LLMO施策の日本語圏と英語圏の差異を比較【株式会社トドオナダ】
LLMO・AI検索対策の解説記事213本を日英全数調査 施策判定の64%で「効果の根拠となる文献を確認できず」
PR効果測定サービス「Qlipper」とLLMブランド認知測定ツール「ディギディギ」を運営する株式会社トドオナダ(本社:東京都台東区、代表取締役:松本泰行)は、日本語圏・英語圏で流通するLLMO(大規模言語モデル最適化)・AI検索対策の解説記事213本を全数調査し、記事が推奨する施策6,883件を抽出・分類のうえ、各施策の有効性を公開文献(機械学習の査読論文、検索・AI各社の公式文書、第三者による大規模実測)と照合しました。その結果と、施策別の判定を一覧化した「LLMOチェックシート」を公開します。

調査サマリ
施策の大枠は日英でほぼ一致。
推奨施策の構成比は、両言語圏とも「配信面×コンテンツ/PR」約6割、「学習データ×技術実装」1〜2%で、最大差は1.3ポイントでした。
細部は大きく異なる
日本語圏では llms.txt に51.7%の記事が言及(英語圏7.2%)、「専門家の監修コメント明記」を38.8%が推奨(英語圏には対応する施策が存在せず)。英語圏には「実際に聞かれている質問を軸にした設計」(39.2%)など、日本語圏に存在しない施策群がありました。
判定282セルの64%で、効果を支持する文献を確認できず。
特に推奨率上位の構造化データ(78.4%が推奨)とFAQ整備(62.1%)は、生成AI・学習データへの効果を支持する公式文書・査読文献を確認できませんでした。一方、第三者メディアでの言及獲得(44.8%)は、学習データ側の効果を支持する査読研究が複数存在します。
効果測定に関する言及はなし
日本語圏記事の21.6%が「AIに選ばれる度合いを直接測定する手段が整っていない」と述べる一方、日英1,556件の測定手段の中に、検索機能を無効化してモデルの内在知識を確認する手段は0件でした。
調査概要
対象
検索クエリ「LLMOとは」「AI検索対策とは」(日本語、country=JP)、"what is generative engine optimization"/"what is answer engine optimization"(英語、country=US)の検索結果候補238件のうち、本文取得に成功した213記事(日本語116・英語97)。恣意的な除外を避けるため、取得可能な候補は全件を分析対象としました(取得不能25件の内訳は証跡として保全)
採取
Brave Search API(2026年8月18日採取。再現可能性を優先しAPIとして公開されている検索手段を採用)
抽出
各記事が推奨・言及する施策6,883件(日本語3,924・英語2,959)、効果測定手段1,556件を原文単位で全数抽出し、913クラスタ(日本語549・英語364)に分類。日英対応表を作成
査読
主要施策について、有効性を支持・否定する文献を双方向に調査。出典は査読論文・技術報告(P)、ベンダー公式文書(V)、関係者発言(S)、第三者による実測(E)の4種に区分し、見つからない場合はN(発見できず)と記録
判定規律
支持する根拠がある施策のみ「有効」、支持と否定が併存する場合は「争いあり」、根拠が確認できない場合は「無効(根拠なし)」。Nは「効果がない」の証明ではなく「有効性を示す文献を発見できなかった」の報告です
結果1:施策の大枠は日英でほぼ一致
推奨施策を「何に作用するか(配信面/学習データ)×どう作用させるか(技術実装/コンテンツ・PR)」の4象限に分類し、記事ごとの構成比を平均しました。

|
象限 |
日本語圏 |
英語圏 |
|
配信面 × コンテンツ/PR |
59.1% |
60.9% |
|
配信面 × 技術実装 |
21.8% |
22.0% |
|
学習データ × コンテンツ/PR |
17.5% |
16.2% |
|
学習データ × 技術実装 |
1.6% |
0.9% |
「日本語圏だけが偏っている」という単純な図式は成立しません。また、学習データ(LLMの事前学習)を対策として扱う記事の割合も、精読判定では日本語圏12.1%・英語圏16.5%と大きな差はありませんでした。
結果2:細部に大きく異なる
大枠が一致する一方で、個別施策には明確な非対称がありました。

