NTTコム リサーチ自主調査(No.250)旅行とGo To トラベルの利用に関する調査
~感染拡大防止措置を取った上でのGo To トラベル再開に半数が賛成~
「NTTコム リサーチ」(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が運営するインターネットアンケートサービス)は、「旅行とGo To トラベルキャンペーン」に関する調査を実施し、1,329名から回答を得ました。
本発表では、調査実施時点(2021年12月3日)で、再開が検討されている“Go To トラベルキャンペーン”に対する期待や不安についてレポートします。
なお、今回の調査結果および単純集計データ(無料)は、https://research.nttcoms.com/database/data/002183/ でご覧いただけます。
本発表では、調査実施時点(2021年12月3日)で、再開が検討されている“Go To トラベルキャンペーン”に対する期待や不安についてレポートします。
なお、今回の調査結果および単純集計データ(無料)は、https://research.nttcoms.com/database/data/002183/ でご覧いただけます。
総括
去る2021年7月22日に東京都を除外する形でスタートしたGo To トラベル事業は、都市部における感染者の急増を受けて除外や停止措置が取られる等、状況が変化する中での実施となりました。それを踏まえ、2021年12月3日時点で、再開が検討されているGo To トラベルでは、割引額や割引上限の引き下げや、「ワクチン・検査パッケージ」の活用として、ワクチン2回接種の証明又は陰性証明を利用条件として設定される等としています。このような背景の中、消費者が、Go To トラベルキャンペーンの再開をどのように受け止めているのか調査しました。
調査結果によると、Go To トラベルの再開に対し、53.4%が賛成の意向を示しました。しかし、再開にあたっては、ワクチン接種証明の提出や、感染者数が増加したらすぐに停止する、休日に集中しないよう分散を図る等、新型コロナの感染が拡大しないよう十分な措置を講じた上で実施すべきだという意見も多くみられました。
再開した場合、新しいGo To トラベルの利用意向は、「利用する」18.3%と「利用を検討したい」29.3%を合わせて、47.3%にのぼりました。旅行先では、「土地の名産・特産物をたくさん食べたい」60.5%、「地元のお店に寄りたい」41.7%といった意見が多く、消費においても、「たくさん消費して経済の活性化に貢献したい」22.7%、「なるべく意識して、消費額を増やしたいと思う」42.5%と、旅行先での消費に対し前向きな意見が多く寄せられました。
この調査結果によって、消費者の約半数が、感染拡大に注意しながらも、Go To トラベルの活用により、「お得」に旅行をしながら、観光需要喚起に貢献したいと考えていることがわかりました。
調査概要
1. 調査対象: 「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間: 2021年12月3日(金)~12月5日(日)
4. 有効回答者数: 1,329名
5. 回答者の属性: 日本国内に在住する20歳以上の男女
調査結果のポイント
(1)Go To トラベルの再開に対し、半数が賛成の意向を示した。
再開が検討されている(2021年12月5日時点)での、Go To トラベルキャンペーンに対する賛否を確認したところ、「再開したほうがよい」18.1%、「再開したほうが良いが、充分に検討が必要」35.4%を合算して53.5%が、再開に賛成の意向を示した。一方で、「再開すべきではない」と回答したのは25.6%で、「わからない・どちらでもない」としたのは20.0%だった。
(2)新型コロナの感染が拡大しないよう十分な措置を講じた上での再開が望まれている。
Go To トラベル再開にあたり、必要だと思う検討事項を尋ねたところ、「ワクチン接種証明書の提出を義務付ける」41.2%が最も多い。次いで、「感染者数が増加したらすぐに停止する前提で実施すべき」24.6%、「休日に集中しないよう分散を図る」23.4%、「一人あたりの利用回数を制限する」23.4%、「グループの人数を制限する」18.9%等が続いた。
(3)2020年のキャンペーン利用率は29.8%。新たに検討しているキャンペーンの利用意向は47.3%。
