ジョブ型採用導入により、8割以上の人事・採用担当者が「応募者の質向上」や「定着率改善」を実感！採用活動において「候補者との期待値のミスマッチ減少」の効果あり

〜ジョブ型採用の導入における組織全体の前向きな変化として、「評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった」との声多数〜

株式会社アカリク

2025年6月10日 11時00分

　大学院生を中心とする高度専門人材のキャリア支援を行う株式会社アカリク（本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：山田諒、以下アカリク）は、ジョブ型採用を導入している企業（従業員数100名以上）の人事・採用部門の管理職102名を対象に、ジョブ型採用導入による企業変革に関する調査を実施しましたので、お知らせいたします。

01｜ジョブ型採用導入による変化、82.3%が「応募者の質向上」、81.4%が「入社後1年以内の離職率改善」を実感
02｜ジョブ型採用活動における効果、「ミスマッチが減り、入社後の定着が良くなった」が47.1%で最多
03｜約8割が、ジョブ型採用導入で組織全体に「前向きな変化」あり、うち約6割が、「評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった」と回答

■調査概要

調査名称：ジョブ型採用導入による企業変革に関する調査
調査方法：IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間：2025年4月14日〜同年4月15日
有効回答：ジョブ型採用を導入している企業（従業員数100名以上）の人事・採用部門の管理職102名

※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。

■82.3%が、ジョブ型採用導入後に「応募者の質の向上」を実感

　「Q1.ジョブ型採用の導入後、応募者の質はどのように変化しましたか。」（n=102）と質問したところ、「大きく向上した（30%以上の向上）」が22.5%、「やや向上した（10〜30%程度の向上）」が37.3%、「少し向上した（10%未満の向上）」が22.5%という回答となりました。

・大きく向上した（30%以上の向上）：22.5%

・やや向上した（10%〜30%程度の向上）：37.3%

・少し向上した（10%未満の向上）：22.5%

・変化はなかった：11.8%

・低下した：0.0%

・わからない/答えられない：5.9%

■81.4%が、ジョブ型採用導入後に「入社後1年以内の離職率が改善した」と回答

　「Q2.ジョブ型採用の導入後、入社後1年以内の離職率はどのように変化しましたか。」（n=102）と質問したところ、「大きく改善した（30%以上の改善）」が19.6%、「やや改善した（10〜30%程度の改善）」が39.3%、「少し改善した（10%未満の改善）」が22.5%という回答となりました。

・大きく改善した（30%以上の改善）：19.6%

・やや改善した（10%〜30%程度の改善）：39.3%

・少し改善した（10%未満の改善）：22.5%

・変化はなかった：13.7%

・悪化した：0.0%

・わからない/答えられない：4.9%

■ジョブ型採用活動における効果、「候補者との期待値のミスマッチが減り、入社後の定着が良くなった」が47.1%で最多

　「Q3.ジョブ型採用の導入後、採用活動でどのような効果を実感しましたか。（複数回答）」（n=102）と質問したところ、「候補者との期待値のミスマッチが減り、入社後の定着が良くなった」が47.1%、「必要なスキルや経験が明確になり、的確な人材が集まりやすくなった」が43.1%、「職務内容が明確なため、応募者の質が向上した」が40.2%という回答となりました。

・候補者との期待値のミスマッチが減り、入社後の定着が良くなった：47.1%

・必要なスキルや経験が明確になり、的確な人材が集まりやすくなった：43.1%

・職務内容が明確なため、応募者の質が向上した：40.2%

・選考がスムーズになり、採用にかかる時間が短縮された：35.3%

・内定承諾率が上がり、採用効率が向上した：28.4%

・部署との連携がスムーズになり、受入体制が整った：24.5%

・採用コストを抑えられるようになった：22.5%

・入社後の業務習熟が早くなった：13.7%

・採用ブランドが向上し、応募数が増加した：10.8%

・その他：0.0%

・特にない：6.9%

・わからない/答えられない：1.0%

■「適正配置が可能となった」や「本人たちのモチベーションが上がる」などの効果も

　Q3で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答した以外に、ジョブ型採用による効果があれば、自由に教えてください。（自由回答）」（n=94）と質問したところ、「適正配置が可能となった」や「本人たちのモチベーションが上がる」など49の回答を得ることができました。

＜自由回答・一部抜粋＞

適正配置が可能となった。
本人たちのモチベーションが上がる。
特性が活かされやすくなった。
需要と供給側での認識のズレがなくなってきた。
活気がある。
効果的な採用。

■約8割から、ジョブ型採用導入は「前向きな変化をもたらした」との声

　「Q5.ジョブ型採用の導入は、組織全体と従業員にどのような変化をもたらしましたか。」（n=102）と質問したところ、「非常に前向きな変化が見られた」が27.5%、「ある程度前向きな変化が見られた」が51.0%という回答となりました。

・非常に前向きな変化が見られた：27.5%

・ある程度前向きな変化が見られた：51.0%

・特に大きな変化は感じられなかった：18.6%

・むしろマイナスの変化が見られた：0.0%

・わからない/答えられない：2.9%

■前向きな変化として、約6割が、「評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった」と回答

　Q5で「非常に前向きな変化が見られた」「ある程度前向きな変化が見られた」と回答した方に、「Q6.具体的にどのような変化を実感されましたか。（複数回答）」（n=80）と質問したところ、「評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった」が56.2%、「社員一人ひとりの役割が明確になり、業務効率が上がった」が47.5%、「キャリアパスが見えやすくなり、社員の成長意欲が高まった」が46.2%という回答となりました。

