サトウキビの生産性改善で環境負荷を軽減する深植え栽培技術を国際農研との共同研究開発で実現
ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリ株式会社(本社:岡山県岡山市、社長:所司ケマル、以下「ヤンマーアグリ」)は、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(以下「国際農研」)との共同研究を通して、サトウキビの生産性を改善しながら環境負荷を軽減する深植え栽培技術を確立し、関連商品の販売を本格的に開始します。
■共同研究の概要
サトウキビの持続的な生産には、生産性が高く環境保全型である株出し栽培を長期間継続することが重要ですが、株出し栽培では、収穫後に地下に残る株から再生してくる茎の発生深度が浅くなり収量の低下や継続回数の減少が課題となっていました。そこで、干ばつが厳しいタイ東北部において、サトウキビの株出し栽培の収量や継続回数を増加させる深植え栽培技術を開発しました。深植え栽培は、慣行植え付けの深さ(10~20㎝程度)よりも深い約30cmの位置に植え付ける栽培方法です(図1)。フィリピンでは、干ばつ年における安定生産への有効性を実証しました。さらに耐倒伏性が向上することにより、台風被害の軽減等が期待されます。
現在、フィリピン農業省砂糖統制庁はブロックファーミング※1と呼ばれる小規模農家による集団的な農場経営を進めています。ヤンマーアグリは、本研究開発の成果を受け、フィリピンにおいてブロックファーミングの農家にも最適なサトウキビの深植え栽培を実現する部分深耕機および深植プランターの販売を本格的に開始します。 なお、日本においても沖縄県石垣島で本技術の導入に向けた実証試験を現地製糖工場と共同で実施しています。
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※1 ブロックファーミングとは小規模のサトウキビ農家をまとめて灌漑や機械化等を進め、生産性と収入の向上を図る、フィリピン共和国の政策
※2 部分深耕機は作付け部分のみ耕起し、心土破砕、砕土・均平、鎮圧作業を一工程で実施可能。(適応トラクター馬力90馬力以上)
※3 深植プランターは、全茎式(全茎苗を切断)植付機であり、深植え(最大30cm)、覆土・鎮圧、施肥を一工程で実施可能。(適応トラクター馬力90馬力以上)
<注記>記載内容はリリース発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。
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ヤンマーホールディングス株式会社
1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した産業機械メーカーです。「大地」「海」「都市」のフィールドで、エンジンなどのパワートレインを軸に、アグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開。環境負荷フリー・GHGフリーの企業を目指し、顧客価値を創造するソリューションを提供しています。未来を育むヤンマーの価値観「HANASAKA」を基盤に、ブランドステートメントとして掲げる“A SUSTAINABLE FUTURE”を実現します。
詳しくは、ヤンマーのウェブサイトhttps://www.yanmar.com/jp/about/ をご覧ください。
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