地域共創推進に向けた「TENGUN Ogijimaプロジェクト」発足
~IOWNで実現されるフォトリアルな「男木島」メタバースによる、関係人口創出・拡大をめざした共同検討を開始~
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と、西日本電信電話株式会社香川支店(所在地:香川県高松市観光通、香川支店長:徳永久雄、以下「NTT西日本」)、特定非営利活動法人男木島生活研究所(所在地:香川県高松市男木町、理事長:福井大和、以下「男木島生活研」)、有限会社ケノヒ(本社:大阪府大阪市淀川区、代表取締役:福井大和、以下「ケノヒ」)は、フォトリアルな「男木島(おぎじま)」メタバースによる関係人口創出・拡大を目的とした「TENGUN Ogijimaプロジェクト」に関する共同検討を開始しました。
本プロジェクトでは、NTTグループが提唱するIOWN構想(※1)で実現される、「低遅延」、「低消費電力」、「大容量・高品質」のネットワーク・情報処理基盤を活用した没入感の高いメタバースにより、離島を中心とした地域の抱える様々な課題解決に取り組んでまいります。
1.背景
出生数・出生率の低下や、大都市圏への経済活動の一極集中にともない、多くの地方都市では、高齢化・人口減少が加速し、地方創生における大きな課題の一つとなっています。特に人の移動や物流に関する制約や、これにともなう介護・見守り/教育等における様々な課題を有している離島地域では、その傾向は顕著であり、ICTを活用した課題解決が強く求められています。
こうした中、NTTグループでは、2019年に発表したIOWN構想のもと、さまざまな価値観を包含した多くの情報をリアルタイムに、かつ公平に分け隔てなく流通・処理させることで、様々な「壁」を超えて、誰もが他者を尊重しあえる豊かで持続可能な共生社会の実現をめざしています。またNTT西日本では、地域活性化に取り組む自治体や企業・組織等の活動をトータルにサポートする「地域創生Coデザイン研究所」を2021年に設立するとともに、西日本管内の各30府県(※2)にて、地域が抱える本質的な課題を探索し、地域のパートナーとともに持続可能な解決策を創出する活動を進めており、香川県では男木島をはじめとする離島地域の存続に向け、ICTを活用した新規事業の創出に取り組んでいます。
一方、男木島生活研/ケノヒでは、離島「男木島」における学習・交流機会の向上や高齢者の見守り支援等について、近隣の自治体や大学と協力しながら、ICTを活用して存続可能な地域社会の実現に取り組んでいます。
2. 取り組み概要
高松港から北に8キロメートルの沖合、瀬戸内海の中央に位置する「男木島」(高松市男木町)は、周囲約4.7キロメートル、人口160名ほどの小さな島で、その約6割が高齢者です。2010年から、3年に一度開催されるアートフェスティバル「瀬戸内国際芸術祭」の会場の一つになって以降、移住者もすこしずつ増えてきています。しかし人口は自然減の状態で、既存の課題に加えてコミュニティの変化にともなう教育や医療等における新しい課題も抱えており、その解決に向けて、地域外の「関係人口」と呼ばれる人材が、地域づくりの新たな担い手になることが期待されています。
このような状況をふまえ、本プロジェクトでは、IOWN構想のもと、NTTで研究開発を進めている3D空間メディア処理技術やAnother Me®(※3)関連技術等を活用して、リアル世界/サイバー世界それぞれの体験をシームレスにつなげることが可能な、新たなコミュニケーション基盤の社会実装により、関係人口の創出・拡大に取り組みます。
ここで「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、その地域に深い情熱や想い、愛着をもち、地域と多様に関わる人々、と一般的に言われています。また地域に対する愛着は、居住年数の長さ等、単に地域とかかわる時間の長さだけでなく、地域での経験の質により規定されることを示唆する先行研究(※4)もあり、サイバー世界であってもリアリティのある体験を提供することで、リアル世界の地域に対する愛着を高めることにつながると考えられます。