・評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった：56.2%

・社員一人ひとりの役割が明確になり、業務効率が上がった：47.5%

・キャリアパスが見えやすくなり、社員の成長意欲が高まった：46.2%

・社内公募への応募が活発になり、人材の流動性が向上した：37.5%

・専門性の高い人材が増え、組織の競争力が高まった：33.8%

・昇進・昇格の基準が明確になり、モチベーションが向上した：25.0%

・給与体系が整理され、給与の納得感が高まった：11.2%

・その他：0.0%

・わからない/答えられない：0.0%

■「風通しがよくなった」や「メリハリがつきやすくなった」などの変化も

　Q6で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した以外に、組織全体の変化があれば、自由に教えてください。（自由回答）」（n=80）と質問したところ、「風通しがよくなった」や「メリハリがつきやすくなった」など38の回答を得ることができました。

＜自由回答・一部抜粋＞

風通しがよくなった。
メリハリがつきやすくなった。
仕事、職務志向になった。
全体の士気が向上した。

■70.7%が、ジョブ型採用の導入に課題あり

　「Q8.ジョブ型採用の導入において、課題を感じることはありましたか。」（n=102）と質問したところ、「かなり大きな課題があった」が23.5%、「やや課題があった」が47.2%という回答となりました。

・かなり大きな課題があった：23.5%

・やや課題があった：47.2%

・あまり課題はなかった：22.5%

・全く課題はなかった：3.9%

・わからない/答えられない：2.9%

■具体的な課題、「求める人材要件の設定が難しく、採用基準の調整に苦労した」や「給与水準の設定に苦労した」が上位

　Q8で「かなり大きな課題があった」「やや課題があった」と回答した方に、「Q9.具体的にどのような課題を感じましたか。（複数回答）」（n=72）と質問したところ、「求める人材要件の設定が難しく、採用基準の調整に苦労した」が52.8%、「給与水準の設定に苦労した」が45.8%、「職務記述書の作成に想定以上の時間と労力がかかった」が40.3%という回答となりました。

・求める人材要件の設定が難しく、採用基準の調整に苦労した：52.8%

・給与水準の設定に苦労した：45.8%

・職務記述書の作成に想定以上の時間と労力がかかった：40.3%

・既存社員との処遇の違いに対する不満の声があった：33.3%

・評価制度の見直しに想定以上の時間がかかった：31.9%

・配置転換の柔軟性が失われ、人員配置に苦労した：22.2%

・社内の理解を得るのに時間がかかった：16.7%

・既存の人事制度との整合性をとるのが難しかった：11.1%

・その他：0.0%

・わからない/答えられない：0.0%

■「導入するまでに時間がかかる。」などの課題も

　Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、ジョブ型採用の導入における課題があれば、自由に教えてください。（自由回答）」（n=72）と質問したところ、「導入するまでに時間がかかる。」や「コストが高い」など30の回答を得ることができました。

＜自由回答・一部抜粋＞

導入するまでに時間がかかる。
コストが高い。
モチベーションの向上。
理解不足が多発した。
選考。

■ジョブ型採用の今後の展開、「積極的に拡大していく予定」が33.3%、「現状の規模を維持する予定」が31.4%

　「Q11.今後のジョブ型採用について、どのような展開をお考えですか。」（n=102）と質問したところ、「積極的に拡大していく予定」が33.3%、「現状の規模を維持する予定」が31.4%という回答となりました。

・積極的に拡大していく予定：33.3%

・現状の規模を維持する予定：31.4%

・様子を見ながら判断する予定：27.5%

・縮小を検討している：3.9%

・廃止を検討している：0.0%

・その他：0.0%

・わからない/答えられない：3.9%

■まとめ

　今回は、ジョブ型採用を導入している企業（従業員数100名以上）の人事・採用部門の管理職102名を対象に、ジョブ型採用導入による企業変革に関する調査を実施しました。

　まず、ジョブ型採用導入による変化として、82.3%が「応募者の質向上」、81.4%が「入社後1年以内の離職率改善」を実感していることが分かりました。また、採用活動における効果では、「ミスマッチが減り、入社後の定着が良くなった」が47.1%で最も多く、次いで「必要なスキルや経験が明確になり、的確な人材が集まりやすくなった」が43.1%となっています。さらに、約8割が、ジョブ型採用導入は、組織全体と従業員に「前向きな変化をもたらした」と感じており、うち約6割が、「評価基準が明確になり、社員の納得感が高まった」と変化を実感しています。一方で、70.7%が、ジョブ型採用の導入に課題を抱えており、具体的な課題としては、「求める人材要件の設定が難しく、採用基準の調整に苦労した」（52.8%）や「給与水準の設定に苦労した」（45.8%）が挙げられました。最後に、ジョブ型採用の今後の展開では、「積極的に拡大していく予定」が33.3%、「現状の規模を維持する予定」が31.4%を占めています。

　今回の調査では、ジョブ型採用の導入が企業にもたらす具体的な効果と変化が明らかになりました。日本の雇用慣行が従来の「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へと徐々に移行する中、採用と定着の両面で顕著な改善が見られています。特に「キャリアパスの明確化」や「評価基準の透明性」が従業員のエンゲージメント向上を促すことは、激化する人材獲得競争において、企業の競争力強化にも直結する重要な要素でしょう。高度AI技術者など専門性の高い人材を求める企業にとって、明確な職務定義と評価基準を備えたジョブ型採用は、適切な人材の獲得と育成を実現する有効な戦略となるでしょう。