イケア、Life at Home Report 2023を発表
過去10年間の調査結果から見えてくる家での暮らしの過去・現在・未来を紹介 健康・収納などの家での暮らしの悩みを解決し、春の新生活をアップデート
これはイケアが2014年より行っている家での暮らしに関する調査で、10年目となる今回のレポートは、世界各国の合計25万人以上の調査参加者から収集した過去10年分のデータから得たインサイト(洞察)の集大成です。過去、現在、未来の家での暮らしに迫ります。2023年度は新たに世界38ヵ国37,000人以上を対象に定量調査を、また日本を含む世界の4ヵ国(日本、スウェーデン、インド、米国)の計8世帯へのホームビジット(家への訪問)が行われ、日本では、東京都と長野県松本市在住の2世帯でインタビューと撮影が行われました。
●Life at Home Report 2023(ウェブサイト):https://www.ikea.com/jp/ja/life-at-home/
●日本のインサイト(PDF):https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/62/ec/62ecd1bb/ikea-life-at-home-report-2023-japan-highlight-ja.pdf
●Life at Home Report 2023 フルレポート(PDF):https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/d6/a4/d6a42b9a/ikea-life-at-home-report-2023-ja.pdf
日本の定量調査からのハイライト
グローバル平均と比べると、日本の人々は家での暮らしに対してポジティブに感じている人が少ない。一番の懸念点は、「心身の健康」
同居人より自分のほうが家事をやっていると回答した日本人男性はたったの4%(女性は38%)。埋まらない家での暮らしの中のジェンダーギャップ
日本人の家での暮らしにおける3つのニーズは「楽しさ」「快適さ」「セルフケア」
日本人の快適な睡眠には「部屋が適温であること」が1位、「ひとりで寝ること」が2位
グローバルレポートのハイライト
過去10年分のデータから、家でのよりよい暮らしを実現するために重要な8つのニーズが判明
過去10年の調査から見えた社会的・文化的変化による家での暮らしの変化と2030年以降の家での暮らし
イケアは、2014年より家の実用面を探るために調査を開始し、その後年数を重ね調査範囲が暮らしの感情的・心理的な側面まで広がっています。毎年イケアは世界中の人々に話を聞き、今の家での暮らしには何が重要で、それをさらに改善するためにイケアがどのようにお手伝いできるかを把握するために取り組んでいます。昨年創業80周年を迎え、家での暮らしにおける課題や夢を把握し、ホームファニッシングビジネスから培った家での暮らしに関する経験や知識を活かしながら、常に今の日本の暮らしにあったアイデアをお届けしています。人々のニーズを知り、寄り添い、応えたいという想いから更なるお手ごろ価格で提供する商品を増やし、春の新生活に向けて自分らしいスタイルを表現しながらスッキリとした収納の実現や限られたスペースの部屋にプライベートな空間をつくるためのソリューションの提案、家での心身の健康をサポートする商品をお届けするなど、イケアは、より快適な家での暮らしの実現に欠かせない存在になることを目指しています。
Ingkaグループ Life at Home Communication Leaderの Katie McCroryは、以下のように述べています。「長年にわたり調査を行っているなかで、家に対する感じ方は自分自身に対する感じ方に大きな影響を与えることが明らかになりました。私たちの調査によると、家での暮らしをポジティブに変えることで、私たちの暮らしや周りのコミュニティに大きな影響を与えることができます。よりよい暮らしは家から始まるのです。」
【Life at Home Report 2023 日本の定量調査結果のハイライト】
●世界では家での暮らしにポジティブに感じている人が多い、一方で日本は少ない
