サプライチェーン・リスク、サイバー攻撃・地政学リスクの脅威が急増

~サプライチェーンのリスク管理へのデジタル活用は1割未満にとどまる~

株式会社Spectee

レジリエンス領域でDXを推進する株式会社Spectee(本社:東京都千代田区、代表取締役:村上 建治郎、以下 Spectee)は、​​製造業にお勤めの経営層とサプライチェーンに携わる業務担当者(合計500名)を対象に、「サプライチェーンリスク管理に関する実態調査」を実施しました。

近年、サプライチェーンを取り巻く環境は、気候変動による自然災害の激甚化、サイバー攻撃や地政学リスクが顕著に影響し、予測不能なリスクが多様化・増加しています。これらのリスクによるサプライチェーンの途絶は、事業継続性を脅かす重大な経営課題となっています。

こうした複雑化するリスクに迅速かつ的確に対応するためには、日頃からサプライチェーン全体を把握し、レジリエント(強靭)な体制を構築することが不可欠です。本調査は、製造業におけるリスク管理の最新の実態と、体制構築における課題を明らかにするものです。

【調査結果トピックス】

サプライチェーンマネジメントにおいて、最も重視されるリスクは「自然災害」が2年連続トップ(63.4%)

直近1年で「サイバー攻撃」や「政治・政策」、「地政学リスク」の重要度が大幅に上昇

リスク認識には経営層からの要望(33.9%)やメディア報道が強く影響

昨年の調査に続き、サプライヤー情報の可視化および外部リスク管理が不十分な状況

不足している情報は「原材料供給・価格変動」「サプライヤー経営状態」

デジタルツール導入の障壁は「現場の業務ひっ迫」「情報整理の難しさ」や「ROI」への懸念

サプライチェーンのリスク把握は「監査・訪問」が主力、SaaSの活用は1割未満

【調査概要】

調査名称:2025年版 製造業のサプライチェーンリスク管理に関する実態調査 

調査方法:インターネット調査(調査会社:株式会社クロス・マーケティング)

調査期間:2025年11月14日(金)〜11月15日(土)

調査対象者:従業員501人以上の製造業に務める500人

      経営層50人、サプライチェーン業務に関与・または興味のある社員450人(マネジメント層250人、メンバー200人)

【調査結果】

■サプライチェーンマネジメントで重要視するリスクは2年連続で「自然災害」がトップ

はじめに、「サプライチェーンマネジメントで重要視するリスク(複数回答可)」を質問したところ、『自然災害(地震・台風・山林火災・豪雨)(63.4%)』が最多となりました。自然災害は2年連続トップとなり、昨今いっそう激甚化する自然災害が継続的なリスクであるといえます。『自然災害』の後に『事故(火災・爆発)(50.8%)』と続くのも前年同様に、変わりません。


一方で、重要視するリスクとして増加したのが、「サイバー攻撃(+11.1ポイント)」「地政学リスク(+13ポイント)」であり、昨年の調査(※1)と比べて最も大きく伸びたのは『サプライヤーの倒産(+16ポイント)』となりました。実際にこの1年で、サプライヤーの倒産を経験したり、リスクだと感じている状況がうかがえます。

■直近1年では、自然災害と並びサイバー攻撃や政治・政策なども重要リスク

次に、「直近1年間で、サプライチェーンマネジメントの重要性が上がった項目(複数回答可)」を質問したところ、前述と同様に『自然災害(地震・台風・山林火災・豪雨)(35.0%)』が最多となりました。次いで『サイバー攻撃(ランサムウェア、サプライチェーン攻撃、サプライヤーのインシデント)(33.0%)』、『政治・政策(トランプの米国第一主義、各国ブロックの形成、政権交代)(30.0%)』が続きます。昨今頻発するサイバー攻撃やトランプ関連の政策などの注目度が、重要性の認識に影響を与えていることがわかります。

「直近1年間で、どのような活動・対策を実施しましたか?(複数回答可)」との質問に対しては、『BCP強化(異常時対応フロー、マニュアル整備)(35.4%)』が最多、次いで『自然災害対応の強化(拠点分散、在庫戦略、防災訓練の実施など)(30.8%)』となりました。前述のサイバー攻撃(33.0%)についても、対策実施の回答は25.8%に達し、BCPや自然災害対策と共に、サイバー攻撃への対応を進めていることがうかがえます。

■社内外からの要望やニュース情報がリスク認識に大きく影響

「サプライチェーンリスクの重要性を認識するのに影響した項目はなんですか?(複数回答可)」に対しては、『自社の経営層からの要望(33.9%)』が最多、次いで『サイバー攻撃などのサプライチェーンを取り巻くメディア報道(29.9%)』となりました。『取引先や顧客からの要望(26.5%)』も多く、リスクの重要性を認識する過程では、社内外の要望やメディア報道の影響が大きいといえます。

■昨年に続き、サプライヤー情報の可視化および外部リスク管理が不十分といえる

「今後、対応を重視したい項目はどれですか?(複数回答可)」に対しては、『サプライヤー情報の可視化(42.4%)』が最多、次に『外部リスク管理(リスク情報のリアルタイムな可視化)(32.0%)』となりました。昨年の調査(※2)でも、サプライチェーンやそれを取り巻くリスク情報の可視化といった項目が上位となっており、今回の調査でも対応を重視したいとの回答から、現在においてもまだ対応が十分でないと予測できます。