そこで今回の取り組みでは、対象地域である「男木島」を、3D点群データに代表される、現地で計測した膨大な情報をもとに、没入感の高いフォトリアルなサイバー空間として再現。本空間を介して、現地の豊かな自然等にも触れながら、島民の方との出会いや交流を促進し、島での生活をリアルに体感してもらうことで、地域外の人の「男木島」に対する情熱や愛着を醸成し、「関係人口」の創出・拡大と、「男木島」をはじめとする離島地域が抱える様々な課題解決をめざします。
3. 各社の役割
NTT:IOWN構想による、リアル世界とサイバー世界の体験をシームレスに連携可能な新たなコミュニケーション基盤の研究開発・社会実装
NTT西日本:新たなコミュニケーション基盤活用による、持続可能な地域実現に向けた課題解決シナリオの共創、社会実装
男木島生活研/ケノヒ:地域の課題・実態を踏まえた活用方法検討への協力、現地実証・実装支援
4. 今後の予定
まず2022年11月16日~18日に開催される「NTT R&D FORUM ― Road to IOWN 2022」(※5)において、「IOWN時代のメタバース」と題して、NTT研究所で研究開発中の、3D空間メディア処理技術等により再構築された、没入感の高い「男木島」メタバースのデモンストレーションを実施します。その後、現地関係者の皆様とともに、本空間の具体的な活用方法を検討後、その可能性や価値・ビジネスモデルの検証を行い、早期の社会実装をめざします。
※1. IOWN構想:「IOWN構想」とは、革新的な技術によりこれまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
URL: https://www.rd.ntt/iown/0001.html
※2. NTT西日本管内の全30府県をさす(富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県及び沖縄県)
※3. Another Me:実在の人をデジタル上に再現した"もう一人の自分"Another Meが、現実世界の制約を超えて本人として社会の中で自律的に活動し、その結果を本人自身の経験として共有することにより、人が活躍し成長する機会を飛躍的に増やすことをめざすビジョン。
URL: https://www.rd.ntt/research/JN202201_16956.html
※4. 引地博之, 青木俊明, 大渕憲一:地域に対する愛着の形成機構―物理的環境と社会的環境の影響―, 土木学会論文集D, Vol.65 No.2, 101-110, 2009.
※5. 「NTT R&D FORUM ― Road to IOWN 2022」公式サイト
URL: https://www.rd.ntt/forum/
本プロジェクトでは、NTTグループが提唱するIOWN構想(※1)で実現される、「低遅延」、「低消費電力」、「大容量・高品質」のネットワーク・情報処理基盤を活用した没入感の高いメタバースにより、離島を中心とした地域の抱える様々な課題解決に取り組んでまいります。
1.背景
出生数・出生率の低下や、大都市圏への経済活動の一極集中にともない、多くの地方都市では、高齢化・人口減少が加速し、地方創生における大きな課題の一つとなっています。特に人の移動や物流に関する制約や、これにともなう介護・見守り/教育等における様々な課題を有している離島地域では、その傾向は顕著であり、ICTを活用した課題解決が強く求められています。
こうした中、NTTグループでは、2019年に発表したIOWN構想のもと、さまざまな価値観を包含した多くの情報をリアルタイムに、かつ公平に分け隔てなく流通・処理させることで、様々な「壁」を超えて、誰もが他者を尊重しあえる豊かで持続可能な共生社会の実現をめざしています。またNTT西日本では、地域活性化に取り組む自治体や企業・組織等の活動をトータルにサポートする「地域創生Coデザイン研究所」を2021年に設立するとともに、西日本管内の各30府県(※2)にて、地域が抱える本質的な課題を探索し、地域のパートナーとともに持続可能な解決策を創出する活動を進めており、香川県では男木島をはじめとする離島地域の存続に向け、ICTを活用した新規事業の創出に取り組んでいます。
一方、男木島生活研/ケノヒでは、離島「男木島」における学習・交流機会の向上や高齢者の見守り支援等について、近隣の自治体や大学と協力しながら、ICTを活用して存続可能な地域社会の実現に取り組んでいます。
2. 取り組み概要
