ブッキング・ドットコム、 2023年版「サステナブル・トラベル」に関する調査の結果を発表
8年目を迎え、過去最大規模となる本年度の調査では、不安定な世界情勢を背景に “コスト削減” vs“サステナブルな旅行”の選択に迫られる旅行者のジレンマが明らかに
【調査結果サマリー】
● 世界の旅行者の76%(日本の旅行者の56%)が「今後1年間において、よりサステナブルに旅行したい」と回答する一方、世界の旅行者の76% (日本の旅行者の75%)が「世界的なエネルギー危機と生活費の高騰が支出計画に影響を及ぼしている」と回答
● 世界の旅行者の半数近い49%の旅行者(日本の旅行者の43%)が「よりサステナブルな旅行はコストがかかりすぎる」と考える一方で、世界の旅行者の43%(日本の旅行者の22%)は「サステナブルな認証を受けた旅行のために追加料金を支払うことをいとわない」と回答
● 旅行者は旅先においても自宅での習慣を意識的に取り入れており、世界の旅行者の67%(日本の旅行者の46%) が「外出時に宿泊施設のエアコンを切る」(2022年比:世界で29%上昇、日本で19%上昇)と回答し 、世界の旅行者の60%(日本の旅行者の34%)が「同じタオルを複数回使用する」(2022年比:世界で25%上昇、日本で20%上昇)と回答
● 全世界の50万軒以上の宿泊施設が、ブッキング・ドットコムの「サステナブル・トラベル」バッジを取得
調査開始から8年目を迎え、過去最大規模となる本年度の調査*では、不安定な世界情勢がサステナブルな旅行に対する旅行者の意思決定にどのような影響を与えているかに焦点を当てました。その結果、旅行者のサステナブルな旅行に対する関心は高いものの、生活費の高騰や気候変動への不安から、サステナブルな旅行を選択するか、それとも旅行費用を削減するかの間で板挟みになっている旅行者のジレンマが明らかになりました。
また、日本の旅行者においては、8割(80%)が「よりサステナブルな旅行をすることは自身にとって重要である」と回答し、世界の旅行者(80%)と同じく高い水準に達しました。一方、「今後1年間において、よりサステナブルに旅行したい」と回答した日本の旅行者は過半数(56%)となり、世界の旅行者(76%)と比較すると、いまだ20ポイントの開きがあるものの、昨年の結果(46%)からは10%上昇しており、日本においてもサステナブルな旅行への関心が年々高まっていることがうかがえる結果となりました。
■不安定な世界情勢におけるサステナビリティとコスト削減での葛藤
昨年以降、経済情勢が急激に変化したことによって、生活費の高騰と気候変動という2つの問題が注目されています。気候変動においては、世界の旅行者の74%(日本の旅行者の48%)が「次世代のために地球を守るには、今すぐ行動し、よりサステナブルな選択をする必要がある」と回答しています。さらに、世界の旅行者の4分の3以上である76%(日本の旅行者の56%)が、「今後1年間において、よりサステナブルに旅行したい」と回答し、昨年の調査と比較すると旅行者のサステナビリティへの意識が高まっている(2022年比:世界で5%上昇、日本で10%上昇)ことが明らかになりました。
一方で、世界の旅行者の49%(日本の旅行者の43%)が「よりサステナブルな旅行はコストがかかりすぎる」と回答し、また、世界の旅行者の76%(日本の旅行者の75%)が「世界的なエネルギー危機と生活費の高騰が支出計画に影響を及ぼしている」と回答していることから、旅行者はサステナブルな選択をしたいものの、旅行費用の削減も余儀なくされているため、どちらかを優先し、選択しなければならないというジレンマに陥っているいることがうかがえます。
そのような葛藤を感じる中、多くの旅行者はサステナブルな旅行を選択するにあたって特典を求めており、意識的な選択をする交換条件として、節約ができたり、インセンティブをもらえたりすることの必要性が浮き彫りとなっています。世界の旅行者の半数近い49% (日本の旅行者の31%)が「エコフレンドリーな旅行の選択に対する割引や経済的なインセンティブが欲しい」(2022年比:世界で12%上昇、日本で22%上昇)と回答し、世界の旅行者の42%(日本の旅行者の39%)が「よりサステナブルな選択をすることに対して、オンライン予約サイトを通じて付与される特別な無料特典や割引に換えられるポイントがあれば、よりサステナブルな旅行をするきっかけになる」と回答しています。
■変化を促進するための障壁の克服には選択肢がカギに
