【週刊台湾ビジネスニュース】南亜CCL８%値上げ、桃園空港第3ターミナル、クマ・タワーDNPアルミパネル採用、東京エレクトロン台湾を起訴、王品集団26年1200人募集【2025/12/08号】

台湾の最新ビジネス情報をお伝えする、週刊台湾ビジネスニュースです。

威志企管顧問股ｲ分有限公司（ワイズコンサルティンググループ）

2025年12月11日 09時38分

　台湾に拠点を置き、各種コンサルティング、リサーチ、日本人向け台湾経済ニュース、クラウドサービスの提供などを行う情報サービス企業グループ「ワイズコンサルティング」は、台湾経済に関する注目動向をまとめた最新レポートを発表しました。
　本号では、CCL値上げに象徴されるAI需要による電子部材逼迫、桃園空港第3ターミナル北側出発ロビーの運用開始、隈研吾氏設計ビルへの日本発素材採用、TSMC関連の機密情報不正取得事件の法的進展、外食大手の大量採用と賃上げ加速など、材料・インフラ・都市開発・法規・サービス産業にわたる台湾の最新トレンドを多角的に分析しています。

【トピック１】
南亜プラCCLを8％値上げか、AI需要で電子部材不足

　業界のうわさによると、台塑集団（台湾プラスチックグループ）傘下の南亜塑膠工業（南亜プラスチックス、南亜プラ）は20日出荷分から、プリント基板（PCB）材料の銅張積層板（CCL）やプリプレグ（PP）基板の価格をそれぞれ8％引き上げたようだ。顧客に対し、▽銅の価格上昇、▽銅箔の加工費上昇、▽電子材料用ガラスクロスの供給不足──と理由を説明した。世界でAI（人工知能）データセンター向け部品の需要が拡大する中、電子部品や材料の供給不足や値上げが広がっている。28日付経済日報などが報じた。

※詳しくはこちらへ＞＞＞　https://www.ys-consulting.com.tw/news/125584.html

【トピック２】
桃園空港第3ターミナル、北側出発ロビーの運用開始
　空の玄関口、桃園国際空港で12月1日、第3ターミナルの北側出発ロビーが試験運用を開始した。年内に正式運用を開始する。取扱能力は年間で580万人増える。

【トピック３】
隈研吾氏の台中クマ・タワー、DNPのアルミパネル採用

　大日本印刷（DNP）は2日、建築家の隈研吾氏の設計で台中市に建設中の複合商業施設、聯聚中維大廈（クマ・タワー）の外装デザインに、同社が開発した焼付印刷アルミパネル「Artellion（アーテリオン）」が台湾で初めて採用されると発表した。明るいナチュラルカラーの木目と、リン酸処理仕上げのような金属調の絵柄が採用された。

【トピック４】
東京エレク子会社を起訴、TSMC機密事件で罰金1.2億元求刑

　ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造（TSMC）の2ナノメートル製造プロセスの機密情報を不正取得したとして、国家安全法（国安法）違反と営業秘密法違反の罪で、東京エレクトロン（TEL）台湾子会社の東京威力科創（東京エレクトロン台湾）の元従業員ら3人が起訴された事件で、台湾高等検察署（高検）智慧財産（知的財産）検察分署は2日、従業員の監督責任を十分に果たさなかったとして、東京エレクトロン台湾を国安法違反などの罪で追加起訴し、計1億2000万元（約6億円）の罰金を求刑した。国安法違反罪で法人が起訴されたのは初めて。

【トピック５】
レストラン最大手の王品集団、26年1200人募集

　レストランチェーン最大手、王品集団は3日、2026年に40～50店の新規出店を目標に、1200人以上を募集する予定だと表明した。初任給は3％以上引き上げ、店長になれば年収200万台湾元（約990万円）以上とうたう。飲食業界では、▽ビュッフェ最大手、饗賓餐旅事業（フィーストゥギャザー）、▽牛肉麺チェーン「三商巧福」などを展開する三商餐飲（マーキュリーズF＆B）──なども来年の新規出店に向け、それぞれ900～1000人を募集する。

※補足解説は、以下の動画でもご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=UpnwSKtnYWs