系統用蓄電池事業の加速に向けた協業を開始

CHC Japan、Hartree、三菱UFJ銀行と系統用蓄電池事業展開においてMoUを締結

株式会社 日立製作所

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、CHC Japan株式会社*1(以下、CHC Japan)、Hartree Partners Singapore Pte. Limited*2(以下、Hartree)、株式会社三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ銀行)と、日本での系統用蓄電池事業創出に向けた共同検討に関する覚書(Memorandum of Understanding/以下、MoU)を締結しました。
 今回の協業では、系統用蓄電池事業の安定的な運営を支えるシステムの開発やコスト面の適正化を図った事業の創出を検討し、再生可能エネルギー(以下、再エネ)電源の主力電源化やカーボンニュートラルな社会の実現に貢献します。
*1 新エネルギーにかかるイノベーション技術のグローバルリーダーであるContemporary Amperex Technology Co., Limited、世界的なエネルギーおよびコモディティの取引会社であるHartreeと、金属、採鉱および戦略的新興産業の投資会社であるCathay Fortune Corporation 間の合弁会社であるCHC Co., Limitedの子会社
*2 数十年にわたる活動の誠実さが国際的に評価されている世界有数のエネルギーおよびコモディティの取引会社であるHartreeが有する専門知識は、化石燃料から低炭素社会への移行を好機にすることを可能にし、その世界的なプレゼンスは主要なコモディティ市場における競争力を下支えしている

■協業の背景
 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する「グリーントランスフォーメーション」(以下、GX)を政府は推進しています。これを受け、企業はGXの加速に向け再エネの導入拡大を通じたエネルギーの安定供給を推進していますが、再エネは電力需給バランスや天候の変化などの影響を受けやすく、調整力の確保が課題となっています。

■系統用蓄電池事業について
 系統用蓄電池は、一般的な蓄電池とは異なり、敷地内での利用ではなく電力ネットワークに直接接続して調整力を供給するものです。天候などの影響を受けやすい再エネの余剰分の吸収や調整力として供出することで、電力ネットワークの安定化や出力変動への素早い対応が可能となります。日本国内における再エネの活用は喫緊の課題となっており、カーボンニュートラル達成に向けて将来的な成長が見込まれる有望な事業分野といえます。
 しかしながら、日本国内において系統用蓄電池事業向けの投資を拡大していくには、電力市場での取引などのオペレーション面の効率化を通じた予見可能性の向上や蓄電池自体の価格などのコスト面の適正化といった課題があります。また、投資家や金融機関が安心して資金供給できるビジネスモデルの構築も必要とされています。
 こうした中、CHC Japan、Hartree、三菱UFJ銀行および日立は、これらの事業課題の解決に取り組むべく、各社の特長を生かし共同で系統用蓄電池事業の創出に向けた検討を行うこととしました。

■各社の役割
 日立は、EPC*3および保守会社として、系統用蓄電池事業の設計・調達・建設を行うとともに保守サービスを提供します。また、事業の安定的な運営を支えるために、人工知能などを活用した電力価格の予測システムおよび自動入札システムなどの開発によりデジタルトランスフォーメンション(以下、DX)を推進します。日立のもつプロダクトとDXの両面で、CHC Japanの事業創出やビジネス環境の最適化を支援します。
 CHC Japanは、電力取引や電力価格予測に関する専門知識を有するHartreeの支援のもとで日本における系統用蓄電池事業を開発し、日立と協働して系統用蓄電池事業の収益性を向上させるための蓄電池の技術保証を確保します。
 三菱UFJ銀行は、日立と連携をしながら公的資金と民間資金を組み合わせた金融手法の確立も視野に、CHC Japanによる事業開発に対し財務的なアドバイスを行うことで、事業の創出を支援します。
 これらにより、系統用蓄電池事業におけるコスト面にも配慮した運用モデルを創出し、系統用蓄電池事業への参入の加速に貢献します。
*3 プロジェクト事業の発注を受けて、Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の3つの事業を一括で請け負う

■ビジネスパートナーからのエンドースメント
CHC Japan 取締役 兼 Hartree マネージングダイレクター兼APAC統括責任者
Ahmed Safwat Al-Awa氏からのエンドースメント
「CHC Japanは日本における系統用蓄電池事業に積極的に参画しており、本MOUの締結により、更なる事業展開の加速ができ、市場全体にとって刺激的な発展となるといえます。」

三菱UFJ銀行 執行役員営業第六部長 横井尚志氏からのエンドースメント
「2021年5月に発表した「MUFGカーボンニュートラル宣言」に基づきファイナンスを通じた脱炭素化実現への貢献を進めており、このMOU活動はその宣言の精神に合致する取り組みです。」

■今後の展開
 政府の「GX実現に向けた基本方針」に従い、さまざまな有識者との協創活動、グローバルで培ったOT(制御・運用技術)、およびDXでシナジーを創出し、電力ネットワークの安定化や再エネ電源の開発・発展・電力価格の安定化に寄与し、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献します。

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■お問い合わせ先
株式会社日立製作所 社会ビジネスユニット 制御プラットフォーム統括本部
エネルギーソリューション本部 送変電制御システム設計部 [担当:野村]
問い合わせフォーム:https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/control/jp/main/form.jsp?UM_QNo=1

以上

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
小島 啓二
上場
東証1部
資本金
-
設立
1920年02月