よりサステナブルな旅行のハードルとなっているのは、費用面だけではなく、限られた情報や可視化されている選択肢の少なさなども挙げられます。実際、世界の過半数(51%)の旅行者(日本の旅行者の54%)が「サステナブルな旅行の選択肢の数が十分にない」と回答しており、世界の旅行者の74%(日本の旅行者の53%)が「よりサステナブルな旅行の選択肢を旅行会社に提供してほしい」(2022年の世界66%、日本43%からそれぞれ上昇)と回答しています。
しかし、サステナブルな選択をする意欲があっても、世界の旅行者の44%(日本の旅行者の53%)は「よりサステナブルな選択肢をどこで見つけたら良いのかわからない」と回答しており、情報の発信がまだ足りないことがうかがえます。例として、世界の75%の旅行者(日本の53%の旅行者)が「現地の文化を代表するような本格的な体験を楽しみたい」と回答している一方で、世界の旅行者の40%(日本の旅行者の47%)が「現地のコミュニティに還元できるツアーやアクティビティをどこでどう探せばよいかわからない」と回答しています。
■旅先で取り入れる、小さなサステナビリティの習慣
様々な障壁があるにも関わらず、世界の旅行者の5人に4人(80%)が「よりサステナブルな旅行をすることは自身にとって重要である」と回答しています。また、日本の旅行者も世界と同じく、80%という高い水準となり、環境に配慮したサステナブルな旅行への強い関心があることがうかがえます。
実際に、世界の旅行者の68%(日本の旅行者の54%)がエコバッグを使用し、世界の旅行者の64%(日本の旅行者の50%)がごみをリサイクルし、世界の旅行者の58%(日本の旅行者の45%)がマイボトルを持ち歩いているという結果から、旅行者は、よりサステナブルな未来を推進するために、自宅や旅先で積極的に小さな一歩を踏み出すことで意思を行動に移していることがわかりました。この1年間で旅行者が旅先でも日常的な習慣を取り入れる割合が大幅に増加しています。
●世界の67%の旅行者(日本の46%の旅行者)が外出時に宿泊施設のエアコンを切っています(2022年比:世界で29%上昇、日本で19%上昇)
●世界の旅行者の60%(日本の旅行者の34%)が同じタオルを複数回使用しています(2022年比:世界で25%上昇、日本で20%上昇)
●世界の旅行者の55%(日本の旅行者の25%)が持参したマイボトルを使用しています(2022年比:世界で19%上昇、日本で20%上昇)
また、世界の旅行者の77%(日本の旅行者54%)は「外出中に宿泊施設の照明と電化製品を消す」とし、世界の旅行者の45%(日本の旅行者の23%)は「旅先でゴミをリサイクルする」と回答しています。さらに移動手段に関しては、世界の旅行者の43%(日本の旅行者の36%)が「徒歩、自転車、公共交通機関を利用できるように観光計画を立てた」と回答し、同じく世界の旅行者の43%(日本の旅行者の37%)が「混雑を回避するためにピークシーズン以外の時期に旅行した」と回答しました。また旅行者の間では、旅行中に「現地で購入しよう」という考えが一般的となりつつあり、世界の旅行者の43%(日本の旅行者の22%)が「小規模の独立系店舗を優先した」と回答しました。
■サステナビリティの信頼性と信憑性
世界の旅行者の66%(日本の旅行者の56%)は「訪れた場所をより良い状態にして帰りたい」と回答しており、気候変動への不安が高まる中、宿泊施設から移動手段の選択にいたるまで、旅行者がより責任ある消費者になりつつあることは間違いありません。世界の旅行者の65%(日本の旅行者の52%)は「宿泊施設がサステナブル認証やラベルを取得済みだとわかった場合、その宿泊施設での滞在についてより好ましく感じる」と回答し、世界の旅行者の59%(日本の旅行者の35%)は「次回予約を行う際はサステナブル認証を受けた宿泊施設を絞り込んで検索したい」と回答し、さらに世界の旅行者の43%(日本の旅行者の22%) は「サステナブルな認証を受けた旅行のために追加料金を支払うことをいとわない」と回答したことから、旅行者は信頼できる認証があることを重要視していることがわかります。
また今後は、「サステナビリティを推進するブランドを常に探している」(世界:30%、日本:16% )、「環境に優しいLED照明やデュアルフラッシュトイレなど、特定の選択肢が他のものよりもサステナブルであると認識されている理由について詳しく知りたい」(世界:69%、日本:45%)と回答する意識の高い旅行者の期待に応えていくと同時に、「サステナブルと謳われている旅行の選択肢が、実際にサステナブルだとは信じていない」という回答者(世界:39%・日本:28%)に対しては、信頼を得るために、旅行業界ではさらなる情報発信を行い、大きく前進することが必要となります。
