旭化成エレクトロニクスの電流センサー「CZ39シリーズ」「CZ3Kシリーズ」がMicrochip社のアーク故障検出のリファレンスデザインに採用

~高速応答・低ノイズ性能で、機械学習による高精度な検出を支援~

旭化成株式会社

  • コアレス電流センサーCZ39シリーズ、CZ3KシリーズがMicrochip社のアーク故障検出リファレンスデザインの主要構成部品に採用

  • 100nsの高速応答と低ノイズ性能でアーク故障特有の電流信号を正確に捉えることに貢献

  • 旭化成エレクトロニクス(AKM)の電流検出技術とMicrochip社の機械学習を組み合わせ、誤検知の低減と検出性能の向上を支援

旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:栗田 直幸、以下「AKM」)は、コアレス電流センサーCZ39シリーズ(以下、CZ39)およびCZ3Kシリーズ(以下、CZ3K)が、米国の大手半導体メーカーMicrochip Technology Inc.(以下「Microchip社」)の機械学習(ML:Machine Learning)/AIを活用したアーク故障※1検出リファレンスデザインに、主要構成部品として採用されたことをお知らせします。

本リファレンスデザインでは、制御機能とデジタル信号処理機能を備えたMicrochip社の「dsPIC33A DSC」※2が使用されています。AKMの電流センシング技術と、同製品によるリアルタイム信号処理およびエッジ機械学習処理を組み合わせることで、高精度かつ信頼性の高いアーク故障検出の実現を支援します。

Microchip社の機械学習/AIを活用したアーク故障検出デモアプリケーション

※1 アーク故障:電線の損傷や接続不良などにより、導体間で放電(アーク)が発生する異常現象。高熱を伴い、電気火災の原因となることがあります。

※2 DSC(Digital Signal Controller):マイコンの制御機能とデジタル信号処理機能を組み合わせた半導体。信号処理および推論アルゴリズムをコントローラー上で直接実行できるため、外部演算リソースを必要としないローカルな意思決定を可能にします。

従来方式の課題と本リファレンスデザインの特長

アーク故障は、太陽光発電システム、蓄電システム、EV充電インフラ、産業用・住宅用配電設備における電気火災の主な原因の一つです。これまでのアーク故障検出では、センサーで検出した信号をあらかじめ設定した基準値と比較して、異常かどうかを判定する方法が一般的でした。

 

しかし、住宅および商業用の交流(AC)回路では、掃除機や電動ドリル、調光器(ディマー)などの日常的な機器が、スイッチ接点やモーターブラシ部分でアークを発生させるため、危険なアーク故障とよく似た信号を生成します。

また、太陽光発電、EV充電器、エネルギー貯蔵システムなどの直流(DC)システムでは、リレー接点のバウンス、インバーター動作、コンデンサの突入電流などによるスイッチング過渡現象※3が、実際のアーク故障と同じ周波数帯域に広帯域ノイズを発生させます。その結果、誤検出による不必要なシステム停止が発生します。

 

これに対し、機械学習を活用したMicrochip社のAFDリファレンスデザインは、この課題を解決します。統合DSPエンジンと高度なアナログ周辺回路を備えたdsPIC33A DSC上でエッジMLモデルを直接実行することで、低遅延な機械学習推論を実現します。これにより、従来方式と比べて誤検出を低減しながら、アーク故障の検出性能を向上させます。

※3 スイッチング過渡現象:回路のスイッチをオン・オフした直後に、 電圧や電流が一時的に大きく変動し、安定した状態(定常状態)へ落ち着くまでの過渡的な変化のこと。

電流センサーの役割と両社の連携

機械学習を用いてアーク故障を高精度に検出するには、センサーがアーク故障特有の電流信号を正確に捉えることが重要です。 

AKMのCZ39およびCZ3Kは、磁性体のコアを使用せずに電流を検出する「コアレス」方式の電流センサーです。100nsの高速応答と低ノイズ性能により、Microchip社のリファレンスデザインにおける高精度な判定に貢献します。

 

また、AKMの米国子会社であるAKM Semiconductor, Inc.(以下「AKMS」)のエンジニアリングチームは、リファレンスデザインの開発・検証段階において、電流検出の構成についてMicrochip社と緊密に連携しました。これにより、高性能な電流検出とエッジ処理を組み合わせ、誤検知の低減とアーク故障検出性能の向上を支援する新たな保護ソリューションを実現しています。

AKMSバイスプレジデント 事業開発担当 Chris Baltar コメント

「AKMのCZ39およびCZ3Kシリーズを使用した本リファレンスデザインの構築・検証において、Microchip社を支援できたことをうれしく思います。今回の協業は、高性能な電流センシングとインテリジェントなエッジ処理を組み合わせることで、設計者が幅広い電力用途において高度な保護機能を実装するうえで役立つことを示しています。AI処理の拡大に伴い、電力密度の向上や新たな高電圧電源システムへのニーズが高まる中、本リファレンスデザインのデータセンター用途などへの展開可能性も探っていきたいと考えています。」

適用分野と今後の展望

本デモアプリケーションは、Microchip社のリファレンスデザインプログラムを通じて提供され、太陽光発電、蓄電システム、EV充電器、スマート点火システム、電子ヒューズ(e-Fuse)、住宅用・産業用安全スイッチなどに適用できます。

旭化成グループは、エレクトロニクス事業をグループ全体の利益成長を牽引する「重点成長」事業と位置づけており、電子部品では、モバイル機器用カメラモジュール向けICや車載オーディオソリューションなどの独自の高機能部品を提供しています。コアレス電流センサーについても、今後の成長を担う主力製品として、EV用途での実績を基盤に、AIデータセンターなどさらなる用途拡大を進めてまいります。

製品情報およびパートナー企業に関する詳細は、以下のWebサイトをご覧ください。

・CZ39シリーズ製品情報:https://www.akm.com/jp/ja/products/current-sensor/lineup-current-sensor/cz39-series/

・CZ3Kシリーズに関するニュースリリース:https://www.akm.com/jp/ja/about-us/news/2026/20260512-cz3k/

・Microchip社 アーク故障検出リファレンスデザイン:https://www.microchip.com/en-us/tools-resources/reference-designs/machine-learning-ai-based-arc-fault-detection-demo-application

旭化成エレクトロニクス(AKM)について

AKMは日本を拠点とし、旭化成グループの一員として電子部品事業を展開しています。AKMは、磁気センサーに用いられる化合物半導体技術と、シリコン半導体に用いられるASIC/アナログ回路技術を組み合わせることで、独自の製品を提供しています。AKMの独自製品とソリューションは、モバイル通信機器や民生機器、自動車用電子機器、家庭用機器、産業機器など幅広い市場で採用されています。

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会社概要

旭化成株式会社

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URL
https://www.asahi-kasei.com
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー
電話番号
03-6699-3000
代表者名
工藤 幸四郎
上場
東証1部
資本金
1033億8900万円
設立
1922年05月