【報道参考資料】ソマリア・イエメン 国連緊急支援専門家視察 直ちに人道支援の実施を

2011年ソマリア大飢饉時と同じ徴候を確認


ユニセフが支援している病院で眠る、下痢による治療を受ける子ども(ソマリア)© UNICEF/NYHQ2011-2439/Grarupユニセフが支援している病院で眠る、下痢による治療を受ける子ども(ソマリア)© UNICEF/NYHQ2011-2439/Grarup



※本信は ユニセフ本部の情報をもとに、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に
編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73985.html でご覧いただけます


【2014年7月2日 ニューヨーク発】

ソマリアとイエメンへの1週間の視察を終えたOCHA(国連人道問題調整事務所)のジョン・
ギング・オペレーション部長とユニセフの緊急支援本部 部長のテッド・チャイバンは、
7月2日、報道機関に対し、不安定な状況下で危機的状況にある両国の状況悪化を防ぐには、
喫緊の取り組みが必要であると述べ、両国でのニーズに加え、現状が続ければ長期に及ぶ
不安定さの引き金になることを訴えました。

チャイバン部長は「ソマリアは岐路にあります。現在、重度の栄養不良にある子どもたち
は5万人。必要な治療を受けられなければ、これらの子どもたちの多くは死亡する恐れが
あります。2011年にソマリアを襲った干ばつと大飢饉による悲劇の繰り返しを防ぐために、
我々には小さくとも重要な方法があります。イエメンでは、栄養不良で命の危機にある、
もしくは衰弱している子どもたちの数が急増しています。これは、慢性的な発育不全と
治安の悪さが続いていることによるものです。両国では、人道支援組織は、喫緊の対応と
レジリエンス(回復力)の構築という2つの異なる支援に果敢に取り組んでいますが、
資金が圧倒的に不足しています」と述べました。

病院ですぐ口にできる栄養治療食を食べる子ども(イエメン)© UNICEF/NYHQ2010-2104/Lopez病院ですぐ口にできる栄養治療食を食べる子ども(イエメン)© UNICEF/NYHQ2010-2104/Lopez


イエメンの人口の半数以上、約1,470万人が人道支援を必要
としています。食糧不足が急激に広がっており、治安の
不安定さと紛争が続き、基本的サービスがほぼ欠如して
いることから、世界で最も大規模な人道危機のひとつと
なっています。しかし、必要な活動資金のうち、調達できた
のはわずか33%にとどまり、活動資金が圧倒的に不足して
います。また、イエメンは経済崩壊の危機にあります。
より長期の財政上、統治上の改革、生計手段、農業、基本
サービスの提供への投資も重要です。危機を防ぐには、
こうした取り組みが必要であり、これの取り組みは、地域
全体を危険にさらす不安定さのもとを取り除く上でも
欠かせません。

ソマリアでも、食糧危機が広がっており、今年後半に状況は
さらに悪化すると見られます。
国内で避難している人は100万人以上おり、87万5000人が
緊急で食糧を必要としています。

ギング部長は「人道支援が必要であると訴え、決断力を
持って取り組むことができなければ、新たな人道危機を
招くだけでなく、平和とこの2年で築き上げたものを失う
ことになります。
ソマリアは“失敗国家”から卒業するわずかな機会を逃す
ことになるのです。2011年の大飢饉が起きる前に、我々が
目にしたすべての兆候-人道アクセスの減少、不安定な治安、
食糧価格の高騰、雨季の遅れ、急激に悪化する子どもたちの栄養不良-が現在みられて
います。新たな大惨事を防ぐには、今すぐに行動することが必要なのです」と述べました。


OCHA、ユニセフ、WFP(国連世界食糧計画)、FAO(国連食糧農業機関)、ICVA-IRC、IOM
(国際移住機関)、IMC、WHO(世界保健機関)、UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)、
UNFPA(国連人口基金)、UNDP(国連開発計画)の緊急支援の部長たちは、両国で大統領や
総理大臣、保健省や人権省の大臣や高官たちと面会してきました。

ギング部長は「ソマリア、イエメンでは極めて厳しい環境に置かれているにもかかわらず、
人道支援パートナーたちが、資金が活用できる際に行ってきたすばらしい支援活動を、
我々は見てきました。彼らは、最も支援を必要とする人たちにたどり着くため、時に自らの
命を危険にさらしています。これまでのご支援で両国で得られたものを強化できるよう、
みなさまのご支援をお願い申し上げます。今すぐに取り組めなければ、後戻りをすること
になります。そして、その余波は両国の周辺にも及びます」と続けました。


■ 参考情報:ソマリア、イエメンにおける基本統計
(出典『ユニセフ 世界子供白書2014統計編』)

<ソマリア>
総人口 1,019万5,000人
(18歳未満の人口  553万1,000人、 5歳未満 192万3,000人)

栄養
5歳未満の子どもの13%が急性栄養不良(消耗症)
5歳未満の子どもの42%が慢性栄養不良(発育阻害)

ソマリアに関する過去記事(日本ユニセフ協会ホームページ)
http://www.unicef.or.jp/children/children_now/somali/

<イエメン>
総人口 2,385万2,000人
(18歳未満の人口  1,148万5,000、 5歳未満  339万7,000人)

栄養
5歳未満の子どもの15%が急性栄養不良(消耗症)
5歳未満の子どもの58%が慢性栄養不良(発育阻害)

イエメンに関する過去記事(日本ユニセフ協会ホームページ)
http://www.unicef.or.jp/children/children_now/yemen/




■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Najwa Mekki, UNICEF New York, Tel: +1212 326 7448, Mobile: +1917 209 1804,
nmekki@unicef.org
Amanda Pitt, OCHA New York, Tel: +1 212 963 4129, Mobile: +1 917 442 1810,
pitta@un.org


■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
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代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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