「地域資源を活用した有機農業の促進」に向けた共同実証の開始について
~SOFIX分析技術による“土づくり”を起点としたバリューチェーン構築をめざして~
学校法人立命館(京都府京都市、理事長 森島朋三)と株式会社SOFIX(滋賀県草津市、代表取締役社長 久保幹、以下SOFIX)、NTT西日本グループ(以下NTT西日本G)、ナガセケムテックス株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長 藤井悟、以下ナガセケムテックス)、シン・エナジー株式会社(兵庫県神戸市、代表取締役社長 乾正博、以下シン・エナジー)、株式会社タックジャパン(岐阜県大垣市、代表取締役 髙橋伸輔、以下タックジャパン)は、コンソーシアム型共同研究契約を締結し、SOFIX※1分析技術による土壌分析、有機肥料の製造・販売を起点とした有機農業の促進モデルについて共同実証を開始します。
※1 土壌肥沃度指標(Soil Fertile Index : SOFIX)「別紙」 参照
※1 土壌肥沃度指標(Soil Fertile Index : SOFIX)「別紙」 参照
1.背景
農林水産省は、地球温暖化、生産者減少等による生産基盤の脆弱化、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などを背景に、持続的な食料の安定供給と農林水産業の発展を目的とした”みどりの食料システム戦略※2”を推進し、2050年までに日本の耕作地に占める有機農地面積を約25%(100万ha)へ拡大、有機物の循環利用や施肥の効率化・スマート化による化学肥料の使用量30%低減、といった社会の実現をめざしております。
このような中、滋賀県での有機農業における持続可能な地域循環システムの実現に向け、水草・畜産排出物等の地域資源※3を活用した有機肥料の製造・販売、生産者と消費者をつなぐ販路マッチング等の仕組みを検討し、地域資源の有効活用から有機農作物生産、消費に至るまで、循環したバリューチェーンモデルの全国展開に向けた共同実証を行うこととなりました。
※2 農林水産省が推進する生産力向上と持続性の両立をめざした持続可能な食料システム
※3 地域内の人間活動に利用可能な、有形、無形のあらゆる要素
2.共同実証の概要
地域の有機資源から新たな価値を創出し、地域経済の活性化や脱炭素に寄与する”食と農”の地域循環システムの実現には、バリューチェーンにおける各課題解決が必要であり、本共同実証においては以下の事項について検証を行います。
(1)SOFIX分析技術による土壌分析・施肥設計
<めざすべき姿>
SOFIXの分析技術を活用し、土壌や堆肥の状態を数値で視える化することで、勘や経験に頼らない再現性のある農業を実現します。
<実施内容>
・土壌の情報や環境関連データを蓄積し、分析の高度化・高速化を行うことで、分析精度の向上や農家にとって最適な施肥設計を提供できるか検証します。
・ICTを活用した分析業務の効率化を行い、“みどりの食料システム戦略”の推進により増加が見込まれる分析需要に対応できる体制構築を検討します。
(2)地域資源を活用した農業資材の製造・販売
<めざすべき姿>
水草・畜産排出物等の地域資源を活用した、高機能な有機資材※4を提供することで、有機作物栽培における収量と品質の安定を実現します。
<実施内容>
・SOFIX分析技術による土壌診断・施肥設計に基づいた高機能な有機資材の製造方法の確立や、有機資材の元となる地域資源の持続的な供給方法を検討します。
・有機資材を用いた場合の生産量や食味、堆肥コストを従来の手法(慣行農業)と比較することで農家単位での有用性や収益性の向上が図られているか検証します。
※4 農業において肥料として用いられる有機物
(3)地域資源を活用した農作物の流通・販売支援
<めざすべき姿>
化学肥料・農薬の影響が少ない「安全性」、土壌の品質を担保した「信頼度」を付与することで農作物の高付加価値化を図り、生産者と消費者の最適なマッチングを通して有機農業市場の発展を実現します。
<実施内容>
・地域資源を活用したという認証やトレサビリティ、生産工程追跡技術等の活用検討により、農作物の高付加価値化が実現可能か検証します。
・地域資源により栽培した農作物のうち、作物品種・物量・供給時期等の条件が販路側とマッチする農作物を地域のホテル・小売り・学校等、地元事業者を中心に流通・販売可能か、具体的な事業者への意向調査などを実施することで検証します。
(4)地域循環型社会で活躍する有機農業人材の育成
<めざすべき姿>
SOFIX技術や営農データを用いたデジタルコンテンツによる農業教育を通して、新規就農者の増加や既存農家の生産性向上を図り、持続可能な産業を実現します。
<実施内容>
