ピクシーダストテクノロジーズ、360度動画×BIM×AIで品質管理、施工管理の省力化を支援するDXサービス「TOTTARROW(トッタロー)」を提供開始
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長CEO 落合陽一、代表取締役社長COO 村上泰一郎、以下「PxDT」)は、インフロニア・ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長 兼 CEO:岐部 一誠、以下「インフロニア」)と建設業界全体の生産性や品質向上を目指し、連携を進めています。その1歩目として、特に課題の大きい鉄筋工事の品質管理、施工管理を省力化するため、「配筋検査支援サービス」を共同で開発し、インフロニアグループ傘下の前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、代表取締役社長:前田操治、以下「前田建設」)において本格導入を進めてまいりました。
このたび、このサービスを「TOTTARROW(トッタロー)」(以下、「本サービス」)として建設事業者向けに提供を開始します。本サービスは鉄筋工事における配筋検査・出来形検査業務を担う建設事業者向けに設計されており、現場で撮影・アップロードされた360度動画をもとに、配筋写真帳票の作成を支援します。
PxDTの空間解析プラットフォーム「KOTOWARI™」をベースに360度動画・BIM・AIの要素技術を加えて開発された本サービスでは、画像解析AIが対応可能な部分を自動で解析処理し、人手で補完することで、AIと人の協働による現場業務省力化を実現しています。本サービスの利用により、前田建設の現場では配筋写真の撮影と帳票作成に必要な現場工数が約80%削減されました。
本サービスは、前田建設の現場への適用を引き続き進めており、建設業界全体の業務効率化と品質標準化の加速を見据えた実装フェーズに移行しています。
PxDTは今後も、テクノロジーと現場の知見を融合し、建設業界が抱える人手不足・属人化といった構造課題に対し、実効性あるソリューションを提供してまいります。
サービスページURL:https://tottarrow.com/

本サービスの体制と経緯
本サービスは、PxDTの空間解析プラットフォーム「KOTOWARI™」をベースにインフロニアとともに前田建設の社内向けに開発を進めてきた配筋写真の帳票作成支援サービスを、一般販売向けに昇華させたものです。同社での実運用の中で得られた現場からのフィードバックはもちろん、今後の販売の中から得られる顧客フィードバックも収集し、実地での改善・検証を繰り返しながら、現場に即したアップデートを重ねていく体制を構築しています。
また、本サービスには、360度カメラで撮影した現場動画とBIMデータを重ね合わせ、対象物を測距した静止画を切り出す技術(以下、「本技術」)を用いています。本技術は、2023年度にデジタル庁が推進する「テクノロジーマップ整備事業」に採択され、さらに2024年12月には指定確認検査機関である日本ERI株式会社の確認のもと、工事写真として正式に取り扱われ、中間検査が完了しました。
※参考プレスリリース:https://pixiedusttech.com/ja/news/news_20241225
現行制度の課題と本技術の可能性
現在の配筋写真の撮影は、施工者や協力業者が鉄筋の本数を数えるためのマグネットや、長さを測るリボンロッドを持ち、現場を巡回しながら1枚ずつ静止画を撮影する必要があり、現場にとって大きな負担となっています。
本技術は画像解析技術とBIMを併用することにより、動画内での長さ計測を可能とし、配筋写真帳票に必要なメジャーや本数確認用のチェックマークの配置業務をデジタル化・リモート化できます。その結果、現場での業務は動画で現場を撮影するのみとなり、施工現場の大幅な負担軽減と業務の効率化が期待されます。
また、本技術を用いて360度動画から切り出して作成した配筋写真帳票は、従来の写真と同様に提示資料として既に指定検査機関等に認められており、今後は 第三者による工事監理においても、信頼性のある配筋写真帳票の作成手法として活用されることが期待できます。
本サービスの特長
1. 現場をぐるりと撮影するだけで帳票を作成
建設現場を360度撮影可能なデジタルカメラで記録し、BIMデータと精度よく重ね合わせることにより、配筋写真帳票が作成できます。さらに、データ上でデジタルメジャーを使用して測距することも可能なため、構造部材の鉄筋の本数や位置が適切かを確認できます。