昨年2020年の7月からスタートしたGo To トラベルを「利用した」のは29.8% で、70.2%は「利用していない」と回答した。また、新たにキャンペーンが再開された場合、利用意向があるのは47.6%(「利用する」18.3%と「利用を検討したい」29.3%の合算)であった。
(4)新たなGo To トラベルも、昨年同様、消費者の旅行ニーズ喚起が期待できる。
Go To トラベルの有無が旅行の計画にどの程度影響を与えているのか調べたところ、最も多かったのは「Go To トラベルがなくても旅行をすると思う」36.2%であったが、「Go To トラベルがあるなら、旅行をする」15.7%、「Go To トラベルがあるなら、旅行回数が増える」も17.8%となっており、Go To トラベルが、消費者の旅行ニーズ喚起に対し、一定の底上げに寄与していることがわかる。
(5)割引率の引き下げ、ワクチン接種証明やPCR検査の陰性証明の提出など、新たなキャンペーンで加わった利用条件により、利用意向は1割程度減少するが大きな影響はみられない。
新たなGo To トラベルでは、昨年に比べて割引率や割引の上限が引き下げられることが検討されている。このことが、キャンペーンの利用意向にどのような影響を与えるのか調べたところ、69.2%が「(キャンペーンの利用意向は)変わらない」と回答した。さらに、ポジティブな影響度が20.5%(「利用意向が高まる」10.1%と、「利用回数が増える」10.5%の合算)で、これらの条件追加によりキャンペーンの利用意向の減少影響は少ない。
(6)Go To トラベルキャンペーンによる旅行ニーズ喚起は、消費活動の増加にも影響が見込める。
Go To トラベルを利用した旅先での過ごし方では、「土地の名産・特産物をたくさん食べたい」60.5%が最も多く、次に「地元のお店に寄りたい」41.7%、「アクティブに周辺の観光地を見て回りたい」36.7%、「お土産をたくさん買いたい」32.9%が続く。
さらに、旅先での消費額については、「たくさん消費して経済の活性化に貢献したい」22.7%、「なるべく意識して、消費額を増やしたいと思う」42.5%と、意識的に旅行先での消費を増やそうと考えている割合が65.2%にのぼり、「せっかくお得に旅行するのでなるべく支出は抑えたい」12.3%や「これまでと変わらない」22.5%を上回っている。
回答者の属性
調査結果
1. 旅行ニーズ
回答者の73.4%が「旅行好き」である。
趣味として旅行が好きな人がどのくらいいるのか尋ねたところ、回答者全体のうち、「とても好き」と回答した割合が38.1%、「まあ好き」と回答した割合が35.3%で、合算すると73.4%が旅行に関心があることがわかった。【図表1】
図表 1 あなたは旅行が好きですか。【単一回答】(n=1,329)
回答者の64.6%が旅行ニーズを持っているが、22.6%は、今はまだ自粛の時期だと考えている。
調査実施時点で、旅行に行きたいと考えている人の割合は、「すでに旅行の計画がある」12.9%、「これから計画しようと考えている」18.5%、「特に予定はないが旅行したいと思う」33.2%となっており、全体の64.6%が旅行に対して前向きな意向を持っていることがわかる。
一方で「今はまだ旅行をしたいと思わない」と回答したのは22.6%で、潜在的なニーズはあるものの今はまだ旅行をする時期ではないという自粛が背景にあると推測できる。【図表2】
図表 2 あなたは、今、旅行(宿泊を伴う旅)に行きたいと思っていますか。【単一回答】(n=1,329)
2. Go To トラベルキャンペーン再開について
Go To トラベルキャンペーン再開に、半数が賛成の意向を示した。
再開が検討されている(2021年12月5日時点)、Go To トラベルキャンペーンに対する賛否を確認したところ、53.5%(「再開したほうがよい」18.1%、「再開したほうが良いが、充分に検討が必要」35.4%を合算)が、再開に賛成の意向を示した。一方で、「再開すべきではない」と回答したのは26.5%で、20.0%は「わからない・どちらでもない」と回答した。【図表3】
図表 3 あなたはGo To トラベルキャンペーンの再開についてどう思いますか。【単一回答】(n=1,329)
反対の理由は、新型コロナウイルスの感染拡大を招く可能性が高いことを懸念する声が多い。
Go To トラベルキャンペーン再開に反対、または、充分に検討が必要だと回答した人に対し、その理由を尋ねたところ、「コロナウイルスの変異株が出てくるから」が最も多く61.8%で、「全国的にまた感染者数が増えるから」52.9%、「治療薬が開発されていないから」29.5%、「感染者数の増加により医療崩壊を招くから」28.8%が続き、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する声が大きい。また、「利用しない人には不公平な制度だから」27.9%、「もっと違うところに助成金を出すべきだと思うから」27.7%といった意見も見られた。【図表4】
