共働き時代の時間術:「同時調理」検索が過去10年で3.5倍に!クックパッド
女性就業率8割、食事管理の最適化に向かう家庭の実践
利用者数No.1レシピサービス「クックパッド」を運営するクックパッド株式会社は、「同時調理」レシピの検索動向を調査しました。調査の結果、共働き世帯を中心に、複数の料理を同時に作る「同時調理」が実践的なソリューションとして急速に広がっている実態が明らかになりました(※1)。
共働き世帯は 2022年に7割を超え(※2)、25〜54歳女性の就業率は過去10年で約10ポイント上昇、今や8割を超えています(※3)。共働き化に伴い、毎日の食事づくりに使う時間は1日平均で短縮されました(※4)。こうした時間制約の中で、複数の料理を同時に作る「同時調理」という工夫が急速に広がっています。クックパッド内での「同時調理」検索は過去10年で3.5倍以上に成長。特に30代〜50代層からの検索が顕著であり、仕事と家事の両立を図る世帯の現実が表れています。

■要約
・共働き家庭が7割を超え、女性の就業率は2015年から2024年で約10%上昇し25~54歳で80%以上に
・共働き世帯における食事管理時間が短縮される一方、質の高い食事ニーズは継続
・クックパッド内「同時調理」検索は過去10年で3.5倍以上に成長
・検索の増加は30代〜50代世代において顕著
・企業も「同時調理対応」商品を開発・販売
■共働き時代:家事時間の最適化が進む

総務省統計局「労働力調査」のデータによると、日本の就業率は着実に上昇し続けており、共働き世帯は2022年に7割を超え、特に30代〜50代の年齢層で上昇が顕著です。家事と仕事の両立支援が社会的課題として認識されています。
25~34歳女性の就業率は、2015年の72.1%から2024年には83.5%に達しました。この9年間で11.4ポイントの上昇です。35~44歳女性の就業率も71.2%から80.4%へ上昇(+9.2ポイント)しています。共働きがもはや一般的になった時代に、日本の家庭は直面しています。その一方で、家事分担の構造的な改善が十分に進まないまま、家事時間が圧縮されている実態も浮き彫りになっています。
総務省「社会生活基本調査」によると、25~54歳女性の毎日の食事管理時間(準備・片付け)は、2016年の106.7分から2021年には87.3分へと19分短縮されました。共働き化による時間制約の中で、家庭は効率的かつ質の高い食事をいかに実現するかという課題に直面しています。
■「同時調理」検索が映す、共働き世帯の現実
仕事と家事の両立という時間制約の中で、多くの世帯が求めているのが、効率的で美味しい調理方法です。複数の料理を同時に進める「同時調理」は、そうしたニーズに応えるソリューションとなっています。クックパッド内での「同時調理」というキーワードの検索インデックスを追うと、その上昇は顕著です。2015年から2025年10月までの10年間で、検索は3.5倍以上に成長しています。前年比で93%の伸びを記録した2020年以降、「同時調理」への関心は下がることなく継続し、2024年から2025年にかけてさらなる加速傾向を見せています。
この上昇は一過性のブームではなく、家庭調理における構造的な変化を示唆しています。共働き化による時間制約、それに伴う食事管理時間の短縮という社会構造の変化が、検索行動に反映されていると考えられます。
【年代別で見える、時間制約層の姿】

