「スキル経済」の新常識:稼げる人材、伸びる企業の鍵となるスキルは?リーダーシップよりも倫理的判断力、共感力、忍耐力・冷静さを求める傾向
世界規模の高需要スキル調査結果(日本語版)を公開
総合人材サービスを提供するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 猿谷哲)は、世界24ヵ国を対象とした「高需要スキル世界調査(日本語版)」を5月7日に公開いたします。本調査では、1,000万件以上の求人情報と1億3,600万件以上の履歴書をスキルレベルで、3億件以上の履歴書をメタデータレベル分析しています。今回の調査国に日本は含まれていませんが、世界における人材の需要と供給、競争力の高いスキル分野、先天的能力・学習能力の重要性、報酬の動向など、人材戦略を検討する企業にとっても、またグローバルに活躍したい人材にとっても参考となる調査であることから、日本語版を提供いたします。
最も競争力のあるスキル分野 ホワイトカラーは監査・コンプライアンス、技能職はメンテナンス・修理

ホワイトカラーのスキル需要は全体的に減少傾向にあるものの、AI・オートメーション、データサイエンス&アナリティクスなどの分野は依然として高い水準を維持しており、企業間の競争が激しい状況です。ただしデータサイエンス分野は人材供給量が大幅に増加しており、今後は人材不足が緩和される可能性があります。
一方でマーケティング・コンテンツ・広告や監査・コンプライアンスといった分野では需要が大幅に減少しており、40%の減少となっています。
熟練技能職の需要も増加しており、メンテナンス・修理、製造及び工場運営、看護・医療、小売・直販などの職種で人材確保が課題となっています。
先天的な固有スキルにも注目 リーダーシップより倫理的判断力、共感力、忍耐力・冷静さを求める傾向

組織がスキルベースの人材戦略に移行するにつれて、従業員の「固有スキル」(生まれつき備わっていると考えられる能力)の重要性が増しています。倫理的判断力と継続的に学習する能力が特に重要な固有スキルとして位置づけられ、共感性、細部への気配り、忍耐力・冷静さなども、企業が求める重要な固有スキルとして浮上しています。求人情報では「忍耐力・冷静さ」の需要が81%増加し、関連する記述を含む履歴書も114%増加しています。一方で、リーダーシップや創造性といったスキルの需要は減少傾向にあります。
スキル別平均報酬ランキングの1位はデータサイエンス&アナリティクス
過去1年間、報酬は全体的に安定し、多くのスキル分野で平均給与が上昇しました。 マーケティング・コンテンツ・広告分野で上昇幅が大きく、求人倍率の低下とは対照的な動きを示しています。スキル分野別では、データサイエンス、クラウドコンピューティング、AI・オートメーション関連のスキルが依然として高給与です。地域間の報酬格差は大きく、一例としてクラウドコンピューティングのスペシャリストの平均給与はスイスはインドの820%増しとなっています。このような格差は、企業にオフショアリングやアウトソーシングの機会を提供するものの、人材プールの小ささから低コスト市場では必要なスキルを持つ人材の確保が難しい場合があります。

懸念される高需要スキル市場の男女格差 高需要スキルの女性人材の割合が最も高いのはルーマニア

STEM分野を中心に多くの高需要スキル市場において男性優位が続いています。AI・オートメーションのスペシャリストに占める女性の割合はまだ5人に1人未満で、クラウドのスペシャリストに至ってはわずか6人に1人となっています。一方で、今年の調査結果ではより多くの早期キャリア女性が高需要職務に就いているという将来の格差是正を期待させる結果もでています。この数年、企業はより多くの女性人材を惹きつけ、雇用し、昇進させようと努めています。企業は、女性がこうした分野に参入するのを阻む障壁や、指導的役割への昇進を阻む障害を特定し、こうした課題を食い止めるプログラムや方針を策定する必要があります。
エンタープライズタレントソリューション ソースライト事業本部
ジャパンカントリーヘッド 杉浦進哉のコメント

日本においても市場では中途採用のニーズが加速し、新卒採用の募集人数を上回りつつあります。アルムナイ採用も活発化し、年齢を問わずスキルベースで優秀な人材を採用するパラダイムシフトが起きつつあります。また、これまで重視されてきたリーダーシップやモチベーション、協調性といったスキルを大きく上回る形で倫理的判断力や共感力などの「固有スキル」の重要性が高まっていることは注目に値します。海外ではジョブ型採用の浸透により職務範囲の明確化が助長される一方で、組織全体の最適化を考慮し、部署の垣根を越えて行動できる人材が減少しているという弊害も指摘されています。日本においてはジョブ型採用への移行の過渡期ですが、そのような影響の可能性を考慮して採用を検討する必要が遠からず出てくるでしょう。
多様な人材を確保するための戦略と戦術の実行力が、今後の日本企業には求められます。
■ランスタッド 高需要スキル世界調査2025(日本語版)
~今、世界で求められるスキルとは~
*下記から無料でダウンロードできます。
https://services.randstad.co.jp/download/form/in-demand-skills-2025

■ ランスタッドの会社概要
[社 名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設 立] 1960年10月
[代 表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 46,000人
[売 上] 3兆9,949億円(254億2,600万ユーロ) 2023年度実績(12
月決算) ※人材サービス業として世界最大
[資 本 金] 7,384億6400万円(47億ユーロ) 2023年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL] https://www.randstad.com/
(1ユーロ157.12円換算/ 2023年12月末時点)
※ Staffing Industry Analysts 2023、人材サービス企業売上ランキングより
■ ランスタッドについて
ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材不足の世の中にあっても、人材に寄り添う真のパートナー(Partner for talent)として、4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェッショナル/ デジタル/ エンタープライズ)を通じクライアント企業が成功するために必要な、高品質で多様性に富んだ柔軟な労働力の実現を支援します。また人々が有意義な仕事につき、それぞれが適切なスキルを身につけ、職場に目的と居場所を見出す手助けをします。ランスタッドが創造する価値を通じて、誰もにとってより良い、より持続可能な未来の実現に貢献します。
オランダに本社を置くランスタッドは、39の国と地域(市場)で事業を展開しており、約40,000人の社員が働いています。2023年には、200万人の人々の就職を支援し、254億ユーロの収益を上げています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。 www.randstad.com
■ Award/表彰ほか
・LGBTQ+に関する取組み評価指数「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を4年連続受賞
セクターを超えた協働を推進する企業を評価する「レインボー」認定も2年連続受賞(2024年11月)
・ランスタッドNVとしてダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI)
プロフェッショナルサービス部門 10年連続選出(人材サービス企業として唯一)
・「がんアライアワード2024」でブロンズを初受賞 (2024年12月)
・「D&Iアワード2024」より最高評価のベストワークプレイスに3年連続認定 (2024年12月)
■ ランスタッドのホワイトペーパーとコンテンツ
・ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2024(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/download/form/ebr_globalreport2024
・ランスタッドワークモニターレポート2025(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/download/form/workmonitor2025
・ランスタッド法人向けブログ「WorkforceBiz」 https://services.randstad.co.jp/blog
・ランスタッド個人向けコンテンツサイト「キャリアHUB」 https://www.randstad.co.jp/careerhub/
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