どのような物件、どのような住戸が資産価値UPになるのか。大規模マンション値上がり率調査
今回は、タワーマンションと並んで人気が高い大規模マンションに注目し、値上がり率を調査しました。
分譲マンションの中でも人気が高い大規模マンション。今回は首都圏、東海、関西の総戸数300戸以上の大規模マンションのうち、タワーマンション以外(総階数が20階未満のマンション)の値上がり率から、値下がりしづらいのはどのようなマンションなのかを調査しました。
駅からの徒歩分数ごとに、徒歩5分以内、徒歩6~10分、徒歩11~15分、徒歩16分以上、バス便の区分で値上がり率を見てみると、駅から近い方から遠い方に向かって下がっているのが分かります。よく「駅近神話」などと言われますが、傾向としては間違ってはいないようです。
では、大規模マンションの購入を考えた時、どの部屋が値下がりしづらいかを見てみます。
■コンパクトな部屋の方が値下がりしない
まずは、住戸の面積帯ごとの値上がり率を見てみます。
50㎡台以下の値上がり率が高く、次いで80㎡台以下と続きます。総じて面積が小さい住戸の方が、値上がり率が高い(値下がりしない)傾向にあるようです。
■2階以上の低層階の値上がり率が高い傾向
次に所在階別の値上がり率を見てみます。
徒歩分数や面積帯毎の比較と比べると階数による差は少ないものの、低層階(2階~4階)が全階数の中でも値下がりしづらい(より値上がりしている)傾向にあります。
■意外にも北向きの値上がり率が最も高い
最後に方位別の値上がり率を見てみると、意外にも北向きの値上がり率が最も高く、南向き、南東向き、真南向きの値上がり率が全方位の中でも低いという結果になりました。
■新築時の値ごろ感が影響
今回の調査で値下がりしない大規模物件は、物件としては「駅近」という想定通りの結果でしたが、住戸を見てみると「面積が狭め」「低層階(1階以外)」「南向き以外」という意外な結果となりました。
「駅近」を除き、今回の結果で共通して言えるのが、「(同一物件の中で)新築時にいかに割安だったか」ということです。新築時、面積が広い方が価格は高くなりますし、同じ広さの間取りなら上層階に行くほど価格は高く、南向きの住戸の方が他の方位よりも高くなります。マンションを建てる際、条件の良い方位に広い面積のプランを作る傾向もある為、新築時の価格設定も、条件の良い部屋は他の部屋と比べ高めの単価、高めの価格となるのが一般的です。
最近では住宅設備の進歩などもあり、方位や所在階による実際の住み心地の差も少なくなってきていることから、中古流通時には(新築時は大きかった)方位や階数といった条件による価格差が縮まり、結果として、新築時に住戸構成の中では相対的に割安だったプランの方が値上がり率が高いという結果につながったと考えられます。
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