グローバル平均では、現在の家での暮らしをポジティブにとらえている人が60%、家がお気に入りの場所と回答した人も半数以上、そして今後2年間の展望をポジティブにとらえている人も47%と、家での暮らしに対する肯定的な意見が多くみられました。一方で、日本人は家での暮らしをポジティブにとらえている人が少ないことが分かりました。ただ日本の特徴としては、現在の家での暮らしをポジティブにとらえているかという質問に対して「どちらでもない」と回答している人が37%もいるため、これらの人々の家での暮らしを理解し、それぞれのニーズを刺激するソリューションの提案することによって、「ポジティブ」な人を増やすことができる可能性があります。
●3つのニーズ「楽しさ」「快適さ」「セルフケア」自分の時間を充実させることが重要
どのような家での暮らしがポジティブな要素になるのか把握するため家での暮らしにおけるニーズを分析し、日本の人々は「楽しさ」「快適さ」「セルフケア」が重要であることが分かりました。日本では、楽しさを感じられることとして趣味・関心事のための時間や自分のための時間、バスタイムと回答する人が多い中、グローバルでは大切な人とのハグを一番の項目として挙げています。また家での快適さを実現するためにはプライバシーを保てることが一番でしたが、日本において住民全員のプライバシーを確保できていると回答した人はわずか16%で、ニーズと現実との間にギャップがあることが判明しました。セルフケアを行うこともニーズの一つとして挙げられ、質のよい睡眠と自分のための時間が欠かせないようです。
●日本人の家での暮らしの一番の懸念点は、「心身の健康」
世界の人々の間では、家計と可処分所得が家での暮らしの一番の懸念点(40%)でしたが日本では3位(18%)。本調査が実施された時期が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に変更となったためか、日本では暮らしにおける懸念点として1位は体の健康、2位は心の健康と、日本人は心身の健康に対する懸念が大きいことが明らかになりました。
イケアでは、心身の健康にもつながる商品として2024年1月より暮らしの中で毎日できるトレーニングが手軽で楽しくできるものだと感じてもらうことを目的としたホームトレーニングコレクション「DAJLIEN/ダイリエン コレクション(https://www.ikea.com/jp/ja/new/dajlien-collection-pubdb8bffa0)」を発表しています。
●日本人の快適な睡眠には「部屋が適温であること」が1位、「1人で寝ること」が2位
心身の健康を保つために重要な要素である睡眠。40%が家での自分のケアや育成のためには、質の良い「睡眠」が必要と回答しています。よりよい睡眠をとるための習慣で、日本人が最も重要なこととあげたのは「適切な温度(33%)」で、グローバル平均31%よりも高いことが分かりました。特に温度管理は、男性よりも女性が重要視する傾向があります(女性36%、男性29%)。2番目に多くの日本人が挙げた習慣「1人で寝ること」は、グローバル平均19%に対して日本は28%と差があり、この習慣は団塊の世代、子どものいないパートナーとの暮らしをしている人々と女性の間で多く挙げられました。
多くの人が最適な睡眠環境を必要としている中、イケアでは、防臭性もある高機能な天然素材や軽さ、冬では保温性にも優れたさまざまな種類の布団や硬さや高さなどお気に入りの枕や快適な照明など、お客さまの睡眠をサポートする商品を多く取り揃えています。
●日本ではまだまだ家での暮らしの中のジェンダーギャップが埋まらない
日本ではほかの家族・同居人よりも多くの家事を担っていると回答した女性は38%、男性はたったの4%でした。グローバル平均では女性は34%、男性は14%と、家事の負担におけるジェンダーギャップはグローバル平均よりも日本のほうが大きく開いていることがわかります。また、これらの家事に対する責任やプレッシャーからか、約3割の日本人女性が、整理整頓された家に満足や安らぎを感じるのに役立つと回答しています(男性17%)。イケアでは、見せる収納や隠す収納などそれぞれの個性が表れた収納で整理整頓された家の実現をサポートするため、多種多様なアイテムから収納ソリューション(https://www.ikea.com/jp/ja/ideas/storage/)を提供しています。
