【“継業キャリア(継キャリ)”は、就職・転職・起業に次ぐ、第4のキャリア】事業を承継する継業で主体的なキャリア形成を後押しする「継キャリ 推進プロジェクト」発足

早稲田大学ビジネススクール入山章栄教授と法政大学キャリアデザイン学部田中研之輔教授とタッグ-現職への不満と理想のキャリア形成に関する ビジネスパーソン1,000人調査も実施-

株式会社トランビ

国内初のM&Aプラットフォーム「TRANBI」を運営する株式会社トランビ(本社:東京都港区、代表取締役:高橋 聡)は、早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール教授 入山 章栄氏、法政大学キャリアデザイン学部教授 一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事 田中研之輔氏とともに、事業承継を通じた主体的なキャリア形成を後押しする「継キャリ推進プロジェクト」を10月9日より立ち上げます。

■「継キャリ 推進プロジェクト」発足背景

昨今、大企業を中心に「成長機会の空洞化」が顕在化しています。終身雇用や縦割り、副業でも断片的なスキル活用にとどまり、管理職にとっては経営視点を持ちづらい環境が日本の競争力にも影を落としています。現代のビジネスパーソンは、企業に依存せず主体的にキャリアを選択することの重要性が高まっています。

一方で、中小企業の後継者不足も深刻です。全国27万社を対象に調査したところ52.1%が後継者不在※1、後継者難による倒産は2年連続500件超※2。さらに2025年の休廃業・解散は昨年を9.3%上回る7万件超ペース※3で、黒字・資産超過のまま市場から消える例も少なくありません。貴重な技術や雇用、地域ブランドが「継ぐ人がいない」という理由で失われているのです。また廃業はかつて70代経営者が中心でしたが、近年は50〜60代にも広がり、承継対象の企業はさらに増える見込みです。一方で、「廃業=ネガティブ」ではなく、経営者が円満に退出するケースも増えており、これは第三者承継や新たなキャリア形成のチャンス拡大につながるポジティブな側面もあります。

こうした二大課題――「後継者不在による事業断絶」と「経営経験を持たない管理職の増加」。一見別の問題に見えますが、双方に応える実践的な解決策が「継業キャリア(継キャリ)」です。

会社を買う・引き継ぐ“継業”を通じて、自らのキャリアに経営者視点を取り入れ、キャリアの幅を広げる新しい選択肢。新規創業に比べ成功確率が高く、日本人が得意とする「既存事業を発展させる力」にも合致します。

副業での経営体験から人生後半の成長戦略、連続継業によるポートフォリオキャリアの構築まで、多様な可能性を拓きます。AIでの効率化が進む時代だからこそ、意思決定経験を持つビジネスパーソンが求められます。「継業キャリア」は、就職・転職・起業に次ぐ“第4のキャリア”として、個人・企業・地域をまたぐ越境的な成長モデルを提示します。

※1 帝国データバンク(2024年)全国「後継者不在率」動向調査 ※2 帝国データバンク(2024年)後継者難倒産の動向調査 ※3 帝国データバンク(2025年)休廃業・解散動向調査

■「継キャリ 推進プロジェクト」の取り組みについて

プロジェクトサイト:https://www.tranbi.com/buy/inherit/

本プロジェクトは、M&Aや事業承継などの「継業」経験者と初心者ユーザーをつなぐオンラインコミュニティによるサポートで、初めての継業への挑戦を後押しする、日本初のM&Aプラットフォーム「TRANBI」を展開する株式会社トランビと、早稲田大学大学院経営管理研究科/早稲田大学ビジネススクール教授 入山 章栄氏、法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事 田中研之輔氏が中心となり、以下の取り組みを通じて、新たなキャリア形成手段として「継キャリ」を推進します。