高松港から北に8キロメートルの沖合、瀬戸内海の中央に位置する「男木島」(高松市男木町)は、周囲約4.7キロメートル、人口160名ほどの小さな島で、その約6割が高齢者です。2010年から、3年に一度開催されるアートフェスティバル「瀬戸内国際芸術祭」の会場の一つになって以降、移住者もすこしずつ増えてきています。しかし人口は自然減の状態で、既存の課題に加えてコミュニティの変化にともなう教育や医療等における新しい課題も抱えており、その解決に向けて、地域外の「関係人口」と呼ばれる人材が、地域づくりの新たな担い手になることが期待されています。
このような状況をふまえ、本プロジェクトでは、IOWN構想のもと、NTTで研究開発を進めている3D空間メディア処理技術やAnother Me®(※3)関連技術等を活用して、リアル世界/サイバー世界それぞれの体験をシームレスにつなげることが可能な、新たなコミュニケーション基盤の社会実装により、関係人口の創出・拡大に取り組みます。
ここで「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、その地域に深い情熱や想い、愛着をもち、地域と多様に関わる人々、と一般的に言われています。また地域に対する愛着は、居住年数の長さ等、単に地域とかかわる時間の長さだけでなく、地域での経験の質により規定されることを示唆する先行研究(※4)もあり、サイバー世界であってもリアリティのある体験を提供することで、リアル世界の地域に対する愛着を高めることにつながると考えられます。
そこで今回の取り組みでは、対象地域である「男木島」を、3D点群データに代表される、現地で計測した膨大な情報をもとに、没入感の高いフォトリアルなサイバー空間として再現。本空間を介して、現地の豊かな自然等にも触れながら、島民の方との出会いや交流を促進し、島での生活をリアルに体感してもらうことで、地域外の人の「男木島」に対する情熱や愛着を醸成し、「関係人口」の創出・拡大と、「男木島」をはじめとする離島地域が抱える様々な課題解決をめざします。
3. 各社の役割
NTT:IOWN構想による、リアル世界とサイバー世界の体験をシームレスに連携可能な新たなコミュニケーション基盤の研究開発・社会実装
NTT西日本:新たなコミュニケーション基盤活用による、持続可能な地域実現に向けた課題解決シナリオの共創、社会実装
男木島生活研/ケノヒ:地域の課題・実態を踏まえた活用方法検討への協力、現地実証・実装支援
4. 今後の予定
まず2022年11月16日~18日に開催される「NTT R&D FORUM ― Road to IOWN 2022」(※5)において、「IOWN時代のメタバース」と題して、NTT研究所で研究開発中の、3D空間メディア処理技術等により再構築された、没入感の高い「男木島」メタバースのデモンストレーションを実施します。その後、現地関係者の皆様とともに、本空間の具体的な活用方法を検討後、その可能性や価値・ビジネスモデルの検証を行い、早期の社会実装をめざします。
※1. IOWN構想:「IOWN構想」とは、革新的な技術によりこれまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
URL: https://www.rd.ntt/iown/0001.html
※2. NTT西日本管内の全30府県をさす(富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県及び沖縄県)
※3. Another Me:実在の人をデジタル上に再現した"もう一人の自分"Another Meが、現実世界の制約を超えて本人として社会の中で自律的に活動し、その結果を本人自身の経験として共有することにより、人が活躍し成長する機会を飛躍的に増やすことをめざすビジョン。
URL: https://www.rd.ntt/research/JN202201_16956.html
※4. 引地博之, 青木俊明, 大渕憲一:地域に対する愛着の形成機構―物理的環境と社会的環境の影響―, 土木学会論文集D, Vol.65 No.2, 101-110, 2009.
※5. 「NTT R&D FORUM ― Road to IOWN 2022」公式サイト
URL: https://www.rd.ntt/forum/
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