|
観測 |
日本語圏 |
英語圏 |
|
llms.txt への言及 |
51.7% |
7.2% |
|
llms.txt の設置推奨 |
23.3% |
4.1% |
|
専門家の監修コメント明記の推奨 |
38.8% |
なし |
|
実際に聞かれている質問を軸にした設計 |
なし |
39.2% |
|
「学習データへの収載」を独立した施策カテゴリとして扱う記事 |
0.9% |
9.3% |
|
同一論点で正反対の推奨が併存する「相反軸」の数 |
8軸 |
35軸 |
llms.txt は、日本語圏では過半の記事が論じ賛否が割れている一方、英語圏ではほぼ話題になっていません。なお、llms.txt に言及した日本語記事の21.7%は、このファイルを「AIのアクセスや学習利用を制御するファイル」と説明していましたが、提案されている仕様は推論時にAIへサイト内容を案内するものであり、制御機能はありません。
結果3:推奨施策の64%で、効果を支持する文献を確認できず
流通する主要94施策について、SEO・RAG(AI検索)・事前学習(学習データ)の3対象別に判定した282セルの分布は次のとおりです。

|
判定 |
セル数 |
割合 |
|
◎/◯(支持する根拠あり |
69 |
24.5% |
|
△(支持と否定の争いあり |
13 |
4.6% |
|
−/×(支持する根拠を確認できず/リスクあり) |
181 |
64.2% |
|
—(方針言明のため判定対象外) |
18 |
6.4% |
代表例(詳細と全文献はチェックシート参照)

|
施策 |
Ja推奨 |
対SEO |
対RAG |
対事前学習 |
|
構造化データの実装 |
78.4% |
有効 |
根拠なし |
根拠なし |
|
FAQの整備 |
62.1% |
根拠なし |
根拠なし |
リスクあり |
|
第三者メディアでの言及獲得 |
44.8% |
根拠なし |
有効 |
有効 |
|
llms.txtの設置 |
23.3% |
根拠なし |
根拠なし |
根拠なし |
判定が「有効」となった施策は、一次情報の発信、自社調査データ、外部寄稿、Wikipedia等での被参照といったコンテンツとPRの領域に集中しました。学習データへの反映は、関連文書の数・共起・被参照性に依存することが機械学習の査読研究で示されており、日本語圏の記事の多くは正しい施策を推奨しながら、その理由や効く対象を正確に説明できていない構図が観察されました。
結果4:効果測定に関する言及はなし
「AIに選ばれる度合いを直接測定する手段が十分に整っていない」:日本語圏25記事(21.6%)が言及 「既存の指標は、AIが自社を推奨しているかを捉えない」:英語圏15記事(15.5%)が言及 日英の測定手段1,556件のうち、検索機能を無効化した状態でモデルの内在知識(学習された知識)を確認する手段:0件
測定は両言語圏とも「AIの回答を観測する」方法に収束しており、その観測の限界を言説自身が認めながら、学習された知識そのものを確認する選択肢は登場していません。
考察
本調査の結果は、特定の施策や発信者の否定を意図するものではありません。SEOは引き続き重要であり、調査でも基本的なSEO施策・サイト品質の判定は公式文書に基づき「有効」です。問題は施策そのものではなく、SEOやAI検索(RAG)に有効な施策が、対象の異なる「LLM対策」として提示される場面があること、そして効果を確認する測定手段が存在しないため、その提示の妥当性を誰も検証できないことにあります。
日本語だけで情報収集する読者は、英語圏で流通する施策群(本調査で15施策を確認)と、学習データを独立した対策カテゴリとして扱う視点に到達しにくい状況にあります。一方で英語圏の施策にも根拠のないものは多く、言語圏を問わず「その施策は何に効くのか、根拠は何か」を確認できる道具が必要だと当社は考えます。
LLMOチェックシートの無償公開
本調査の判定を、施策別・対象別の一覧表として公開します。
日本語圏で流通する79施策+英語圏のみで流通する15施策 各施策に SEO/RAG・AI検索/事前学習 の3判定、根拠マーク、出典(機械学習の査読論文・各社公式文書・第三者実測、計20系統の文献一覧つき) 「根拠なし(N)」の判定に対する反証(有効性を示す一次資料)を受け付け、確認のうえ更新履歴つきで改訂します
入手方法:https://digidigi.qlipper.jp/llmo_checksheet_dl.html

ディギディギについて
ディギディギは、検索機能を伴わない状態でLLMがブランドをどう想起・言及するかを確認するツールです。本調査で「0件」だった測定「学習された知識そのものの確認」を提供します。
会社概要・本件に関するお問い合わせ
株式会社トドオナダ(代表取締役 松本泰行)
〒110-0005 東京都台東区上野7-11-13 弥彦ビル302/TEL 03-6453-6886
営業担当:白石達也(shiraishi@todo-o-nada.com)
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