国際規格IEC61508 SIL1準拠の機能安全モデルIMU 『M-G355QDG0』を量産出荷開始
IEC61508準拠の設計を実現し、より安全な慣性力計測に貢献
セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、高性能な6軸センサーを搭載した慣性計測ユニット
(IMU*1:Inertial Measurement Unit)の新ラインアップとして、国際規格IEC61508 SIL1準拠の
機能安全モデル『M-G355QDG0』(以下 M-G355)を開発、2025年5月より量産を開始します。

2011年にエプソン初となるIMU製品を発売以来、当社IMUは、精密農業(GNSS*2)や産業用ロボット、EO/IRカメラジンバル*3、アンテナの制振制御など、さまざまなアプリケーションに採用され、
多くの実績と高い品質により市場から好評を得ています。近年では、基本性能に加え、より安全に機能する製品のニーズが増大しています。それに伴いIMUにも国際規格に準じた設計、生産などを行う要求が高まっています。
新製品『M-G355』では、従来の1インチ製品「M-G366PDG0」(以下M-G366)をベースに、当社
IMUとして初めてIEC61508 SIL1に準じた製品化を実現しました。本規格への準拠により、高安定性、高信頼性が要求される多様な産業アプリケーションへ適用可能です。
1インチプラットフォーム製品のラインアップ拡充により、用途に合わせてさまざまな機能・性能から最適な製品をお客様に選択いただけます。
エプソンは、社会・技術の変革を踏まえ、今後も小型・軽量・低消費電力に加え、高精度・低ノイズ高安定といった「省・小・精」から生み出す価値で、お客様の商品・サービスに大きく貢献するセンシングシステムを提供していきます。
■新製品の特長
・IEC61508 SIL1に準拠
・1インチサイズプラットフォーム(24 × 24 × 10 mm³)
・従来製品(M-G366)と互換性を維持し、お客様の開発コスト・評価期間を大幅に削減可能
■本製品のアプリケーション
・ナビゲーションシステム(GNSS、INS*4、高精度ロケータ)など
・無人機(産業ドローン・地上車・海底探査) など
・産業機器などの振動・角度・軌道計測
【関連リンク】
製品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/
【お客様のお問い合わせ窓口】
セイコーエプソン株式会社 MD営業部 MDプロダクトマーケティンググループ
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/contact/
■『M-G355』概仕様、および従来1インチプラットフォーム製品

*1:慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit:通称IMU)
3軸の角速度センサーと3軸の加速度センサーからなる慣性運動量を検出する装置
*2:GNSS(Global Navigation Satellite System)
全地球測位衛星システム
*3:EO/IR(Electro-Optical/Infra-Red)カメラジンバル
電気光学式、赤外線式カメラシステム
*4:INS(Inertial Navigation System)
慣性航法装置
*5:ジャイロ(角速度)センサー
基準軸に対する、物体の単位時間当たりの回転角度(角速度)を検出するセンサー
*6:ジャイロバイアス安定性(Bias Instability)
アラン分散*で水平(0乗)の特性を表す部分をバイアス安定性と呼ぶ。1/fノイズと相関があり、
センサーのポテンシャルを表す重要な指標の一つである
*7:角度ランダムウォーク
アラン分散の-1/2乗の傾きがある部分を角度ランダムウォークと呼ぶ。ホワイトノイズと相関が
あるため、平均時間を長くすると平均時間の-1/2乗で値は小さくなる
*:アラン分散
センサーの性能を表す指標の一つで、静止時出力の安定性を表している。横軸にデータの平均時間、
縦軸に平均時間で区切ったときの平均値の分散を示している。アラン分散に現れる特性の傾きは-1、
-1/2、0、1/2、1乗の傾きになることが知られており、アラン分散はノイズ密度と相関性があり、
ノイズ密度は周波数、アラン分散は時間で表現される指標である。値が小さいほど、安定度が高く、
性能がよいことを示す。
以 上
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