  1.  イベント/コミュニティ運営を通じたビジネスパーソンへの啓発

    Facebookグループを通じたコミュニティ形成、イベント開催を通じてビジネスパーソンへ継キャリの認知を拡大していきます。

  2. 継キャリ挑戦へのナレッジ提供 

    note等を活用した継キャリに関するコラム発信、実際の成功・失敗事例に学ぶtipsなどナレッジシェアを行い、継キャリへのチャレンジを支援します。

  3. 副業として継業しやすくする制度開発 

    会社員や副業が制限されている場合でも無理なく「継キャリ」のキャリアに挑戦できるよう、「副業としての継業」を支援する制度設計などを開発する予定です。

■継業キャリアに対するコメント

【経営学の専門家】早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール教授 入山 章栄

"継キャリ"は、今後の日本人のキャリア形成と、産業発展に大きな可能性をもたらす概念だと私は思っています。異なる領域に踏み出し、新しい知と知を組み合わせてチャレンジをしていくことを「知の探索」と経営学で言いますが、これがイノベーションの源泉として日本中で求められています。その意味で、異業種の事業を引き継ぐ継キャリは、その最もユニークかつ実践的な形です。すでにある事業基盤を活かしつつ、「第2の創業」として外から新しい人が経営に挑戦するのは、まさに新しい知と知の組み合わせです。この点は、AIが仕事を代替するこれからの時代に特に重要です。なぜなら、いわゆる事務的な作業、形式的なルーティン作業の多くをAIが代替するからこそ、人は“自分の世界観を表現できるキャリア”を、さらに必要とするからです。自分の世界観は、AIには代替されません。実際、都内のある繁華街では、コロナを経過した後で、多くの女性店主が自分の世界観を表現するようなワインバーを継いでいるともきいています。私自身も、どこか都内のビストロを事業承継して、近所の人が集えるようなサードプレイスをつくれたらいいなと、考えているところです。こうした身近な実践が、AI時代における継キャリの可能性を体現しているのです。ゼロから始めるより、すでに基盤のある事業をサクッと継ぐ方が、現実的でリスクも小さい。継キャリは、個人の自己実現、企業の競争力強化、社会全体の生産性向上を同時に促す、次世代のキャリアモデルなのです。

【入山 章栄氏 プロフィール】

慶應義塾大学卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所でコンサルティング業務に従事後、2008年米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.(博士号)取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。2019年より教授。専門は経営学。国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。メディアでも活発な情報発信を行っている。

【キャリア論の専門家】法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人 プロティアン・キャリア協会 代表理事 田中研之輔

プロティアンキャリアとは、変幻自在に環境へ適応し、自らの価値観に基づいてキャリアを選ぶ考え方です。その実践手段として注目すべきが「継キャリ」、すなわち事業承継を通じたキャリア形成です。人生100年時代には、一つの職業にとどまらず3つ以上の経験を重ねることが標準となり、継キャリはプロティアンキャリアを体現する有効な方法といえます。従来の選択肢である転職、副業、起業に加え、第4のキャリアとして位置づけられる継キャリは、既存の事業基盤を活かして経営を担うことで、自己決定に基づく挑戦を実現します。さらに人的資本を高め、「キャリア資本」(ビジネス資本・社会関係資本・経済資本)の三つを同時に伸ばせる点も特徴です。特に40〜50代にとっては、新たな挑戦を通じてキャリア資本を拡張し、自己実現と安定を両立できる強力な手段となります。今後は、中間管理職層においても継キャリ経験が当たり前に求められる社会が広がり、経営経験を持つ人材が新たなスタンダードになるでしょう。

【田中研之輔氏 プロフィール】

一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学/博士:社会学。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。 専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外顧問を36社歴任。個人投資家。著書36冊。主な著書に『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』『キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 Career Workout』『実践するキャリアオーナーシップ』『進化するキャリアオーナーシップ』