図表 4 「再開すべきではない」「再開したほうが良いが、充分に検討が必要」と回答した方にお伺いします。 その理由を教えてください。【複数回答】(n=823)
新型コロナの感染が拡大しないよう十分な措置を講じた上での再開が望まれている。
Go To トラベルキャンペーン再開にあたり、必要だと思う検討事項を尋ねたところ、「ワクチン接種証明書の提出を義務付ける」41.2%が最も多い。次いで、「感染者数が増加したらすぐに停止する前提で実施すべき」24.6%、「休日に集中しないよう分散を図る」23.4%、「一人あたりの利用回数を制限する」23.4%、「グループの人数を制限する」18.9%等が続いた。いずれも、感染拡大につながらないような措置を講じた上でのキャンペーン再開を望んでいることがわかる。【図表5】
図表 5 Go To トラベルキャンペーンの再開にあたり、様々な議論がありますが、あなたは、どのような検討が必要だと思いますか。【複数回答】(n=1,329)
3. Go To トラベルキャンペーン利用意向
2020年実施のキャンペーン利用率は29.8%。新たなキャンペーンの利用意向は47.3%。
昨年、実施されたGo To トラベルキャンペーン(2020年7月22日にスタート)の利用有無では、「利用した」のは29.8% で、70.2%は「利用していない」と回答した。【図表6】
新たに再開された場合、利用意向があるのは47.6%(「利用する」と回答したのは18.3%と「利用を検討したい」29.3%の合算)であった。【図表7】
図表 6 あなたは、昨年実施されたGo To トラベルキャンペーンを利用しましたか。【単一回答】(n=1,329)
図表 7 Go To トラベルキャンペーンが再開されたら、キャンペーンを利用しようと思いますか。【単一回答】(n=1,329)
新たなGo To トラベルキャンペーンも、昨年同様、消費者の旅行ニーズ喚起が期待できる。
Go To トラベルキャンペーンの有無が、旅行の計画にどの程度影響を与えているのか調べたところ、最も多かったのは「Go To トラベルキャンペーンがなくても旅行をすると思う」36.2%であったが、「Go To トラベルキャンペーンがあるなら、旅行をする」15.7%、「Go To トラベルキャンペーンがあるなら、旅行回数が増える」も17.8%となっており、Go To トラベルキャンペーンが、消費者の旅行ニーズ喚起に対し一定の底上げに寄与していることがわかる。【図表8】
図表 8 Go To トラベルキャンペーンがあることによって、旅行の意向が高まりますか。【単一回答】(n=1,329)
割引率の引き下げ、ワクチン接種証明やPCR検査の陰性証明の提出など、新たなキャンペーンで加わった利用条件により、利用意向は1割程度減少するが大きな影響はみられない。
新たなGo To トラベルキャンペーンでは、昨年に比べて割引率や割引の上限が引き下げられることが検討されています。このことが、キャンペーンの利用意向にどのような影響を与えるのか調べたところ、69.2%が「(キャンペーンの利用意向は)変わらない」と回答した。ポジティブな影響度は20.5%(「利用意向が高まる」10.1%と、「利用回数が増える」10.5%の合算)で、ネガティブな影響度は10.2%(「利用意向が下がる」7.6%と、「利用回数が減る」2.6%の合算)となっており、割引率や割引額上限の引き下げが、キャンペーン利用の減少に与える影響は少ないといえる。【図表9】
図表 9 今回予定されているキャンペーンでは、昨年実施された内容に比べ、割引率や割引の上限額が引き下げられる予定です。 このことで、キャンペーンの利用意向に変化はありますか。【単一回答】(n=1,329)
また、キャンペーンの利用条件として、ワクチン接種証明またはPCR検査の陰性証明などを事前に提出することが検討されていますが、このことによる影響をみると、66.5%が「(キャンペーンの利用意向は)変わらない」と回答した。ポジティブな影響度は17.3%(「利用意向が高まる」8.2%と、「利用回数が増える」9.1%の合算)で、ネガティブな影響度は16.2%(「利用意向が下がる」11.1%と、「利用回数が減る」5.1%の合算)となっており、ワクチン接種証明またはPCR検査の陰性証明などを事前に提出することが、キャンペーン利用の減少に与える影響は少ないといえる。【図表10】