【Life at Home Report 2023のグローバルのハイライト】
2014年から実施しているLife at Home Reportは、2023年度の調査で10年目となり今回のレポートは過去のレポートから得たインサイト(洞察)の集大成です。本調査はデータやインサイトが得られるだけでなく、充実した家の暮らしに対する人々の感情を理解するためにも役立てています。10年間の定量的な調査や、定性的なインタビュー、専門家へのインタビュー、ホームビジット(家への訪問)から見えてくる、世界中の人々の家での暮らしの体験を過去・現在・未来に分けて紹介します。
<過去>10年間の家での暮らしの変化と明らかになった家でのよりよい暮らしに必要な8つのニーズ
この10年間、世の中は絶え間なく変化し、それが私たちの家での暮らしに影響を与えてきました。社会的変化として、①生活費の高騰、②気候変動の影響、③テクノロジーの統合、④戦争や紛争、⑤パンデミックの影響が挙げられ、文化的変化として①ソーシャルメディア、②ホームシェアリング(民泊)、③自分らしくアレンジしたスペースが影響していると言えます。このような変化が、人々の暮らし方を形づくり、暮らしの優先順位を変え、再定義を促しました。特に、以下の項目は多機能な家に関わる転換をもたらしました。
●テクノロジー:人間の関係を邪魔するものから、家を効率化するものへ
2014年から2019年の間、テクノロジーは人間関係を邪魔するものとしての見方が強かったが、パンデミックにより仕事や、学校、遠方の家族をつなぐライフラインとなりました。
●ウェルビーング(心身ともに満たされた状態):家の外での活動から、家での暮らしに組み込まれた活動へ
10年前は、家の外での活動で心身の健康を高める傾向が強くありました。この転換点となったのがパンデミックです。2021年には、35%が身近な場所に独自の緑豊かなスペースをつくりたいと考えていることが分かりました。2023年は、家での暮らしの懸案事項として、グローバルでは家計(40%)の次に身体の健康(37%)があがりました。このことから、家での暮らしに「健康」という要素が重要であることが分かりました。
●サステナビリティ:遠くの世界の片隅で起こっていることから、個人の責任としてのサステナビリティへ
2016年は、所有物の過剰な多さに罪悪感を持つ人がわずか15%しかいませんでした。2020年には、自然への関心度が高まり、43%の人がよりよい家を求めて職場から離れた場所へ引っ越すことに前向きでした。現在は、よりサステナブルな暮らしに対する願望が高まり、20%の人がエネルギーや食物を自給自足できる家が理想と感じています。
●多機能な家:区切られた空間から、さまざまな活動を促す空間へ
以前は、食事やエクササイズ、仕事、娯楽などのために人々は頻繁に外出していました。パンデミック中の2020年の調査では、29%が家でエクササイズを始め、49%が以前よりも料理を楽しみ、32%がオフィスに行くよりも家で仕事する方がいいと回答しました。
家でのよりよい暮らしを実現するために重要な8つのニーズ
また、10年間のデータをもとに、よりよい家での暮らしのために必要な8つのニーズ(コントロール感、快適さ、セキュリティ、セルフケア・育成、帰属意識、楽しさ、達成感、将来への夢や願望)が明らかになりました。
<現在>2023年の暮らしに関する3つの葛藤
暮らしを良くする8つのニーズを求める一方で、現在多くの人々が暮らしの選択について大きく3つの葛藤に直面していることが分かりました。
●葛藤1:活動を増やす vs 活動を減らす
パンデミックの発生により、家がオフィスから保育所、ジムなど多くの役割を果たす必要があり生産性を高める家を求める一方で、自分のスペースを確保し穏やかな暮らしを追求したいという葛藤
●葛藤2:連帯感 vs プライバシー
家の中でも大切な人と一緒にいることで楽しさや安心、帰属意識が生まれ連帯感はウェルビーイングにも重要ですが、自分らしさの表現や自由にはプライバシーも必要で、自分だけのスペースを確保することも大切という葛藤
●葛藤3:豊かな暮らし vs 身の丈に合った暮らし
この10年間で「豊かな暮らし」の定義が広がり、健康・ウェルビーイング・サステナビリティが含まれるようになりました。生活費の高騰によりお手ごろ感が重視される身の丈に合った暮らしの反面、金銭的な面だけでなくサステナビリティや健康的な面でも豊かな暮らしを追求したいという葛藤
