物を持たない生き方が、なぜ幸福をもたらすのか

この度、㈱ディスカヴァー・トゥエンティワン(取締役社長:干場 弓子、本社:東京都千代田区)より『[禅的]持たない生き方』が発売されました。


いま、某自動車メーカーの会長の報酬をめぐる問題が、世間を騒がせています。はたから見れば、十分過ぎると思われる報酬をすでに得ながら、どうやらご本人は満足できなかったようです。上を見ればきりがないのに、満足することを知らず、さまざまな策を弄し続けていた彼の生き方は、果たして幸せなものだったのでしょうか?

著者いわく、禅の言葉に「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」というものがあるそうです。自分が所有しているものは本来、一つもないという意味です。そして、一つ物を持てば、一つ執着が増えていくといいます。執着は連鎖し、増殖するものですが、どこまでいっても決して満足することはありません。結局、物はできるだけ持たないほうが、幸せなのだということでしょう。

著者は12歳で仏門に入り、小僧生活から20年にわたる修行を経て住職となり、現在はNHK大河ドラマの仏事監修・指導なども手掛けています。彼によると、禅は日本人の生活そのものと言ってもよく、例えば、玄関、お茶、風呂、食堂、瓦、畳、庭園、床の間などが、我が国に登場した経緯には禅が深く関わっていると言います。

そして、そんな禅の世界では、徹底的に物を持たない生活が重視されているのです。では、本書の内容の一部を抜粋してご紹介しましょう。

物を持つということは執着が増えるということ
まず、物を持ちたいということ自体が執着と言えます。執着が生まれると、心が乱れてきます。そして、物を所有することで、さらに執着が増えていきます。しかし実際のところ、生きていく上で本当に必要なものは、それほどあるわけではないのです。

「私」という字をよく見てください。のぎへんの横棒と左右に払う棒を取ると「仏」という字になりますね。つまり、「私」には「仏」が隠れているのです。

ところが、人は成長とともに多くのちりやほこりがたまってしまい、偏った見方を持つようになってしまって、自分の中の「仏」の存在が見えなくなってしまうのです。そのため私たちは、そんなちりやほこりを払っていく行動が必要になるのです。

どうすれば物は減らせるのか
物を捨てることが苦手な人は、世の中にたくさんいます。そんな人でも、物を減らすことができる方法がいくつかあります。

まず、それがどうしても必要なものなのか、自問自答を繰り返すことです。そのように突き詰めていく姿勢が、禅でもあるのです。これによって、少しずつ物を手放していくことができるようになるはずです。

次に、自分なりの基準を持つという方法があります。例えば、「将来」ではなく「今」を優先するという考え方を基準にすれば、将来に備えて持っている物が必要なくなります。これも禅の考え方からきています。すべての物は、基本的に捨てることを前提にしておくといいと思います。

買いたい」という誘惑から自由になるには
「買いたい」という気持ちは、厳密には人間の根本的な欲求ではなく、依存的なものと言えます。そんな時こそ「それは、今の自分に本当に必要なのか」を問い直すことが大切です。

禅では、一般的な物欲は捨てるべきものと考えています。それはとても難しいことですが、十の物欲を一にすることはできるはずです。インドの古い経典にも「足るを知ることは第一の富」という一節があります。つまり、物欲を小さくすることによって、十分に富を得ていると感じることができるということです。

「悪い感情」を持たないための三つの心得
1)人と比較しない 劣等感や嫉妬の多くは、人と比較することで生じます。まず比較するのをやめて、自分は自分、他人は他人というスタンスを確立させることが大切です。

2)自分の短所と長所を知る 自分の心を見つめる時間を持つことです。その際、自分の短所と長所に目を向け、そのどれもが自分だと思って、否定せずに受け入れることがポイントです。

3)置かれた場所で無心になってみる 禅の教えに「随処に主となれば、立処皆真なり」という言葉があります。どんな地位にいても、どんな環境にあっても、自分が主体となって、その時々を一生懸命に過ごせば、そこがすべて真の世界になるという意味です。人と比べず、外の評価を意識せず、いま置かれている立場において、できることを精一杯やることが重要なのです。

【目次】
第一章 禅的「持たない生き方」のすすめ
第二章 いさぎよく「捨てる」
第三章 無駄なものは「買わない」
第四章 「悪い感情」を持たない
第五章 「よけいな人間関係」を持たない

【著者プロフィール】
金嶽 宗信(かねたけ そうしん)
1961年、東京都青梅市に生まれる。12歳で京都大徳寺大仙院の住職尾宗園師に就き得度。1983年、二松学舎大学文学部卒業。10年間の小僧生活、10年間の大徳寺僧堂での雲水修行を経て、東京都渋谷区広尾の臨済宗大徳寺派香林院の住職となる。宗会議員、保護司、教誨師などを務めるほか、NHK大河ドラマ「功名が辻」「風林火山」などの仏事監修・指導や各種講演も行っている。著書に『貧しく辛いさきに真理がある――本当の禅的生き方』(さくら舎)、『禅語ちょっといい話』(芙蓉書房出版)、『禅の心で生きる』(PHP研究所)、『寺子屋「般若心経」』(三笠書房)、『心と体を整える朝坐禅』(大和書房)、『いい人生をつくるはじめての禅のことば』(あさ出版)などがある。

【書籍情報】
タイトル:[禅的]持たない生き方
定価:1300円(税抜)
発売日:2018年12月13日
判型:小B6・ソフトカバー/160P
ISBN:978-4-7993- 2403-5
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ディスカヴァーサイト:https://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799324035

【本書のご購入はコチラ】
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4799324039
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