日本農芸化学会2022年度大会で「農芸化学女性企業研究者賞」を受賞
~「シチコリン」の用途開発研究に高い評価~
キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)のキリン中央研究所(所長 吉田有人)は、脳や神経細胞にある細胞膜を維持する体内成分である「シチコリン」が記憶力全般を改善し、特にエピソード記憶※1を改善する可能性があることを発表しました。この研究成果が評価され、同研究所の中﨑瑛里は、公益社団法人日本農芸化学会2022年度「農芸化学女性企業研究者賞」を受賞しました。授賞式は3月15日(火)に日本農芸化学会2022年度大会(オンライン開催)にて行われます。
※1 年単位にわたり長期間保管される「長期記憶」の一つで、個人的な経験に基づく出来事とそれに付随する情報の両方が記憶されていることを特徴とする。
※1 年単位にわたり長期間保管される「長期記憶」の一つで、個人的な経験に基づく出来事とそれに付随する情報の両方が記憶されていることを特徴とする。
なお、本研究はキリンホールディングスの子会社である協和発酵バイオ株式会社(社長 神崎夕紀)が製造した「シチコリン」を使用して行われ、成果を見いだしました※2。キリンホールディングスでの「農芸化学女性企業研究者賞」の受賞は2020年に続いて2回目となります。
※2 本臨床試験で使われたシチコリンは、米国で食品用途として許可を受けたものです。これらの記述は、米国食品医薬品局および日本の厚生労働省による評価を受けたものではありません。日本では、シチコリンは食品や飲料への使用が認められていません。
●受賞者
キリンホールディングス株式会社 中﨑 瑛里
●受賞研究題目
機能性食品としてのシチコリンの用途開発研究
●研究の概要
キリングループでは、微生物の発酵を生かした、医薬品原料や食品成分の効率的な生産技術を開発すると共に、その物質の健康機能を探索し評価しています。これまでの研究において、健常人における「シチコリン」の効能は、脳機能の中でも「何かに気を付ける」機能である“注意力”に限定するものでした。
一方で、一般的な加齢に伴う不調としては、脳機能の中でも「何かを思い出す」機能である“記憶力”に悩みを抱える高齢者が多く、記憶をサポートする食品への展開を後押しする技術が求められていました。
本研究では、加齢による記憶力の低下(Age Associated Memory Impairment: AAMI)を持つ健常高齢者男女を対象に、「シチコリン」の記憶力へ与える影響を評価しました。その結果、「シチコリン」を12週間摂取することで、AAMIである健常高齢者男女の記憶力全般が向上することを確認しました。さらに、記憶力の中でも特に、高齢期になると低下しやすいと言われるエピソード記憶に関する値が向上することが判明しました。この結果は、「シチコリン」が記憶力をサポートする健康機能食品素材として活用し得ることを示す、科学的エビデンスといえます。
本研究での発見は、「シチコリン」の用途に新たな選択肢を増やし、脳機能の改善に対するお客様のさまざまなニーズに応えることが可能になるものです。
●受賞者のコメント
キリンホールディングス株式会社 R&D本部 キリン中央研究所
中﨑 瑛里
●日本農芸化学会について
農芸化学分野の基礎および応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学術団体です。1957年に文部省の認可によって社団法人となり、2012年3月1日付けで公益社団法人へ移行しました。
バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される本学会は、国際活動の推進、国際学術集会開催の積極的支援を実現し、実用性と応用性を基盤とする農芸化学の重要性を広く紹介しています。
●「農芸化学女性企業研究者賞」について
「農芸化学女性企業研究者賞」は、公益社団法人「日本農芸化学会」によって、企業において農芸化学分野の研究あるいは商品開発における顕著な成果に貢献した女性正会員に授与されるものです。
キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」において、「食領域」と「医領域」に加え、長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)を立ち上げ、育成してきました。中でも「脳機能」領域においては、「シチコリン」に加え、キリンが開発した「βラクトペプチド」、「熟成ホップ」の研究や、これらの素材を活用した商品化を進め、CSV※3経営において重要な「健康」という社会課題解決に取り組んできました。
※3 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
<参考>
「シチコリン」が、健康な高齢者の記憶力向上をサポートすることを発見!
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/0629_01.html
※2 本臨床試験で使われたシチコリンは、米国で食品用途として許可を受けたものです。これらの記述は、米国食品医薬品局および日本の厚生労働省による評価を受けたものではありません。日本では、シチコリンは食品や飲料への使用が認められていません。
●受賞者
キリンホールディングス株式会社 中﨑 瑛里
●受賞研究題目
機能性食品としてのシチコリンの用途開発研究
●研究の概要
キリングループでは、微生物の発酵を生かした、医薬品原料や食品成分の効率的な生産技術を開発すると共に、その物質の健康機能を探索し評価しています。これまでの研究において、健常人における「シチコリン」の効能は、脳機能の中でも「何かに気を付ける」機能である“注意力”に限定するものでした。
一方で、一般的な加齢に伴う不調としては、脳機能の中でも「何かを思い出す」機能である“記憶力”に悩みを抱える高齢者が多く、記憶をサポートする食品への展開を後押しする技術が求められていました。
本研究では、加齢による記憶力の低下(Age Associated Memory Impairment: AAMI)を持つ健常高齢者男女を対象に、「シチコリン」の記憶力へ与える影響を評価しました。その結果、「シチコリン」を12週間摂取することで、AAMIである健常高齢者男女の記憶力全般が向上することを確認しました。さらに、記憶力の中でも特に、高齢期になると低下しやすいと言われるエピソード記憶に関する値が向上することが判明しました。この結果は、「シチコリン」が記憶力をサポートする健康機能食品素材として活用し得ることを示す、科学的エビデンスといえます。
本研究での発見は、「シチコリン」の用途に新たな選択肢を増やし、脳機能の改善に対するお客様のさまざまなニーズに応えることが可能になるものです。
●受賞者のコメント
キリンホールディングス株式会社 R&D本部 キリン中央研究所
中﨑 瑛里
我々は、「シチコリン」の健康機能性研究を継続して発展させ、その活用の可能性を広げてきました。既に米国を中心として「シチコリン」を含む健康食品が多数展開されています。研究成果を積み重ねることにより、食から医の幅広い領域で、「シチコリン」が世界中の人々にとって脳の健康に役立つ素材として、広く活用されることを願っています。今後も、食品成分の健康機能を解き明かすという研究を通して、世界中の人々の健康に貢献していきたいと考えています。
●日本農芸化学会について
農芸化学分野の基礎および応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学術団体です。1957年に文部省の認可によって社団法人となり、2012年3月1日付けで公益社団法人へ移行しました。
バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される本学会は、国際活動の推進、国際学術集会開催の積極的支援を実現し、実用性と応用性を基盤とする農芸化学の重要性を広く紹介しています。
●「農芸化学女性企業研究者賞」について
「農芸化学女性企業研究者賞」は、公益社団法人「日本農芸化学会」によって、企業において農芸化学分野の研究あるいは商品開発における顕著な成果に貢献した女性正会員に授与されるものです。
キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」において、「食領域」と「医領域」に加え、長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)を立ち上げ、育成してきました。中でも「脳機能」領域においては、「シチコリン」に加え、キリンが開発した「βラクトペプチド」、「熟成ホップ」の研究や、これらの素材を活用した商品化を進め、CSV※3経営において重要な「健康」という社会課題解決に取り組んできました。
※3 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
<参考>
「シチコリン」が、健康な高齢者の記憶力向上をサポートすることを発見!
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2021/0629_01.html
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