【未来を試せる集合住宅】人の暮らしはどう変わる?「NEXT21」が示す3つの住まい実証
おうち時間の過ごし方や家族とのコミュニケーションのあり方の変化、共働き世帯の増加など、時代の変化とともに住まいに求められる役割は多様化しています。
大阪ガスの実験集合住宅「NEXT21」では、そうした変化に応じた住まいや暮らし方について、居住実験を通じて検証しています。

住まいの未来を検証する「NEXT21」の役割
「NEXT21」は大阪ガスが1993年に建設した実験集合住宅です。主にDaigasグループの社員とその家族が実際に暮らしながら、環境・エネルギー・暮らしの観点から次世代の住まいのあり方を検証することを目的に誕生しました。建物は柱や壁、屋根などの構造躯体と、内装や設備を分離した「スケルトン・インフィル方式」を採用しており、住戸の構成を柔軟に見直すことができる点が大きな特徴です。これまで、建築関係者や教育関係者など累計7万人以上が見学に訪れています。
竣工以来5~6年ごとにフェーズを区切り、時代ごとの社会課題をテーマに、エネルギー技術の進化や環境共生、住まい方の変化に関する実証を継続してきました。現在は第6フェーズ(2025~2030年度)に位置づけられ、16の住戸で異なるテーマのもと実証を行っています。人・自然・地域との関係性を見つめ直し、暮らしの豊かさと効率性の両立やカーボンニュートラルへの対応などを通じて、これからの暮らしとエネルギーのあり方を探っています。

※「NEXT21」について詳しくはWebサイトをご覧ください。
https://www.osakagas.co.jp/company/efforts/next21/
本記事では、第6フェーズにおける3つの実証住戸を取り上げ、具体的な取り組みを紹介します。
301住戸:ゆるやかにつながるLDK空間(大阪ガスマーケティング)
大阪ガスマーケティングが居住実験を行う301住戸は、共働き世帯の増加や在宅時間の変化により、生活のあり方が大きく変わりつつあることを背景に、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)の役割を再定義することを目的とした住戸です。
従来は洗面室などに分けられていたランドリー機能をLDKに取り込み、家事・くつろぎ・家族のコミュニケーションがゆるやかにつながる空間をつくり、その生活行動への影響を検証しています。
■住戸の特徴
・可変式テーブルユニットにより、用途や人数に応じてレイアウトを柔軟に変更可能
・キッチンと並ぶ位置にランドリー機能(洗濯機・ガス衣類乾燥機)を配置
・調理、洗濯、くつろぎを同一空間で行える一体型LDKを構築


(左) 可変式テーブルユニット。来客時は長方形にし、ダイニングテーブルとしても利用
(右) ランドリー機能をキッチンと横並びで配置。洗濯と料理を並行して行うことも可能に
■現時点の実験から見えてきたこと
・レイアウトを柔軟に変更し、食事、家事、団らんなど生活シーンに応じた使い分けが定着
・家事機能の集約で動線が短縮し、約20〜30分/日の時間削減に
・家事の並行化が進み、家族が同じ空間に集まる時間が増加
■居住者の声
・洗濯から乾燥、たたむまでその場で完結し、日々の負担が軽くなった
・家事をしている様子が見えることで、家族間で自然と声をかけたり手伝ったりするようになった
・家族が同じ空間にいる時間が増え、親子間のコミュニケーションが増えた
301住戸は、LDKを単なる居住空間から、家族の関わりを生み出す「暮らしの核」として再定義する可能性を示すとともに、大阪ガスマーケティングが行う中古マンションのリノベーションサービス「マイリノ」などでの住まい提案への展開も期待されます。
402住戸:TRANS×HOME [変身する家] (大阪ガス都市開発)
大阪ガス都市開発が居住実験を行う402住戸は、住宅価格や賃料の上昇により都市部で居室面積が縮小する中、「限られた広さでいかに快適に暮らせるか」「必要なときに自宅を拡張できないか」という課題を背景に設計された住戸です。108.62㎡の一つの住戸を3つのゾーンに分け、2世帯が専有空間と共用空間を使い分けながら居住することで、住まいの新たな使い方を検証しています。
■住戸の特徴
・Uゾーン(約26㎡):単身向け。デッドスペースや上下空間を効率的に利用し、コンパクトでも快適に過ごせる住まい設計
・Sゾーン(約55㎡):2人世帯向け。固定家具や間仕切りを減らし、可動家具で自由に間取りを変更可能
・Cゾーン(約18㎡):防音機能を備え、各住戸に隣接された自宅を拡張できる予約制共用空間




