ドローンによるFPSOの船体板厚計測で船級協会より世界初の承認を取得
テラドローン、三井海洋開発との協業で実証実験をブラジルで実施
FPSOの原油貯蔵タンク内の検査は、暗くて閉鎖的な空間での高所(約30メートル)における作業が必要となり、労働安全環境上の懸念事項となっています。同時に、従来の検査では、作業員がおおよその板厚計測地点を紙に記録するという方法で実施していたため、定期検査で同一地点を毎回計測することが難しく、計測地点のトレーサビリティにも課題を抱えています。
今回実施したテラドローンのTerra UT Drone(超音波探傷検査機器を搭載したドローン)を使った検査では、作業員は高所に上る必要がなく、タンク内の安全区域からドローンが行う作業を監視するだけで済み、より安全に検査を実施することができるようになりました。また、板厚計測結果と共に、ドローンが撮影した検査映像や3次元点群データ※1の取得が可能となったことから、課題であった計測地点のトレーサビリティの改善を実現しました。三井海洋開発は、ドローンによるトレーサビリティの高い計測データを活用して、高精度のデジタルツインモデル(Digital Twin Model)※2を構築することなども視野に入れ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた海洋プラットフォームの健全性(アセット・インテグリティ※3)の向上を推進していきます。
テラドローンと三井海洋開発は、既に2例目の検査もリオデジャネイロ沖の沖合約300Kmで操業するFPSO Cidade de Angra dos Reis MV22で11月25日に完了しました。今後も、FPSOでの定期検査に今回承認を得た方法を適用して実績を積み、さらなる技術の発展を目指します。そして、検査作業における安全性の向上・省人化・効率化を実現し、環境、経済、社会的な観点からサステナブルなFPSOをはじめとする海洋プラットフォームの操業に貢献してまいります。
用語・説明
※1: 3次元点群データ
ドローンや写真測量、地上レーザスキャナなどによる 3 次元測量によって得られた 3 次元座標を持った点データの集合のこと。
※2: デジタルツインモデル(Digital Twin Mode)
現実世界の物理的オブジェクトやシステムをデジタル上で再現した仮想モデルのこと。これにより、設計や運用の最適化、予測メンテナンス、シミュレーション、コスト削減などが可能とされる。
※3: アセット・インテグリティ
物理的資産(設備やインフラ)が安全かつ効率的に機能し、維持されること。安全性、信頼性、コスト削減、法規制遵守が確保され、競争力と持続可能な成長が期待される。
三井海洋開発株式会社
FPSOをはじめとする海洋石油・ガス開発プロジェクトに用いられる浮体式海洋石油ガス・生産設備のEPCI(Engineering, Procurement, Construction and Installation:設計から機器購入、建造、据付までの一括工事)、リース、及びオペレーション&メンテナンス(運転・保守点検)サービスを一貫して提供する日本で唯一の企業です。リーディングカンパニーとして、業界全体が抱える課題に取り組むべく、次世代の検査技術を探求しています。https://www.modec.com/jp
Terra Drone株式会社
「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、東京に本社を置き、国内外の11か国において特許取得済みで自社開発製の測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設業界などへ提供しています。ドローンを用いた非破壊検査作業に関して、世界各国での豊富な実績と高い研究開発力を有しています。また、運航管理システム(UTM)を展開し、世界8か国で導入実績を持つ、空飛ぶクルマやドローンの開発及びソリューションを提供するサービスプロバイダーです。http://www.terra-drone.net
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
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