アストラゼネカ、デジタルデバイスを活用し間質性肺疾患(ILD)の発症予測モデル構築に向けた探索的試験を開始
デジタル技術を用い初期段階のILDを検出し患者さんのILD重症化の回避および肺がん治療の継続を可能とする未来に向けた取り組み
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、化学放射線療法後にイミフィンジ(R)(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)による治療を受けたステージⅢの切除不能な非小細胞肺がん患者さんを対象に、間質性肺疾患(ILD)の発症を予測するモデル構築に向けた探索的試験(以下、iDETECT study)を、6月より開始いたしますのでお知らせいたします。
ILDが重症化すると、患者さんは現行の治療の休止や中断を余儀なくされることがあるため、早期の段階でILDを適切に検出もしくは発症を予測し、重症化を防ぐことが治療を継続する上で重要です。iDETECT studyは、ウェアラブルデバイス等を用いて収集したデータを基に初期症状のILDを早期に検出することにより、将来的にILDが重症化する前に適切な医療サービスを受けることができる環境の創出を目的としています。
アストラゼネカのメディカル本部オンコロジー部門長の地主 将久は、次のように述べています。「治験において、化学放射線治療後にイミフィンジを投与した日本人患者さんの有害事象の中で、放射線性肺炎を含むILD発症は最多を占めています。ステージⅢの非小細胞肺がんにおける治療は、治療の進歩により、根治を目指せる可能性が高くなってきていることから、患者さんの治療機会を最大限に維持することが非常に重要です。今回のiDETECT studyでは、ウェアラブルデバイス等から得られたデータを臨床情報と組み合わせることによって、ILD早期発見・発症予測ができるかを検討していきます」。
アストラゼネカは、「患者さんを第一に考える」を企業バリューのひとつとして患者さんを中心とした治療支援等の推進に取り組んでおり、iDETECT studyはその企業バリューを実現するためのアクションのひとつです。アストラゼネカは、iDETECT studyを通じ、肺がん患者さんのイミフィンジによる治療がより効果的なものとなるために、今後も尽力してまいります。
【iDETECT study試験概要】
・試験目的:イミフィンジを投与している切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん患者さんの、将来的なグレード2以上のILD発症や疾患の進行状態を、機械学習により予測することが可能であるかを検証すること
・検証データ:患者さんの臨床データおよび患者さんがウエアラブル機器と携帯アプリから回収した血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数、咳データ
・試験対象:日本でイミフィンジを投与している切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん患者さん150名
・試験期間:2021年6月~2022年12月
・使用デジタル機器・技術:株式会社クォンタムオペレーションによるウェアラブルデバイス(血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数を測定)および、ResApp Health社による咳の回数を測定できる携帯アプリ
・AIモデル開発(ILD発症予測モデル開発):エムスリー株式会社
・当臨床研究に関する詳細については、clinicaltrials.govおよびjRCTに掲載しています。(登録番号:NCT04884269およびjRCT1051210033)
*****
肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています(1)。日本では、2019年に約122,300人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は約76,000人にのぼりました(2)。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます(3)。NSCLCの患者さんの大多数は進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です(4-6)。
ステージⅢの非小細胞肺がん(局所進行性)は、一般的に、局所的にどの程度がんが拡がっているか、および手術の可否によって定義される3つのサブカテゴリー(ⅢA、ⅢBおよびⅢC)に分類されます(7)。ステージⅢの病変は、がんが拡がっている(転移している)ステージⅣの病変とは異なるため、ステージⅢの患者さんの大半は根治目的の治療を行います(7-8)。日本におけるステージⅢの非小細胞肺がん患者さんは、肺がん患者さん全体の21.1%を占めており(9)、毎年約20,000人が新たにステージⅢの非小細胞肺がんと診断されているといわれています(10)。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。
また、当社の広範ながん免疫療法の開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています(11)。免疫治療ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(MERMAID-1、AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、およびADRIATIC)が現在進行中です。
さらに、イミフィンジは、まだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジーおよび循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca ( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社については https://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。
References
1.World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed January 2021.
2.公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’19」 https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2019/cancer_statistics_2019_fig_J.pdf
3.LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer . Accessed January 2021.
4.Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
5.Le Chevalier T, et al. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:196-8.
6.Datta D, et al. Preoperative Evaluation of Patients Undergoing Lung Resection Surgery. Chest. 2003;123: 2096–2103.
7.ASCO. Cancer.net. Lung Cancer – Non-Small Cell. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer/view-all . Accessed September 2020.
8.Cheema PK, et al. Perspectives on Treatment Advances For Stage III Locally Advanced Unresectable Non-Small-Cell Lung Cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
9.公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’17」
https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2017/cancer_statistics_2017_date_J.pdf
10.Kantar Health – Cancer Mpact estimates of newly incident patients with NSCLC
11.Pakkala, S, et al. Personalized therapy for lung cancer: striking a moving target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.
プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021060317-97a44e58d5aedc07728f46f05363c245.pdf
ILDが重症化すると、患者さんは現行の治療の休止や中断を余儀なくされることがあるため、早期の段階でILDを適切に検出もしくは発症を予測し、重症化を防ぐことが治療を継続する上で重要です。iDETECT studyは、ウェアラブルデバイス等を用いて収集したデータを基に初期症状のILDを早期に検出することにより、将来的にILDが重症化する前に適切な医療サービスを受けることができる環境の創出を目的としています。
アストラゼネカのメディカル本部オンコロジー部門長の地主 将久は、次のように述べています。「治験において、化学放射線治療後にイミフィンジを投与した日本人患者さんの有害事象の中で、放射線性肺炎を含むILD発症は最多を占めています。ステージⅢの非小細胞肺がんにおける治療は、治療の進歩により、根治を目指せる可能性が高くなってきていることから、患者さんの治療機会を最大限に維持することが非常に重要です。今回のiDETECT studyでは、ウェアラブルデバイス等から得られたデータを臨床情報と組み合わせることによって、ILD早期発見・発症予測ができるかを検討していきます」。
アストラゼネカは、「患者さんを第一に考える」を企業バリューのひとつとして患者さんを中心とした治療支援等の推進に取り組んでおり、iDETECT studyはその企業バリューを実現するためのアクションのひとつです。アストラゼネカは、iDETECT studyを通じ、肺がん患者さんのイミフィンジによる治療がより効果的なものとなるために、今後も尽力してまいります。
【iDETECT study試験概要】
・試験目的:イミフィンジを投与している切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん患者さんの、将来的なグレード2以上のILD発症や疾患の進行状態を、機械学習により予測することが可能であるかを検証すること
・検証データ:患者さんの臨床データおよび患者さんがウエアラブル機器と携帯アプリから回収した血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数、咳データ
・試験対象:日本でイミフィンジを投与している切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん患者さん150名
・試験期間:2021年6月~2022年12月
・使用デジタル機器・技術:株式会社クォンタムオペレーションによるウェアラブルデバイス(血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数を測定)および、ResApp Health社による咳の回数を測定できる携帯アプリ
・AIモデル開発(ILD発症予測モデル開発):エムスリー株式会社
・当臨床研究に関する詳細については、clinicaltrials.govおよびjRCTに掲載しています。(登録番号:NCT04884269およびjRCT1051210033)
以上
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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています(1)。日本では、2019年に約122,300人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は約76,000人にのぼりました(2)。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの80~85%がNSCLCと診断されます(3)。NSCLCの患者さんの大多数は進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です(4-6)。
ステージⅢの非小細胞肺がん(局所進行性)は、一般的に、局所的にどの程度がんが拡がっているか、および手術の可否によって定義される3つのサブカテゴリー(ⅢA、ⅢBおよびⅢC)に分類されます(7)。ステージⅢの病変は、がんが拡がっている(転移している)ステージⅣの病変とは異なるため、ステージⅢの患者さんの大半は根治目的の治療を行います(7-8)。日本におけるステージⅢの非小細胞肺がん患者さんは、肺がん患者さん全体の21.1%を占めており(9)、毎年約20,000人が新たにステージⅢの非小細胞肺がんと診断されているといわれています(10)。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期における異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。
また、当社の広範ながん免疫療法の開発プログラムは、すべての肺がん患者さんの4分の3にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています(11)。免疫治療ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブおよび/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDONおよびPEARL)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(MERMAID-1、AEGEAN、ADJUVANT BR.31、PACIFIC-2、PACIFIC-4、およびADRIATIC)が現在進行中です。
さらに、イミフィンジは、まだ開発パイプラインの初期段階にある新薬候補との併用療法を評価する第Ⅱ相併用投与試験(NeoCOAST、COASTおよびHUDSON)においても検討されています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジーおよび循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca ( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社については https://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。
References
1.World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed January 2021.
2.公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’19」 https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2019/cancer_statistics_2019_fig_J.pdf
3.LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer . Accessed January 2021.
4.Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
5.Le Chevalier T, et al. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:196-8.
6.Datta D, et al. Preoperative Evaluation of Patients Undergoing Lung Resection Surgery. Chest. 2003;123: 2096–2103.
7.ASCO. Cancer.net. Lung Cancer – Non-Small Cell. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer/view-all . Accessed September 2020.
8.Cheema PK, et al. Perspectives on Treatment Advances For Stage III Locally Advanced Unresectable Non-Small-Cell Lung Cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
9.公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’17」
https://ganjoho.jp/data/reg_stat/statistics/brochure/2017/cancer_statistics_2017_date_J.pdf
10.Kantar Health – Cancer Mpact estimates of newly incident patients with NSCLC
11.Pakkala, S, et al. Personalized therapy for lung cancer: striking a moving target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.
プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021060317-97a44e58d5aedc07728f46f05363c245.pdf
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