クックパッド内の検索ログを年代別に分析すると、その特性は一層鮮明です。30代~50代世代が同時調理検索の中心層となっており、特に30代女性の検索率は20代女性の7倍以上。これは、30代〜50代世代において、時間制約が特に大きく、効率的な調理法へのニーズが高いことを示唆しています。20代の検索数は減少傾向が続いており、ライフステージの違いによる関心の差が反映されているものと考えられます。
■食卓のソリューション:クックパッド内「同時調理」レシピの広がり
クックパッドには、ユーザーの投稿による多くの「同時調理」レシピが集まり、実際に家庭で実践されている多様な調理法による同時調理が広がっています。調理器具としては、オーブン、せいろ、炊飯器、フライパンなど、幅広い器具が役立っています。
オーブンを活用した同時調理では、フライパンでの長時間のかき混ぜを避けながら、複数のおかずを一度に調理できます。「照り焼きチキンとチーズきのこリゾット」は、鶏肉とリゾットをオーブンで同時調理し、主な材料は鶏肉、米、きのこ、にんじんのみでコスパも良好。ほったらかし調理で手間を削減しながら豪華な献立が実現しています。
せいろを活用した蒸し調理も、同時調理の実践的な手法として注目を集めています。「せいろ活用スタミナ蒸しそば」は、キッチンハサミをつかえば包丁を使わずに調理が可能です。また、一段で麺、野菜、卵を蒸すだけで一食分が完成します。せいろレシピは、健康的で効率的な調理法として認知されるようになり、特に検索が伸びています。
炊飯器を活用した複数品同時調理も一般的です。米を炊きながら別の調理を同時進行させる工夫です。「ふっくら柔らかいあなご煮」は炊飯器でご飯と一緒に炊くだけで完成。「炊飯器で3品同時調理 チキンの献立」など、忙しい日でも炊飯器にセットすれば複数品が同時に完成します。
朝食準備でも活用が広がっており、「朝ごはんに!トーストとハートの目玉焼き」のように、フライパンでトーストを焼きながら同時に目玉焼きを調理。焼いている間にサラダを盛ったり、時短が実現しています。
■クックパッドで人気の「同時調理レシピ」
クックパッド内の実践的な同時調理レシピ事例を紹介します。

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■企業も注目「同時調理対応」をうたう商品も増加
この市場ニーズは、家庭用品メーカーや調理器具企業の商品戦略にも反映されています。
特に、せいろ、仕切りフライパン、センサー付きオーブンといった調理器具が人気を伸ばしており、これらは複数品を同時調理できる設計を特徴としています。
センサー付きオーブンは、赤外線・湿度・温度を感知する3つのセンサーを搭載し、料理に合わせて自動で加熱時間を調整。レンジあたためもオーブン調理も2品同時に行えるため、調理の手間を削減できます。調理器具メーカーからも、おかずとスープを同時に調理できるフライパンが売りに出されています。
効率化と同時調理の実践的な方法を提案するレシピ本も出版されており、「同時調理」がもはや一部の工夫ではなく、広く認識された家庭調理の戦略となったことを示しています。
■クックパッドが見る、働く人たちの姿
共働き化と食事づくり時間の短縮という社会構造の変化は、単なる統計数値ではありません。それは、毎日、仕事と家事を両立させようとする人たち一人ひとりの選択と工夫の積み重ねを意味しています。
クックパッドのユーザーは、限られた時間の中で「おいしい食事を、楽しみながら」作ろうとしています。その現実から生まれたのが「同時調理」というソリューションです。複数の料理を同時に進める工夫は、単に「時短」ではなく、「効率と充足感のバランスを、自分たちのペースで実現する」という働く人たちの実践的な知恵を示しています。
クックパッドは、こうした効率を考える人たちのニーズにも応えるべく、みなさまがレシピを通して知恵を伝えられるよう、「毎日の料理を楽しみにする」環境づくりに貢献してまいります。
■詳細資料について
本リリースに関する企業事例(商品概要)および統計データ(女性就業率推移、食事管理時間の推移)は、別添資料に掲載しております。背景情報としてご活用ください。
【クックパッドについて】
クックパッド株式会社は「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げる、料理とテクノロジーの会社です。日本を含む世界67カ国・地域、26言語で展開する料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」、料理のAIコーチングサービス「moment」、生鮮食品オンライン市場「クックパッドマート」などを運営しています。私たちは料理を通じて、ヒト、社会、地球の豊かな未来を目指します。
社名 : クックパッド株式会社 https://info.cookpad.com
本社所在地 : 〒153-0044 東京都目黒区大橋2-22-44
代表執行役:佐野 陽光(さの あきみつ)
資本金 : 50,000千円(2025年3月末)
設立年月日 : 1997年10月1日
従業員数 : 105人(2025年3月末 連結ベース)
主要事業 : 毎日の料理を楽しみにする事業
※1「たべみる」 について
・クックパッドの食の検索データサービス「たべみる」
利用者数No.1の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行えます。
・「たべみる」データご利用時は、以下クレジットのご掲載をお願いします。
※使用ツール:クックパッド 食の検索データサービス「たべみる」 ※SI値:Search Indexの略で、1000回あたりの検索頻度です
※2 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」
※3 総務省統計局「労働力調査」
※4 食事管理時間:総務省統計局「社会生活基本調査」(2016年・2021年データ)
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