【自治体職員、毎日3時間のシステム操作】約4割が「民間よりDX推進が遅れている」と実感、人事異動とIT格差がボトルネックに

〜SaaS導入進むも、セキュリティ制約が活用阻む〜

テックタッチ株式会社

テックタッチ株式会社は、官公庁・地方自治体に勤めるIT・情報システム部門の管理者またはシステム管理担当者111名を対象に、自治体におけるシステム導入・運用の課題に関する実態調査を実施しました。

調査の結果、約4割の担当者が「自組織のDXは民間より遅れている」と認識しており、その背景には、人事異動によるノウハウの断絶やITリテラシー格差、セキュリティ制約によるSaaS活用の困難さなど、自治体特有の構造的課題が浮き彫りになりました。

01|約4割が「民間企業よりもDX推進が遅れている」と実感

02|新システム習得の課題は「職員のITリテラシーに差がある」(54.1%)と「人事異動で何度も引き継ぎが必要になる」(48.6%)

03|「リアルタイムサポート機能」への期待も高く、操作習得の時間短縮(43.2%)や引継ぎ負担軽減(42.3%)に効果が期待される

本調査のダウンロードはこちら:https://techtouch.jp/resources/ebook_municipality_dx/

■調査概要

調査名称:自治体におけるシステム導入・運用の課題に関する実態調査

調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

調査期間:2025年5月21日〜同年5月25日

有効回答:官公庁・地方自治体に勤めるIT・情報システム部門の管理者またはシステム管理担当者111名

※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っています。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合があります。

■約4割が「民間企業よりもDX推進が遅れている」と実感

 「Q1.お勤め先のDX推進状況は、民間企業と比較してどの程度だと感じますか。」(n=111)と質問したところ、「やや遅れている」が19.8%、「大きく遅れている」が17.1%という回答となりました。

・大きく進んでいる:13.5%

・やや進んでいる:25.3%

・同程度:18.0%

・やや遅れている:19.8%

・大きく遅れている:17.1%

・わからない/答えられない:6.3%

■DX推進が遅れている理由は「予算制約」「IT人材の不足」「人事異動によるノウハウ喪失」など

 Q1で「やや遅れている」「大きく遅れている」と回答した方に、「Q2.お勤め先のDX推進状況が民間企業と比べて遅れていると感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=41)と質問したところ、「予算制約」が68.3%、「ITなどの専門スキルを持った人材の不足」が63.4%、「3~4年周期の人事異動によるノウハウ喪失・継続性の欠如」が43.9%という回答となりました。

・予算制約:68.3%

・ITなどの専門スキルを持った人材の不足:63.4%

・3~4年周期の人事異動によるノウハウ喪失・継続性の欠如:43.9%

・前例踏襲型の組織文化:41.5%

・LGWAN環境による外部サービス利用の制限:24.4%

・特定ベンダーへの依存により柔軟な対応が難しい:12.2%

・国・県からの制度変更対応の優先による取組みの後回し:9.8%

・その他:0.0%

・わからない/答えられない:4.9%

■日常業務で最も時間を費やしているシステム、第1位「文書管理システム」、第2位「庁内ポータル/グループウェア」

 「Q3.日常業務で最も時間を費やしているシステムを教えてください。」(n=111)と質問したところ、「文書管理システム(決裁・稟議・保存など)」が26.1%、「庁内ポータル/グループウェア(掲示、申請、スケジュール管理)」が22.5%、「財務会計システム(起案・予算執行など)」が13.5%という回答となりました。

・文書管理システム(決裁・稟議・保存など):26.1%

・庁内ポータル/グループウェア(掲示、申請、スケジュール管理):22.5%

・財務会計システム(起案・予算執行など):13.5%

・住民情報管理システム(住基・税・福祉などの基幹系):12.6%

・庁内業務の支援SaaS(出退勤、施設予約、業務マニュアルなど):4.5%

・業務アプリケーション間のデータ転記・チェック作業:3.6%

・ヘルプデスク・問い合わせ管理システム:1.8%

・その他:1.8%

 ー教育系システム

 ーカルテ

・わからない/答えられない:13.5%

■そのシステムの1日の平均利用時間、「3時間以上」が61.5%を占める

 Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q4.Q3で回答したシステムの、あなたの1日の平均利用時間を教えてください。」(n=96)と質問したところ、「3時間~4時間程度」が37.6%、「1時間~2時間程度」が25.0%という回答となりました。