2. AIと人の協働
本サービスでは、画像解析AIが対応可能な部分を自動で解析処理し、専門スタッフが人手で対応することで、スピーディーかつ、正確に写真帳票を作成しています。
AIと人との協働により、現場業務の省力化を推し進めてまいります。
3.配筋写真の撮影と作成に関わる現場工数削減
前田建設における実証実験では、本サービスが対象とする配筋写真の撮影と帳票作成に必要な現場工数が約80%削減されました。さらに、配筋に関わるすべての写真撮影・帳票作成を含めても 約50%の削減効果が確認されています。
4.本サービスの取組み事例・実績
本サービスは、公共工事での採用実績があるほか、日本ERI株式会社(指定確認検査機関)による建築基準法上の中間検査で、従来のデジタルカメラによる工事写真と同様に提示資料として取り扱われました。
5.現場の声
本サービスを導入した前田建設の建設現場では、「鉄筋の内部など、従来より広い範囲を記録できる」、「撮影工数が明らかに減少している」、「360度動画として記録されることから、撮り忘れのリスクが軽減される」などの声があり、配筋写真の帳票作成支援サービスとして効果があることを確認しています。
今後の展開
1.建設事業者各社への導入
前田建設での導入に限らず、本サービス導入を希望される建設事業者向けには、現場での初期導入から全社的な展開までを前田建設での導入支援の知見を活かし、PxDTが全面的にサポートします。導入検討に際しては、トライアルプランを準備しており、事前に効果を実感していただくことも可能です。
2.検査範囲の拡大
PxDTはインフロニアと共同で配筋検査以外の検査支援の実証実験を進めています。
3.配筋検査ツールへの進化
現在は「配筋写真の帳票作成支援サービス」として提供予定ですが、今後は設計情報と自動照合し、検査結果を自動判定する「配筋検査ツール」へと進化させることを目指します。
4.技術発展に対応した機能強化・業務改善
PxDTは今後の技術発展に迅速に対応し、本サービスの改良に努めてまいります。現時点では、最先端の画像解析技術、AI技術の活用により、撮影から配筋写真帳票作成までのリードタイム短縮、検査関連業務の自動化・効率化を図り、現場工数の更なる削減等を構想しています。
KOTOWARI™について
本サービスは、当社が創業以来、協業パートナー様と共に開発してきた空間開発プラットフォーム「KOTOWARI™」の技術要素を活用し、インフロニア・ホールディングス株式会社(前田建設工業株式会社)と共に技術開発・検証を重ね、配筋検査支援サービスとして社会実装を進めているものです。
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社について
ピクシーダストテクノロジーズは、計算機科学(コンピュータサイエンス)と、音や光などを自在に操る独自の波動制御技術の融合により、コンピュータと非コンピュータが不可分な環境を構築し、言語や現象、アナログとデジタルといった二項対立を循環的に超えていく「デジタルネイチャー」の到来を見据えています。 私たちは、現在、波動制御技術をメカノバイオロジーや視覚・聴覚・触覚への介入・補助をする「ヘルスケア&ダイバーシティ」領域と、メタマテリアル(材質ではなく構造で特性を生み出す技術)やオフィス・工事現場等の課題解決のために適用する「ワークスペース&デジタルトランスフォーメーション」領域の2つの主要な領域に重点を置いて製品を展開しています。 急速に進化していくコンピュータに対して、私たち生物の身体(ハードウェア)の進化は非常に遅く、その差はますます開こうとしています。ピクシーダストテクノロジーズはこの両者の間をうまく調停し、生活に対してよりよい価値を生み出し続けます。
■ 会社概要
商号 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
会社設立 2017年5月
代表取締役 落合 陽一、村上 泰一郎
所在地 東京都中央区八重洲二丁目2番1号
URL https://pixiedusttech.com/
* KOTOWARI及び関連するロゴは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の商標又は登録商標です。
- 記載されている会社名、ロゴ、システム名、商品名、ブランド名などは、各社の商号、登録商標、または商標です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像