図表 10 ワクチン接種証明またはPCR検査の陰性証明などを事前に提出することになった場合、Go To トラベルキャンペーンの利用意向に変化はありますか。【単一回答】(n=1,329)
ワクチン接種証明またはPCR検査の陰性証明などを事前に提出することに対する消費者の意見では、「安心を確保できるので賛成」39.9%が最も多いものの、「賛成だが、提出の事務手続きは面倒なので簡単にしてほしい」「ワクチン接種やPCR検査が絶対安全というわけではないのであまり意味がない」がいずれも24.5%で続いた。以降、「PCR検査に費用がかかるのでキャンペーンを利用してもあまりお得感がない」18.1%、「ワクチンを接種できない人がキャンペーンを利用できないので不公平」16.8%、「手続きにあたり、宿泊施設や旅行代理店の手間が増えそう」15.6%等の意見がみられた。【図表11】
図表 11 新たなGo To トラベルキャンペーンでは、ワクチン・検査パッケージの活用として、ワクチン接種証明又はPCR検査の陰性証明を利用条件として設定することが検討されています。 あなたは、このことに対しどのように思いますか。【複数回答】(n=1,329)
4. Go To トラベルキャンペーンの利用意向がある人の利用プラン
Go To トラベルキャンペーンの魅力は「お得に旅行ができること」である。
新たなGo To トラベルキャンペーンが再開されたら利用したいと考える人に対し、その理由を尋ねたところ、「お得に旅行ができるから」が78.0%で最も多く、それ以降の理由と大きな差をつけた。2番目以降では「リーズナブルな施設をさらに格安で利用できるから」25.9%、「家族全員分の支出を考えるとかなり助かるから」23.4%、「少しでも経済の回復に貢献できると思うから」22.9%、「普段は宿泊できない高級な施設に宿泊できるから」21.8%が続く。【図表12】
キャンペーンを利用する場合の旅行相手や目的では、「家族旅行」が74.4%を占めた。以降、「友人との旅行」32.5%、「一人旅」25.1%が続く。【図表13】
図表 12 Go To トラベルキャンペーンを利用しようと思うのはなぜですか。【複数回答】(n=633)
図表 13 Go To トラベルキャンペーンを利用する場合、誰と、どのような目的で利用しますか。【複数回答】(n=633)
Go To トラベルによる旅行ニーズ喚起は、消費活動の増加にも影響が見込める。
Go To トラベルキャンペーンを利用した場合、旅先での過ごし方では、「土地の名産・特産物をたくさん食べたい」60.5%が最も多く、次に「地元のお店に寄りたい」41.7%、「アクティブに周辺の観光地を見て回りたい」36.7%、「お土産をたくさん買いたい」32.9%が続く。【図表14】
さらに、旅先での消費額については、「たくさん消費して経済の活性化に貢献したい」22.7%、「なるべく意識して、消費額を増やしたいと思う」42.5%と、旅行先での消費を増やそう意識している割合が65.2%にのぼり、「せっかくお得に旅行するのでなるべく支出は抑えたい」12.3%や「これまでと変わらない」22.5%を上回っている。【図表15】
Go To トラベルキャンペーンを利用して旅行に出かけることで、周辺地域の活性化や消費の増加につながる可能性が見える。
図表 14 Go To トラベルキャンペーンを利用した旅先では、どのように過ごしたいと思いますか。【複数回答】(n=633)
図表 15 旅先での消費額(食事やお土産、観光に対して支出するお金)は、これまでに比べて増やそうと思いますか。【単一回答】(n=633)
申込方法や利用条件を明快にし、利用しやすいキャンペーンの実施が求められている。
Go To トラベルキャンペーン利用にあたり、不安に感じていることを尋ねたところ、「申込方法が分かりにくい」32.2%、「利用条件が複雑」31.8%、「割引や還元がいくらなのか分かりにくい」28.0%が上位にあげられた。また、「コロナウイルスの感染拡大が広がること」に対する不安も25.9%が感じている。【図表16】
図表 16 Go To トラベルキャンペーンの利用にあたり、不安に思うことはありますか。【複数回答】(n=633)
なお、今回の調査結果および単純集計データ(無料)は、https://research.nttcoms.com/database/data/002183/ でご覧いただけます。
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