■デジタルツール導入の障壁は現場の業務ひっ迫や分散・属人化による情報

「サプライチェーンのリスクマネジメントにデジタルツールを活用する場合のネックは何ですか?(複数回答可)」との回答では、『現場の業務逼迫(新サービスの導入・運用の余力がない)(27.2%)』と『情報が分散・属人化して整理できない(27.0%)』がほぼ同率で高く、現場のリソース不足と情報管理の課題が大きいようです。ただ次点で『特にネックは無い(24.6%)』と続き、デジタルツールの活用に障壁を感じていない人も一定数いるようです。

■デジタルツールに「リスク情報の自動収集」、「生産への影響分析」を期待

「貴社がデジタルツールを活用した場合、何を望みますか?(複数回答可)」に対しては、『サプライチェーンに影響するリスク情報の自動収集(46.2%)』がトップ、ほぼ同率で『リスクが発生した際の生産への影響分析(45.6%)』となりました。導入時の課題としてサプライチェーンやそれを取り巻くリスクの可視化が挙がり、デジタルツール活用で、生産への影響分析まで含め、その解決を望んでいることが伺えます。

■サプライチェーンのリスク把握は「監査・訪問」が主力、SaaSの活用は1割未満

「日常的にサプライチェーンのリスク把握のために実施されていることはありますか?(複数回答可)」を伺ったところ、『サプライヤーの現場(工場など)の定期的な監査・訪問(43.8%)』が最多、『サプライヤーと定期的な会議の実施(32.2%)』も上位となっています。一方で、『SaaS/クラウド型のリスク管理ツールを導入し、自動でリスク情報を検知・通知(9.6%)』は1割にも満たず、実際にサプライヤーを監査・訪問したり、会議を行うといったアナログな方法が依然として主力のようです。

■供給やコスト、取引先の安定性に関する情報が不足

最後に、「サプライチェーンのリスク管理の視点で“もっと情報がほしい”と感じるのはどの領域ですか?(複数回答可)」と伺ったところ、『原材料・部材の供給・価格変動(46.0%)』が最も高く、次いで『サプライヤーの経営状態(倒産・不祥事など)(42.0%)』となりました。倒産については重要視するリスクとして昨年対比で伸びており、情報へのニーズも高まっているようです。

■ Spectee 代表取締役 CEO 村上 建治郎コメント

近年多発する災害を受けて、昨年と続き「自然災害」が懸念するリスクとして最多の結果でした。さらに、今年の調査の結果では、「サイバー攻撃」や「地政学リスク」、また「サプライヤーの倒産」への注目度が高まってきていることが見受けられます。一方で、対応の実態は依然として監査・訪問や手作業での情報収集に依存しており、SaaSの導入は進んでいない状況でした。サプライチェーン・リスクマネジメントには、リスク情報のリアルタイムな収集や、生産への影響の迅速な把握、さらにサプライチェーン全体像を可視化できる仕組みが欠かせません。AIやリアルタイムデータを活用して“見えないリスクを可視化し、判断を早める”ことが、これからのレジリエンス経営の前提になると考えています。

※1~3の出典元は以下

2024年4月3日発表: Spectee、製造業における「サプライチェーン強靭化」調査 リスク事象の把握とサプライチェーン可視化の課題が浮き彫りに 〜約半数が強靭化の重要性を認識するも、リスク対応の人員や予算について現場と経営層のギャップが明らかに〜

(https://spectee.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/db4340806aa737720a112bc8d8196aa9.pdf)

(関連情報)

2024年11月14日発表:【製造業における”サプライチェーン強靭化”調査】約25%が自然災害で1億円以上の損害が生じたと回答するも、依然として半数は「Excel」での管理を実行〜サプライヤー管理の課題は「効率化」「可視化」「情報のこまめな更新」〜(https://spectee.co.jp/pr20241114/

■統合型SCRMクラウド「Spectee SCR」

『Spectee SCR』は、、世界中で発生するサプライチェーンに影響を与える危機を瞬時に可視化するグローバルサプライチェーンのリスク管理サービスです。製造業などのサプライチェーンを見える化するとともに、SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報など様々なデータをリアルタイムに解析し、サプライヤー周辺で起こる危機を瞬時に覚知し、サプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。

『Spectee SCR』サービスサイト(サービス詳細やお問い合わせはこちら)

https://spectee.co.jp/service/specteescr/  

 ■ 株式会社Spectee(スペクティ)について

 Specteeは、レジリエンス領域でAIを活用したSaaSを提供するスタートアップです。「危機を可視化する」をミッションに、SNS情報や気象データ、人工衛星や自動車プローブデータなど、多様なデータから世界で発生する災害や危機をリアルタイムに収集・解析し、被害状況の可視化や予測を行います。防災やBCP対応、サプライチェーンのリスク管理を目的に導入され、2024年7月に契約数1000を突破。国内外の多くの企業や官公庁・自治体から支持されています。

<会社概要>

本社:〒102-0076 東京都千代田区五番町 12-3 五番町YSビル 1階

代表者:代表取締役 CEO 村上 建治郎

設立:2011年11月11日

公式サイト:https://spectee.co.jp

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社Spectee

37フォロワー

RSS
URL
https://spectee.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区五番町 12-3 住友不動産 五番町YSビル 3階
電話番号
03-6261-3655
代表者名
村上 建治郎
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2014年02月