<未来>イケアが想定する2030年以降の起こりうる家での暮らし
イケアは、Life at Home(家での暮らし)に焦点を当てた総合的な調査の一環として、専門家や関連パートナーの協力により、常に未来を予測しています。Life at Home Reportの10年目となる節目で、予測の一部を、架空人物3名の10年後の未来の暮らしを描いたシナリオで紹介します。
(写真左から)1.遠く離れた家族がホログラムを使って日曜日の昼食に参加/ 2.バイオソーラーの壁紙は藻類を使って太陽光から発電/ 3.キノコの化合物を使った3Dプリンターでチェアを制作
1. 目的地にも家:この未来の世界の特徴は移動です。複数の家が存在し、個人の進化、プライバシー、新たな体験の追求に重点を置いたテクノロジーが浸透しています。
2.しなやかな強さを備えたコミュニティ:この未来の家での暮らしでは、地域社会への帰属意識と恒久的な安定、手近な資源の活用に重点が置かれます。人々はテクノロジーから遠ざかり、コミュニティからのサポートを好むようになります。
3.育まれる家:この未来の家での暮らしでは、気候危機の現実にかなり対応しており、個人によるコントロールが重視されます。テクノロジーを通じて自然ともっと調和する暮らしを実現することで、新たな体験を自由に模索できるようになります。
写真家アニー・リーボヴィッツと共同プロジェクト作品「Life at Home」を公開
昨年1月より、イケアは写真家アニー・リーボヴィッツと手を組み、「世界の家での暮らし」を撮影する共同プロジェクトを推進しており、2024年2月28日(水)からパリで開催されたファッション・ウィークにて日本を含めた世界7か国(日本、アメリカ、ドイツ、イタリア、インド、スウェーデン、イギリス)でのリアルな家での暮らしの作品を25点(日本で撮影した作品3点を含む)公開しました。昨年度発表した「Life at Home Report 2022」の調査結果から世界のほぼ半数の人(48%)が、「自分の家での暮らしがメディアに反映されていない」と感じていることが判明したことで開始した本プロジェクト。アニー・リーボヴィッツは、人々の日々の暮らしとその背景にある彼らの物語を見つけることに焦点を当てています。撮影用のセットはなく、スタイリストもいない、リアルな人々、リアルな暮らしだけがそこにあります。各国の作品やプロジェクトの詳細は下記のリンクをご覧ください。
グローバルマイクロサイト(英語):https://lifeathome.ikea.com/annie-leibovitz
イケアのウェブサイト(日本語):https://www.ikea.com/jp/ja/life-at-home/ikea-artist-in-residence-annie-leibovitz-pub136f0300
テクニカルノート
この定量調査は、Ingka Holding B.V. (Ingkaグループ)に代わってYouGovが実施したものです。YouGovは、国際的なリサーチおよびデータ分析グループです。38ヵ国の18歳以上の合計37,428人を調査対象にオンライン調査を実施しました。対象国は、次の通りです:
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、クロアチア、チリ、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、韓国、スペイン、スウェーデン、イギリス、アメリカ。
データ収集は、2023年5月から6月の期間に行われました。性別、年齢、地域に対して割当(クォータ)を適用し、結果がターゲットグループの母集団を表すよう、データは、各国の統計から計算された理想的なウェイトに基づいて、性別、年齢、地域の側面に従ってウェイト調整されています。
イケア・ジャパン 公式HP http://ikea.jp/
イケア・ジャパン ニュースルーム https://www.ikea.com/jp/ja/newsroom/
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