食料品の消費減税、浮いた分の1位・貯蓄、3位・投資

評価は三分、将来や、続く値上がりに不安は4割近く

株式会社インテージ

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国の15歳から79歳の男女(3,052人)を対象に2026年8月28日~9月1日に実施した「食料品減税」に関する調査結果を公開します。

※調査は9月15日の臨時国会で税制改正大綱が閣議決定する前に実施しております。

  

[ポイント]

・税制改正を「評価しない」は34.7%と「評価する(31.3%)」を上回る

・「2年の期限付き」であることや、将来的な増税や社会保障の削減などが不安の要因

・買い物行動は、「減税でも買い方は変えない」が半数。「減税直前は買い控え」は32.6%、「減税後にまとめ買い」25.8%

・「プチ贅沢」「買い控えしていたもの/品質の良いものを買う」など、消費への期待も

・浮いたお金の使い道。男性は「投資」、女性は「貯蓄」と将来の備えに回す意向が高い。一方で、旅行・レジャー、趣味活動へも意欲的

1. 『2年の期限付き』が生むシビアな視線。減税を手放しで喜べない生活者心理の背景

調査結果によると、食料品の消費税減税に対して「評価している(評価している+やや評価している)」は31.3%、「評価していない(評価していない+やや評価していない)」は34.7%となり、「評価している」を上回る結果となりました。男女別では、男性の方が「評価している(32.6%)」は高いものの、一方の「評価していない」も4割弱と高く、より厳しい評価をしていることがわかります(図表1)。

図表1

減税に関してそのような評価を下した理由については、「2年の期限付き(39.1%)」であることや、「将来的に増税される心配(38.2%)」、「将来的に社会保障が削減される心配(28.3%)」など、減税施策の内容そのものというより、政府の経済施策全般や、それに伴う将来的な家計支出への不安を背景に評価していることがうかがえる結果となりました。また、「(食料品の)さらなる値上がりにより減税効果が感じられない(37.0%)」や「(メーカー・小売による)減税分の価格への上乗せで減税効果が感じられない(26.8%)」といった将来的な「値上がり」を不安視する声も多くみられました。こうした結果から生活者は目先の減税ムードに踊らされることなく、シビアに家計の未来を見据えている、と考えられます(図表2)。

図表2

2.減税前は買い控えで様子見しつつも、減税後への期待も大きい

続いて、来年4月から飲食料品に係る消費税が減税されることを見据え、「買い物行動にどのような変化がありそうか」と質問したところ、「減税でも買い方は変えない」が半数を占める結果となりました。これまでの8%から1%に減税されても、それを理由にお財布の紐を緩めることもなく、これまで通りのやりくりを続けるという堅実な意見が多くを占めたところに、2022年秋以降続く値上がりが生活者の消費マインドに長い影を落としているように映ります。

買い物行動への影響を見ていくと、「減税直前は買い控える(32.6%)」や「減税後にまとめ買い(25.8%)」が上位に。来年4月から減税されることを念頭に、減税前に買いたいものがあっても買い控えておき、食料品の税率が8%から1%になるタイミングを待って減税後にまとめ買いをする、という自身の買い物の姿を思い浮かべる人が多いようです。また、「プチ贅沢をする」、「買い控えていたものを買う」、「(いつもより)品質の良いものを多く買う」といった項目も2割に上りました。さらに「(いつもより)価格が高いものを多く買う」という人も1割ほど存在し、具体的に「プライベートブランド(PB)を減らして、ナショナルブランド(NB)を買う」という具体的な買い物行動の変化を予想している人もいました。

特に変わらない、と回答した人が半数を占めながらも、一方で買い控えていたものを思い切って購入したり、いつもより少し良いものを購入したり、といった明るい姿を想像している人もいるようです(図表3)。

図表3

続いて、より詳しく買い物の行動や内容について減税後の変化に関する予想を尋ねたところ、「“ついで買い”が増える」が1割ほど。次いで、「デザート・スイーツを食べる機会が増える(10.0%)」や「果物を食べる機会が増える(9.1%)」といった食生活の彩ともいえる食品の購入機会が増えそうという期待がうかがえました。さらに、「ちょっといいお米や食材を買う」、「品数が増える」、さらには「家で食べる機会が増える」も1割弱ではありますがご家庭での食卓を豊かに、という想いが見てとれます。