■すべての旅行者が、より簡単にサステナブルな選択ができるように
2021年11月に運用を開始したブッキング・ドットコムの「サステナブル・トラベル」プログラムは、1周年を迎えてからも新たな機能や取り組みを追加しています。詳細は以下の通りです。
●旅行者は、世界95都市で「100%電気自動車」タグを使って、環境に優しいタクシーを検索・予約できるようになりました。
●フライトによる環境への影響についての透明性を高めるために、さまざまなオプションの二酸化炭素排出量を比較できるほか、近々、特定のルートや航空会社が他と比べて排出量の少ないオプションを提供していることを示すタグが表示されるようになります。
●ロンドン、アムステルダム、バンコク、メルボルンを含む世界47都市の宿泊施設を予約すると、公共交通機関のチケット購入のオプションが提供されます。
ブッキング・ドットコムのCEOであるグレン・フォーゲルは、次のように述べています。
「旅行需要が回復傾向にある一方で、生活費の高騰や気候変動への不安から、より低予算かつ地球に優しい選択肢を求める声が高まっています。旅行は良い影響を持ち得るものであり、旅行者自身がさらにサステナブルな旅行の習慣を取り入れたり、責任ある体験を求めたりすることで変化を起こすことができることを証明しています。ブッキング・ドットコムでは、皆様の声に耳を傾け、業界全体のパートナーと協力して、旅行者へのサポートと地域社会や環境の利益のために常にポジティブな変化の先頭に立つことを目指して、旅行のあらゆる側面について見直しています。よりサステナブルな旅行は世界への投資でもあります。ブッキング・ドットコムは、サステナブル・トラベルの実現における道のりのどこにいても、すべての人がより環境に配慮した責任ある方法で世界を体験できるよう尽力してまいります。」
ブッキング・ドットコムによる「サステナブルトラベルレポート2023」の全文(日本語)は https://news.booking.com/ja からダウンロードいただけます。
調査方法
*本調査はブッキング・ドットコムによって、世界35の国と地域の33,228名の回答者(内訳:アメリカ1,019名、カナダ1,002名、メキシコ1,007名、コロンビア1,005名、ブラジル1,008名、アルゼンチン1,015名、オーストラリア1,008名、ニュージーランド504名、スペイン1,008名、イタリア1,002名、フランス1,008名、スイス502名、イギリス1,008名、アイルランド1,000名、ドイツ1,008名、 オランダ006名、ベルギー1,006名、デンマーク1,004名、スウェーデン1,007名、クロアチア1,016名、イスラエル1,012名、UAE504名、インド1,012名、中国1,001名、香港1,000名、タイ1,000名、シンガポール1,020名、台湾1,001名、ベトナム1,000名、インドネシア1,002名、フィリピン1,007名、韓国1,002名、日本1,009名、南アフリカ1,005名、ケニア510名)を対象に独自に行われたものです。調査に参加した回答者の条件は、次の通りです。18歳以上であること、直近12カ月間に1回以上旅行をしたこと、2023年に旅行を計画していること、旅行に関する意思決定を行う立場にあるか、または意思決定に関与していること。本調査は2023年2月、オンラインで実施されました。
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Booking.comについて
1996年にアムステルダムにて設立され、Booking Holdings Inc.(NASDAQ:BKNG)の一員として、「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げています。多種多様な宿泊施設と移動手段を簡単かつワンストップで予約ができるプラットフォームを通して、世界中のお客様に思い出に残る体験を提供しています。詳細については、ブッキング・ドットコムの公式SNSアカウント (@bookingcom_jp)、もしくは https://news.booking.com/ja をご覧ください。
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