(左) Uゾーン:書斎や寝室などシーンに合わせられる可変性リラックススペース
(中央) Sゾーン:可動キッチンや可動収納を採用することで、自分でカスタマイズできる住まいを実現
(右) Cゾーン:荷物整理、事務作業、お茶会、ヨガなど様々な用途で使用されている
■現時点の実験から見えてきたこと
・共用空間(Cゾーン)を組み合わせることで、専有空間だけでは不足する機能や広さを一時的に拡張する暮らし方が実現
・常に専有空間を所有せずとも、シェアすることで暮らし方の幅が広がる
・Sゾーンでは可動家具や間仕切りにより、1Rと1LDKを使い分けるなど、生活シーンに応じた柔軟な間取り変更が定着
■居住者の声
・常に必要ではないが、もう1部屋欲しいと思うときに共用空間を利用している
・友人を自宅に呼びたいが、部屋が片づいていないときに共用空間があったので、気楽に招くことができた
・家具の配置を変えることで、自分たちの暮らしに合わせた空間をつくれる
402住戸は、住まいを固定された空間としてではなく、用途に応じて「変化させながら使うもの」として捉える新しい考え方を示しています。専有と共用を組み合わせる暮らし方は、今後の都市型住宅における新たな価値として、大阪ガス都市開発の賃貸マンションブランド「URBANEX(※1)」や分譲マンションブランド「SCENES」へのさらなる展開が期待されます。
※1:URBANEX(アーバネックス)はブランド誕生から今年で30周年を記念して、「URBANEXアイデアコンペティション2026」を行います。詳細はこちら。
504住戸:編み替えの家(大阪ガス)
大阪ガスが居住実験を行う504住戸は、新しい住宅をつくるだけでなく、既存の建物や資材をどのように活かしていくかが求められる中で、「和の居住文化の継承・発展」をテーマに設計された住戸です。日本の住まいにおける暮らし方や自然との関係を見直し、現代のライフスタイルに合わせて再構築することを目的としています。
■住戸の特徴
・和の要素を活かし、四季や生活シーンに応じて空間の使い方を変えられる設計を採用
・風や光を活かして快適性と省エネを両立する「パッシブデザイン(自然エネルギーを活用する設計)」を導入
・既存住戸から回収した部材や、近隣から調達した廃材を再利用する「サーキュラーデザイン」を採用
■住戸の竣工から見えてきたこと
・建具や間取りを変えることで、季節や来客時など生活シーンに応じた空間の使い分けが可能な設計に
・環境シミュレーションを活用し、蓄熱や昼光利用、自然通風など自然エネルギーを取り入れた快適な居住環境の実現に期待
・解体作業の工夫により、改修時に発生した建材の約7割を再利用。従来の改修方法と比べてCO2排出量を約8トン(約47%)削減



(左) 住戸の部材をできるだけ再利用できるように丁寧に解体した状態
(中央) 504住戸に再利用するため、地下の設備室に一時保管されている部材
(右) 小あがりは分割・移動が可能、配置をシーンごとに変えられる
504住戸は、住宅を「新しくつくるもの」から「活かして使い続けるもの」へと捉え直す取り組みです。2026年7月より4人家族が居住を開始し、持続可能で心地よい住環境の実現に向けた検証を行っていきます。
会社概要
企業名:大阪ガス株式会社
本社所在地:大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表:代表取締役社長CEO 藤原 正隆
設立日:1897年4月10日
事業概要:ガスの製造・販売、電力の発電・販売 など
WEBサイト:https://www.daigasgroup.com/

企業名:大阪ガス都市開発株式会社
本社所在地:大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表:代表取締役社長 橋口 博一
設立日:1989年6月29日
事業概要:不動産の開発・賃貸・分譲・管理、
都市開発に関する調査・研究・企画
WEBサイト:https://ogud.co.jp/

企業名:大阪ガスマーケティング株式会社
本社所在地:大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表:代表取締役社長 森崎 健志
設立日:2019年10月1日
事業概要:ご家庭向けガス・電気の販売および保守等、機器販売事業、リフォーム・リノベーション事業など

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