ブラジル産グリーンプロポリスの特長成分 アルテピリンC 脳への分布を確認、今後の有用性研究に期待
株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生)の自社研究所である、山田養蜂場 健康科学研究所は、岡山理科大学獣医学部 畑 明寿教授らとの共同研究にて、ブラジル産グリーンプロポリス(BGP)飲用後、BGPの特長成分であるアルテピリンCが、脳へ分布されることを明らかにしました。BGPは、認知機能に対する機能性が知られており、今後、特長成分が脳にもたらす有用性研究に期待が高まります。
【研究背景】
ブラジル産グリーンプロポリス(BGP)は、ビタミン・ミネラルなどの栄養成分やフラボノイド、アルテピリンC※1やp-クマル酸、ドルパニンなどの桂皮酸誘導体※2が含まれており、近年の研究で抗菌、抗酸化作用だけでなく認知機能の改善、体脂肪の減少、インスリン抵抗性の改善などの機能性が報告されています。これらの機能性にはBGPに特長的な成分であるアルテピリンCが関わっている可能性があると注目されています。アルテピリンCは、神経突起※3の形成や修復を促す作用、白色脂肪細胞の褐色脂肪細胞への誘導作用などが明らかになっています。口から摂取したアルテピリンCがこれらの機能を身体で発揮するためには、体内で吸収、代謝され、それぞれの組織に運ばれる必要があります。しかし、アルテピリンCの組織分布、特に脳への分布を調査した報告はほとんどありませんでした。
本研究では、健康なモデルにBGPを摂取させた際の、アルテピリンCの組織への分布を調べました。
※1 アルテピリンC・・・桂皮酸誘導体(※2)の一種で、BGPに特長的な成分。p-クマル酸にプレニル基(下図、赤)が2つついた構造をもつ。
※2 桂皮酸誘導体・・・シナモンの樹皮から初めて発見された天然の有機化合物の一つである桂皮酸が、化学反応によって構造や性質の一部が変化した化合物のこと。
※3 神経突起・・・神経細胞同士の情報伝達を行うために重要な役割を果たす。神経突起が減少することで、認知機能や運動機能が低下する可能性がある。

【試験方法】
健康なモデルを3群に分け、それぞれに通常食、通常食に0.5%、または1.0%のBGPを混ぜたものを2週間自由に摂取させました。2週間の試験期間後にBGPの主要成分の各組織への分布を調べました。

【試験結果】
1)アルテピリンCの脳への分布を確認
BGPを摂取させた2群では、通常食を摂取させた群と比較して、脳におけるアルテピリンCが有意に高い濃度で検出されました。
2)アルテピリンは組織に広く分布
BGPを摂取させた群では、通常食を摂取させた群と比較して、アルテピリンCが、血中、肝臓、筋肉、腎臓、肝臓、脾臓、脂肪、腸で高い濃度で検出されました。
3)その他結果
アルテピリンC以外に、BGPに含まれる桂皮酸誘導体であるp-クマル酸、ドルパニン、カフェ酸、3,4-ジヒドロキシ-5-プレニル桂皮酸、カピラルテミシンA、2,2-ジメチルクロメン-6-プロペン酸およびクリフォリンにおいてもBGP投与後の組織分布量を明らかにしました。
【まとめと今後について】
本研究により、ブラジル産グリーンプロポリス(BGP)の特長成分であるアルテピリンCは、脳をはじめ様々な組織に分布することがわかりました。BGPの各組織における既報の機能性において、特長成分アルテピリンCが関与する可能性が示唆されたことで、今後のさらなる研究に期待が高まります。
引き続き当社は、プロポリス、ローヤルゼリーなどのミツバチ産品に関する有用性研究や素材開発を通し、予防医学の観点から「アピセラピー」を追究することで、お客さま一人ひとりの健康寿命を延伸し、社会に貢献してまいります。
<論文発表情報>
論文名:Tissue distribution and accumulation of cinnamic acid derivatives from Brazilian green propolis in mice
書誌事項・発表日時:NFS Journal. 2025, 38, 100222 (2025年3月4日発表)
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