株式会社、株式会社不二屋ビルデング、日本土地建物株式会社、住友不動産株式会社、野村不動産株式会社の5社、参加組合員として野村不動産株式会社、東京地下鉄株式会社の2社が参画しています。
■周辺エリアの特性
「東京虎ノ門グローバルスクエア」の位置する虎ノ門エリアは、霞が関の官庁街に隣接、桜田通り・外堀通りなどの幹線道路や、虎ノ門駅、霞ケ関駅、新橋駅などの主要駅が近接する交通利便性に優れた立地特性を有し、日本経済を支えるビジネス街として発展してきました。近年は、都心部と臨海部を結ぶ環状第2号線の開通により臨海部や国際空港へのアクセス性が向上、今年6月には日比谷線虎ノ門ヒルズ駅が開業するなど、さらに高次の都市機能集積が期待されるエリアとなっています。
■周辺エリアへの貢献
当地区に隣接する銀座線虎ノ門駅では、プラットホームと通路の狭さ、地上出入口の不足から、朝夕のラッシュ時に混雑し、バリアフリー動線も確保できていませんでした。また当地区内では、建築物の老朽化や幅員の狭い道路の存在、災害時に帰宅困難者を一時的に受け入れる空間の不足など、防災性の問題も懸念されてきました。そこで本事業においては、以下の3点の整備により、虎ノ門駅及び歩行者動線の機能拡充、国際的ビジネス交流拠点としての機能強化、高度な防災都市づくりへの貢献を行っています。
①駅及び歩行者動線の機能拡充
虎ノ門駅の既存プラットホームに連続する形で当地区内にプラットホームを拡幅し、地上と地下に合計約1,400㎡の駅前広場を整備しました。また、エレベーターとエスカレーターを設置することによって、朝夕のラッシュ時の混雑を緩和し、安全性と利便性を兼ね備えた歩行者ネットワークの形成を実現しています。
②国際的ビジネス交流拠点としての機能強化
プラットホームの拡幅、新設の地上・地下駅前広場への接続により機能向上を果たした銀座線虎ノ門駅からは、地下歩行者通路を経由して、日比谷線虎ノ門ヒルズ駅や、エアポートリムジンやBRTが発着するバスターミナルへ直接アクセスが可能となりました。都心部および空港への交通網がより強化されることで、国際的なビジネス拠点としての機能強化に寄与しています。
またオフィスフロアは、国際的ビジネス交流拠点に相応しい仕様・機能を備え、今後ますます多様化する働き方・人材に合わせた環境づくりを目指してフレキシブルでレイアウトのしやすい空間を実現しています。
〈オフィスフロアの特徴〉
・オフィス天井高は3.0mを確保
・柱を壁面に配置し全方向に窓がある開放的な空間設計
・33分割が可能な個別空調方式・高効率LEDシステム照明・OAフロアの採用
なお、本ビルは、米国グリーンビルディング協会が行う、環境に配慮した建物のみに与えられるLEED-CS予備認証GOLDを取得しております。
③高度な防災都市づくりへの貢献
災害時の帰宅困難者のための一時滞在施設(地下駅前広場、エントランスホール)や非常用発電設備、防災備蓄倉庫などの災害インフラを整備することで、地域の防災対応力強化に貢献。BCP対応に取り組むだけでなく、高度な防災都市づくりにも寄与しています。
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