・持続可能な”食と農”の地域循環システムに寄与する新規就農者及び慣行農業から非慣行農業への転換者の拡大に向けた教育・育成プログラム及びその効果・影響を検討します。
・有機農業指導員や既存の有機農業従事者に対する現地指導や研修の実施により、儲かる農業体質への転換サポートが実現可能か検証します。
(5)有機農業バリューチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーション
<めざすべき姿>
地域資源を活用した土づくりから、農作物の流通・販売までのバリューチェーンを、ICTの力で効果的・効率的に結び付け、デジタルトランスフォーメーションをもって食農分野に多彩な価値を創出します。
<実施内容>
・ICTを活用した”食と農”の地域循環システムの構築と全国エリアへ展開する手法について検討し、具体的な社会実装が可能か、またそれがどの程度世の中の有機農業面積の拡大・化学肥料低減に寄与できるか検証します。
・本共同実証により検討した仕組みやモデルに、市場にあるスマート農業サービス等を複合することにより、バリューチェーンを一貫させたサービスモデルの創出を検討します。
3.主な役割分担
・学校法人立命館
地域資源を活用した農業資材の研究環境の整備、有機農業人材の育成プログラム検討
・SOFIX(立命館大学 生命科学部 久保幹教授が設立した企業)
共同研究における幹事企業、SOFIX分析技術の提供、土壌分析・施肥設計のデータベース構築
・NTT西日本G
土壌分析・施肥設計のデジタル化による分析の高度化・高速化の検証、バリューチェーン構築におけるDX推進化の検討、有機農作物の流通・販売方法の検討
・ナガセケムテックス
微生物系資材※5の提供及び微生物資材を用いた有機資材の高度化検証、微生物資材と組み合わせた有機資材の製造・流通・販売方法の検討
・シン・エナジー
バイオマス資材※6の提供及びバイオマス資材を用いた有機資材の高度化実証、有機資材の製造・流通・販売方法の検討
・タックジャパン
畜産系資材の提供及び畜産系資材を用いた有機肥料の高度化実証、有機資材に必要な畜産系資材の効率的な調達方法の検討、有機資材の流通・販売方法の検討
※5 微生物が含まれる土壌改良資材
※6 動植物から生まれた、再生可能な有機資源
4.共同実証期間
2022年10月18日~ 2023年3月31日
5.今後の展開について
滋賀県における本共同実証により得られた事業モデルを活用し、提携パートナーとともに2023年度より社会実装をめざすことで、持続可能な“食と農”の地域循環システムの実現、それに伴う環境負荷軽減(CO2ネットゼロへの貢献)や有機農業従事者の拡大等、バリューチェーン構築による消費者まで含めた課題を解決し、持続的な食料の安定供給と農林水産業の発展に寄与してまいります。
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
農林水産省は、地球温暖化、生産者減少等による生産基盤の脆弱化、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などを背景に、持続的な食料の安定供給と農林水産業の発展を目的とした”みどりの食料システム戦略※2”を推進し、2050年までに日本の耕作地に占める有機農地面積を約25%(100万ha)へ拡大、有機物の循環利用や施肥の効率化・スマート化による化学肥料の使用量30%低減、といった社会の実現をめざしております。
このような中、滋賀県での有機農業における持続可能な地域循環システムの実現に向け、水草・畜産排出物等の地域資源※3を活用した有機肥料の製造・販売、生産者と消費者をつなぐ販路マッチング等の仕組みを検討し、地域資源の有効活用から有機農作物生産、消費に至るまで、循環したバリューチェーンモデルの全国展開に向けた共同実証を行うこととなりました。
※2 農林水産省が推進する生産力向上と持続性の両立をめざした持続可能な食料システム
※3 地域内の人間活動に利用可能な、有形、無形のあらゆる要素
2.共同実証の概要
地域の有機資源から新たな価値を創出し、地域経済の活性化や脱炭素に寄与する”食と農”の地域循環システムの実現には、バリューチェーンにおける各課題解決が必要であり、本共同実証においては以下の事項について検証を行います。
(1)SOFIX分析技術による土壌分析・施肥設計
<めざすべき姿>
SOFIXの分析技術を活用し、土壌や堆肥の状態を数値で視える化することで、勘や経験に頼らない再現性のある農業を実現します。
<実施内容>
・土壌の情報や環境関連データを蓄積し、分析の高度化・高速化を行うことで、分析精度の向上や農家にとって最適な施肥設計を提供できるか検証します。
・ICTを活用した分析業務の効率化を行い、“みどりの食料システム戦略”の推進により増加が見込まれる分析需要に対応できる体制構築を検討します。