今年は「令和の米騒動」と言われた昨年とは異なり、お米の価格はぐっと手ごろなものになっているようです。消費税減税にお米の低価格化が重なり、節約モードだった食卓にこれまで買い控えていたおいしそうな食材や少し贅沢なデザートなどが並ぶ機会が増えるかもしれません。特に女性はデザートや果物といった彩り系のスコアが高くなっており、減税を心待ちにしている様子も浮かんできます(図表4)。

図表4

3.浮いたお金は将来の備えに。投資や貯蓄が大人気

7%分の浮いたお金の使い道を尋ねたところ、「貯蓄」が25.7%と突出していました。男女ともに1位ですが女性の方がより強い意向を感じます。また、「投資」も10.4%と全体で3位につけており、貯蓄とともに将来への備えの意識を強く反映した結果となりました。投資については男性の方が高く、「女性は安全・安心の貯蓄。男性はリスクも受け入れながら投資も」といった資産作りの傾向もうかがえる結果となりました。

将来への備えが強く浮き出た結果とはなりましたが、「旅行・ドライブ・レジャー」も15.1%と全体で2位につけています。また、推し活を含む趣味活動などにも支出先としての期待が寄せられています。そして、「健康」についても1割弱の方が有望な支出先として挙げていました。「美容(特に女性)」とともに、健康や美容は暮らしの中でできればお金をかけたい領域として捉えられているようです。これらの結果から生活者は『守るお金(貯蓄・投資)』と『使うお金(レジャー・体験・自分磨き)』のメリハリ意識(二極化)を明確に持ちながらやりくりをしていく意向が見てとれます(図表5)。

図表5

4.まとめ

生活者研究センター センター長  田中 宏昌

今回の調査から見えてきたのは、生活者が抱える将来への根強い不安と、それを乗り越えて暮らしを少しでも豊かにしたいという前向きな期待の、いわば「守りと攻め」の二面性です。2年という期限付きの減税や将来不安から、日々の買い物や家計管理には依然としてシビアな目が向けられる一方、減税のタイミングを狙った「まとめ買い」や、「プチ贅沢」、「食卓の彩り」といった抑制していた欲求を解放したい気分が存在している様子も浮かび上がってきました。こうした「抑制と解放のメリハリ」という生活者の消費心理を深く捉え、日常の節約志向に応える提案から、品質や情緒的価値、さらには体験価値に訴求した「ちょっとした贅沢・彩り」の提案がお財布の紐を緩める機会を生みだすのかもしれません。


→関連記事もあわせてご参照ください。

・生活者意識の潮流からマーケティングのヒントを探る~「〇〇パ」の先に求めるものは?(2026.4.10)

・物価高への対応から読み解く、3つの生活者タイプとは?~物価高と生活のリアル~(2026.3.24)


使用したデータ

【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】

調査地域:日本全国

対象者条件:15~79歳の男女

標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信

標本サイズ:n=3052 ※国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収

調査実施時期: 2026年8月28日(金)~9月1日(月)


【株式会社インテージ】

株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援しています。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指しています。

*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2026」に基づく(グループ連結売上高ベース)

【インテージグループ】(東証プライム市場 証券コード:4326)

インテージグループは1960年の創業以来、さまざまなデータを収集・加工・分析し、当グループならではのインサイトを加えてお客さまに提供。その意思決定を支援してきました。お客さまのパートナーとして「問い」に寄り添い、生活者理解とテクノロジーを融合させて「次の一手」を導きます。

【報道機関からのお問い合わせ先】 

■株式会社インテージ 広報担当:下河原/依田

TEL: 03-5294-6000 

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マーケティング・リサーチ
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会社概要

株式会社インテージ

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URL
https://www.intage.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-0111
代表者名
檜垣 歩
上場
未上場
資本金
4億5000万円
設立
2013年04月