・1時間未満:8.3%

・1時間~2時間程度:25.0%

・3時間~4時間程度:37.6%

・5時間~6時間程度:17.7%

・7時間以上:6.2%

・状況により大きく変動する:4.2%

・わからない/答えられない:1.0%

■新システム習得の課題は、「ITリテラシーの格差」(54.1%)と「人事異動の引継ぎ」(48.6%)

 「Q5.職員が新しい業務システムを習得する際に、最も大きな課題は何だと感じますか。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「職員のITリテラシーに差がある」が54.1%、「人事異動で何度も引き継ぎが必要になる」が48.6%、「引継ぎ・研修時間が不足している」が38.7%という回答となりました。

・職員のITリテラシーに差がある:54.1%

・人事異動で何度も引き継ぎが必要になる:48.6%

・引継ぎ・研修時間が不足している:38.7%

・研修の機会や回数が少ない:29.7%

・サポート体制が十分でない:24.3%

・システム自体の操作性が悪い:23.4%

・業務多忙で学習時間を確保できない:21.6%

・マニュアルが古い・分かりにくい:18.9%

・その他:0.0%

・特にない:2.7%

・わからない/答えられない:4.5%

■業務システムの教育に半数が「1日あたり1時間以上費やす」と回答

 「Q6.新任者や異動してきた職員に対する業務システム関連の教育(指導・サポート)を行う場合、1日平均どのくらいの時間を費やしていますか。」(n=111)と質問したところ、「1時間~2時間未満」が30.7%、「30分~1時間未満」が23.4%という回答となりました。

・30分未満:7.2%

・30分~1時間未満:23.4%

・1時間~2時間未満:30.7%

・2時間~3時間未満:9.0%

・3時間以上:10.8%

・教育を行っていない:8.1%

・わからない/答えられない:10.8%

■SaaS導入状況、全体の約6割が導入。1~4種類が最多

 「Q7.現在お勤め先では、何種類のSaaSを導入していますか」(n=111)と質問したところ、「1種類〜4種類」が最多の32.5%。「5種類以上」の回答を含めると、SaaSを導入している自治体は全体の約6割にのぼる結果となりました。

・導入していない:18.0%

・1種類~4種類:32.5%

・5種類~9種類:15.3%

・10種類~14種類:5.4%

・15種類以上:6.3%

・わからない/答えられない:22.5%

■自治体でSaaSを導入する上での課題は「セキュリティ制約」が57.6%で最多

 Q7で「1種類以上SaaSを導入している」と回答した方に、「Q8.自治体でSaaSを導入する上での最大の課題は何だと感じますか。(複数回答)」(n=66)と質問したところ、「セキュリティポリシーとの整合が難しい」が57.6%、「職員のITスキル不足や新しいツールへの抵抗感」が43.9%、「買い切りでないため、調達・契約手続きが複雑」が39.4%という回答となりました。

・セキュリティポリシーとの整合が難しい:57.6%

・職員のITスキル不足や新しいツールへの抵抗感:43.9%

・買い切りでないため、調達・契約手続きが複雑:39.4%

・ネットワークやシステム環境(LGWANなど)がSaaS導入に適していない:36.4%

・庁内でSaaS導入の価値が十分に理解されていない:27.3%

・導入後のサポート・運用体制に不安がある:18.2%

・その他:0.0%

・特にない:3.0%

・わからない/答えられない:0.0%

■操作支援機能に期待する主な効果は「習得の時間短縮」「引継ぎ負担の軽減」Q9.もし業務システムに『操作をリアルタイムでサポートする機能』や『マニュアルを自動表示する機能』があれば、どのような効果があると思いますか。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「システム操作習得の時間短縮」が43.2%、「人事異動時の引継ぎ負担の軽減」が42.3%という回答となりました。