※プロティアン・キャリア:個人が主体的に自分の価値観に基づき、柔軟にキャリアをデザイン・変化させていくキャリア形成の考え方

【M&Aプラットフォーム事業者】株式会社トランビ 代表取締役CEO 高橋 聡

私たちTRANBIは、継キャリという新しいキャリアモデルを通じて、より多くの人に事業承継やM&Aなどを通じて「継業」に挑戦していただきたいと考えています。「継業」は、既存の事業基盤を活かしながら、自分のキャリアを大きく変え、人生を新たなステージへと導く挑戦の機会です。これまで限られた経営者や投資家のものと思われていたM&Aを、ビジネスパーソンが自らのキャリア形成に活用できる時代が来ています。そしてM&Aが身近になることで、会社を譲り渡す側の経営者も「事業を未来につなぐ」選択を誇れるようになり、人が継ぎたくなるほど魅力ある会社を築き上げた、経営者としての成功の証として評価される新しい文化が広がるはずです。継業キャリアは、挑戦する個人と未来を託す経営者の双方をつなぐ架け橋となり、日本の産業全体に新しい循環を生み出していくと確信しています。

【髙橋 聡 プロフィール】

アスクホールディングス株式会社代表取締役社長、中小企業庁中小M&Aガイドライン作成委員。

アクセンチュアを経てアスクホールディングス株式会社を先代から事業承継。中小企業におけるM&A活性化の必要性を痛感しトランビを創業。著書に『「起業するより会社は買いなさい」サラリーマン・中小企業のためのミニM&Aのススメ』、『「会社は、廃業せずに売りなさい」後継者不在の問題は、ネットで解決!』

■タイプ別 継キャリスタイル

本プロジェクト   では継業キャリアを検討する人々の動機や目的を分析し、4つのタイプに分類しました。「自分はどのタイプ?」を知ることで、最適な継業スタイルを見つけられます。

<参考資料>現職への不満と理想のキャリア形成に関するビジネスパーソン1,000人調査

【調査概要】

調査名 :正社員の現職への不満と理想のキャリア形成に関する調査

対象者 :正社員として勤務する年収500万円以上の25歳~55歳 ビジネスパーソン  1,000名

調査期間 :2025年8月25日(月)~2025年8月29日(金)

調査方法 :インターネットリサーチ

①現在のキャリアに対する潜在的不満・不安

・「86.1%が現職に不安あり。3人に1人が業務内容に不満を抱え、最も不満を持つ層は40~44歳。」

・「年齢が上がるほど自身のスキルを活かせていないと感じる傾向に。ベテランの“スキルの持ち腐れ状態”が深刻に。」

・「本業だけでは不十分…68.8%が『収入源の多様化』を望むも実現できず。」

・「85.4%が副業を取り組むにあたり何らかの課題あり。TOP3位は、1位『収入の継続性よりも本業との両立が課題』、2位『単発案件中心で収入が不安定』、3位『収入額が期待より少ない』」

②理想の働き方・キャリア観

・「『受け身のキャリアからの脱却』を望む声が59.2%、自ら選ぶキャリア形成を望む意向」

・「専門スキルの『横展開活用』に71.8%が関心、単一領域依存からの転換志向」

・「81.3%に新しいキャリアへ挑戦意向あり。40歳の83%が新たな挑戦へ興味あり」

③継業という新キャリア選択肢への関心度

・「キャリア形成の新たな手段に55.1%が『事業承継』関心あり。」

・「35~39歳の事業承継への関心度が最高値、キャリア転換期の選択肢として注目」

■会社概要

会社名:株式会社トランビ

所在地:東京都港区新橋5-14-4 新倉ビル6階

代表者:代表取締役 CEO 高橋聡

設立:2016年(2011年サービス開始)

事業内容:事業承継・M&Aマッチングプラットフォームの運営

URL:https://www.tranbi.com

* 公式note   https://note.com/tranbi

* Facebook   https://www.facebook.com/tranbima/

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* Instagram  https://www.instagram.com/tranbi_ma/

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会社概要

株式会社トランビ

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URL
https://www.tranbi.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区新橋5-14-4 新倉ビル6F
電話番号
03-6555-2341
代表者名
高橋 聡
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2016年04月