(2)地域資源を活用した農業資材の製造・販売
<めざすべき姿>
水草・畜産排出物等の地域資源を活用した、高機能な有機資材※4を提供することで、有機作物栽培における収量と品質の安定を実現します。
<実施内容>
・SOFIX分析技術による土壌診断・施肥設計に基づいた高機能な有機資材の製造方法の確立や、有機資材の元となる地域資源の持続的な供給方法を検討します。
・有機資材を用いた場合の生産量や食味、堆肥コストを従来の手法(慣行農業)と比較することで農家単位での有用性や収益性の向上が図られているか検証します。
※4 農業において肥料として用いられる有機物
(3)地域資源を活用した農作物の流通・販売支援
<めざすべき姿>
化学肥料・農薬の影響が少ない「安全性」、土壌の品質を担保した「信頼度」を付与することで農作物の高付加価値化を図り、生産者と消費者の最適なマッチングを通して有機農業市場の発展を実現します。
<実施内容>
・地域資源を活用したという認証やトレサビリティ、生産工程追跡技術等の活用検討により、農作物の高付加価値化が実現可能か検証します。
・地域資源により栽培した農作物のうち、作物品種・物量・供給時期等の条件が販路側とマッチする農作物を地域のホテル・小売り・学校等、地元事業者を中心に流通・販売可能か、具体的な事業者への意向調査などを実施することで検証します。
(4)地域循環型社会で活躍する有機農業人材の育成
<めざすべき姿>
SOFIX技術や営農データを用いたデジタルコンテンツによる農業教育を通して、新規就農者の増加や既存農家の生産性向上を図り、持続可能な産業を実現します。
<実施内容>
・持続可能な”食と農”の地域循環システムに寄与する新規就農者及び慣行農業から非慣行農業への転換者の拡大に向けた教育・育成プログラム及びその効果・影響を検討します。
・有機農業指導員や既存の有機農業従事者に対する現地指導や研修の実施により、儲かる農業体質への転換サポートが実現可能か検証します。
(5)有機農業バリューチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーション
<めざすべき姿>
地域資源を活用した土づくりから、農作物の流通・販売までのバリューチェーンを、ICTの力で効果的・効率的に結び付け、デジタルトランスフォーメーションをもって食農分野に多彩な価値を創出します。
<実施内容>
・ICTを活用した”食と農”の地域循環システムの構築と全国エリアへ展開する手法について検討し、具体的な社会実装が可能か、またそれがどの程度世の中の有機農業面積の拡大・化学肥料低減に寄与できるか検証します。
・本共同実証により検討した仕組みやモデルに、市場にあるスマート農業サービス等を複合することにより、バリューチェーンを一貫させたサービスモデルの創出を検討します。
3.主な役割分担
・学校法人立命館
地域資源を活用した農業資材の研究環境の整備、有機農業人材の育成プログラム検討
・SOFIX(立命館大学 生命科学部 久保幹教授が設立した企業)
共同研究における幹事企業、SOFIX分析技術の提供、土壌分析・施肥設計のデータベース構築
・NTT西日本G
土壌分析・施肥設計のデジタル化による分析の高度化・高速化の検証、バリューチェーン構築におけるDX推進化の検討、有機農作物の流通・販売方法の検討
・ナガセケムテックス
微生物系資材※5の提供及び微生物資材を用いた有機資材の高度化検証、微生物資材と組み合わせた有機資材の製造・流通・販売方法の検討
・シン・エナジー
バイオマス資材※6の提供及びバイオマス資材を用いた有機資材の高度化実証、有機資材の製造・流通・販売方法の検討
・タックジャパン
畜産系資材の提供及び畜産系資材を用いた有機肥料の高度化実証、有機資材に必要な畜産系資材の効率的な調達方法の検討、有機資材の流通・販売方法の検討
※5 微生物が含まれる土壌改良資材
※6 動植物から生まれた、再生可能な有機資源
4.共同実証期間
2022年10月18日~ 2023年3月31日
5.今後の展開について
滋賀県における本共同実証により得られた事業モデルを活用し、提携パートナーとともに2023年度より社会実装をめざすことで、持続可能な“食と農”の地域循環システムの実現、それに伴う環境負荷軽減(CO2ネットゼロへの貢献)や有機農業従事者の拡大等、バリューチェーン構築による消費者まで含めた課題を解決し、持続的な食料の安定供給と農林水産業の発展に寄与してまいります。
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
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