・システム操作習得の時間短縮:43.2%

・人事異動時の引継ぎ負担の軽減:42.3%

・問い合わせ対応の削減:33.3%

・業務効率の向上:33.3%

・マニュアル作成・更新の手間削減:29.7%

・職員間のITリテラシー格差の縮小:28.8%

・ミス・エラーの減少:26.1%

・その他:0.0%

・特に効果はない:0.9%

・わからない/答えられない:12.6%

■職員が求める操作支援機能、最多は「自動回答」、次いで「ポップアップ案内」

 Q9で「特に効果はない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した効果を実現するために、どのような機能があると良いと思いますか。(複数回答)」(n=96)と質問したところ、「システム内で質問すると自動回答してくれる機能」が55.2%、「操作に迷った際にポップアップで案内してくれる機能」が49.0%、「操作手順を動画で見られる機能」が40.6%という回答となりました。

・システム内で質問すると自動回答してくれる機能:55.2%

・操作に迷った際にポップアップで案内してくれる機能:49.0%

・操作手順を動画で見られる機能:40.6%

・複雑な操作を自動化してくれる機能:38.5%

・個人の操作習熟度に合わせたサポート機能:34.4%

・操作ログから頻繁に発生するエラーを分析する機能:24.0%

・業務フローに沿った操作ナビゲーション機能:18.8%

・その他:0.0%

・わからない/答えられない:1.0%

■まとめ

 今回は、官公庁・地方自治体に勤めるIT・情報システム部門の管理者またはシステム管理担当者111名を対象に、システム導入・運用に関する課題の実態を明らかにしました。

 調査の結果、約4割が「民間企業よりもDX推進が遅れている」と感じており、その理由として、「予算制約」(68.3%)や「ITなどの専門スキルを持った人材の不足」(63.4%)が挙げられました。また、新しい業務システムを習得においては、「職員のITリテラシー格差」(54.1%)や「人事異動による引き継ぎの多さ」(48.6%)が主要な障壁となっています。

特に注目すべきは、日々の業務において職員の多くがシステム操作に2〜3時間以上を費やしているという実態です。中でも、「文書管理システム」や「庁内ポータル/グループウェア」など、基幹的かつ頻繁に利用されるシステムに時間を取られており、業務効率に直結する課題といえます。さらに、新任者や異動者への操作教育にも1日あたり1時間以上をかけているケースが過半数に上り、現場では“教える側・教わる側”の両方に相応の負担が発生していることが明らかになりました。

 一方で、SaaSの導入状況を見ると、約6割の自治体が1種類以上を導入しているなど、デジタル活用は確実に進みつつあります。しかしその一方で、「セキュリティポリシーとの整合が難しい」(57.6%)といった制度・環境面での制約が依然として大きな障壁となっており、導入後の活用拡大や運用定着には工夫が求められます。

 こうした背景から、業務システムに「リアルタイムでの操作支援」や「自動表示マニュアル」などの機能を求める声も多く、属人的な対応に依存しない業務支援環境の整備が今後の自治体DX推進において不可欠であることが示唆されました。

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【テックタッチ株式会社 会社概要】

会社名   :テックタッチ株式会社

設立    :2018年3月1日

代表取締役 CEO:井無田 仲

所在地   :〒104-0061 

       東京都中央区銀座8丁目17-1 PMO銀座Ⅱ5F

事業内容  :デジタルアダプションプラットフォーム「テックタッチ」およびデータ戦略AIエージェント「AI Central Voice」の開発・提供

URL    :https://techtouch.jp/

メディアURL:https://techtouch.jp/media/

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区銀座8丁目17-1 PMO銀座Ⅱ 5F
電話番号
-
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井無田 仲
上場
未上場
資本金
24億円
設立
2018年03月