ストレスチェック義務化10年の現状に関する調査を実施 来たる50名未満の事業場への実施義務化も約7割が「肯定的」
~ 小規模事業場の課題は「従業員の理解」や「セキュリティの確保」 ~
株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、ストレスチェック義務化から丸10年の節目に、企業・団体の実施状況や課題を把握するためのアンケートを実施いたしました。今後は50名未満の事業場も含め、ストレスチェックが義務化される見込みです。そうした動きも踏まえ、2025年11月から12月にかけて当社メールマガジン会員に向けてアンケートを行い、有効回答数200名の結果から以下が明らかとなりました。
■調査サマリー
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ストレスチェック結果の集団分析は8割超が実施。次いで相談窓口の設置は6割と過半数を超える。
一方で、相談窓口については「存在は認知されているが、あまり利用されていない」との回答が6割超となり、利用促進における課題も浮き彫りになっている。
また500名未満の企業・団体においては500名以上と比較し、全体的に施策実施率が低い傾向にある。
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ストレスチェック実施「前」の課題について「担当者の事務負担が多い」が最も多く挙げられる。次いで「従業員の理解が進まない」と続く。同項目において500名未満の企業・団体では500名以上と比較し、約10ポイント高い。
「経営層の意識」への課題については500名以上の企業・団体が500名未満と比較し、10ポイント高い。重要性を認知しているからこそ周囲との“差”を顕著に感じていることが推察される。
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ストレスチェック実施「後」の課題については「高ストレス者のフォロー」が最も多く挙げられる。
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ストレスチェックに含めている項目として、「ハラスメント」や「エンゲージメント」がともに4割を超える。義務化となっているストレスチェックに絡めて他の調査も実施していることがうかがえる。
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50名未満の事業場におけるストレスチェック義務化について、対象企業・団体の約7割が「肯定」している。50名未満の事業場をもつ企業・団体は、公平性の観点からすでに実施しているケースも多い。
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自社のストレス・メンタルヘルスの状態における経年変化について、4割は「改善している」と回答した一方、約4.5割が「変わらない」と回答している。
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ストレスチェック義務化10年を経て、必要性についての理解は示されながらも、制度や体制に関する疑念や課題が残る。また、課題に対する効果的な打ち手については改善の余地がある。
■調査概要
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調査目的 実施の義務化10年を迎えたストレスチェックの実態や課題を把握する
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実施期間 2025年11月18日(火)~12月10日(水)
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回答者 当社メールマガジンに登録している企業・団体の人事労務ご担当者 200名(有効回答数)
■結果詳細
*一部抜粋となります。
1.義務化項目(ストレスチェック、医師面接)以外に実施したこと(n=190)
*前問で「ストレスチェックを実施した」を選択した回答者

2.相談窓口の利用状況(n=114)
*前問で「カウンセリングなど相談窓口の設置、利用促進」を選択した回答者

3.ストレスチェック実施「前」の準備における課題(n=190)

4.ストレスチェック実施「後」の対応における課題(n=190)

5.ストレスチェック義務化項目以外で調査票に含めている項目(n=190)

6.50名未満の事業場に対するストレスチェック義務化に対する所感(n=150)
*50名未満の事業場を有している回答者に限定

(肯定的な意見)
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現在50名以下の事業場も含めて100%実施している。小規模であっても健康施策は公平に展開されるべき。
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実施する趣旨としては肯定的であるが、実施者側の理解が不足すると、単にやるだけになる懸念や個人情報が保護されない可能性がある。
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むしろ少人数の事業所の方が顕在化していない問題があると考えているため。
(否定的な意見)
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個人情報の取り扱いが難しい。
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事業者側は集団分析の数値に一喜一憂するのみで、制度の理念などの理解が得られていない。有効性も不明瞭な制度を広めるのには、非常に疑問。
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ストレスチェックは母集団が小さいほど一人当たりの回答に係る偏りが大きく出るから。
7.ストレスチェック後の経年変化(n=190)

8.ストレスチェックについて思うこと(自由回答)
(好意的な評価)
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ストレスが発生する環境条件に大きな変化をもたらすことは難しいが、ストレスの度合いを測る重要な機会。
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経営層から質問があったり、フィードバックの質問がかなり増えた。
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導入直後よりも組織の状態把握を意識する部門長が増え始めてきた。
(調査について)
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全面Webでの実施にしてから、高年齢者層従業員の回答率が悪い。
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質問が簡素であり、正確な判定ができるのか疑問。質問内容に改善の必要を感じる。
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人事異動の手段として、結果が悪くなるよう恣意的な回答をするケースも少なからず認識している。
(結果の活用について)
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ストレス状態が要注意な社員ほど、取り組みに非協力的である。
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高ストレス者が固定化している傾向があるものの、医師面談は受けないため、潜在的な高ストレス者への対応が放置されている。
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個人情報の観点もあり有意義に活用できておらず、そのため従業員も徐々に真剣に答えようとしなくなる。
(体制について)
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経営陣は「自分たちが関わる必要はない」「事業場の責任者が考えるべきこと」と思っていて、彼らの意識醸成が必要。
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産業保健スタッフや担当部署の人員不足で改善まで手が回らない。
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集団分析後の改善策を、現場に丸投げする状態になってしまっている。
(制度について)
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基本理念である「セルフケア」には目もくれず、集団分析データに明け暮れて膨大な工数をかけているのが、非常に嘆かわしい。
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当然個人情報も極めて重要だが、法でがんじがらめに縛りつけて、結果を産業保健担当者が扱いにくいような今のシステムでは上っ面の改善しかできない。
■まとめ
ストレスチェック義務化から10年が経過し、多くの企業で制度は定着しているものの、事務負担の大きさや相談窓口の利用低迷、高ストレス者フォローの難しさといった課題は依然残っています。特に今後義務化の対象となる小規模事業場では負担感が大きく、運用制体の強化が求められます。これらに対しては、外部資源の活用やデジタル化による業務効率化支援など、「無理なく継続できる運用モデル」の整備も検討していく必要があります。
また、10年間の運用を通じてメンタルヘルスの改善を実感する企業がある一方で、「変わらない」とする回答も多く、施策の実効性向上や継続的なフォローアップ体制の構築が重要であるといえます。
「ハラスメント」や「エンゲージメント」などストレスチェック義務化項目以外の調査も同時に行われているケースも増えていることから、今後は調査項目の在り方に加え、複合的な調査における結果の読み解き方についてもより一層のニーズが高まるものと考えています。
当社もサービスの提供を通じて情報の集約や分析のDX化を支援してまいります。
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*ストレスチェックの実施時期、従業員一人当たりの価格、使用している調査票、実施した職場改善施策の回答結果等もご紹介しています。
■関連サービス

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長年培ってきたメンタルヘルスケア領域での専門性とグループアセットを基盤に、株式会社Mediplat(メディプラット)が提供する産業保健支援プラットフォーム「first call」の機能を活用し、ストレスチェックサービス【厚生労働省推奨の職業性ストレス簡易調査票(57項目)】の無償提供を行っています。
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株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:鳥越 慎二)
https://www.armg.jp/
1995年、休職者の所得を補償する保険「GLTD(団体長期障害所得補償保険)」専業代理店として創業。
2002年より、日本で初めてストレスチェックを取り入れた、予防のためのEAP(従業員支援プログラム)サービスの提供を開始し、周辺領域へと事業を拡大。
現在は、EAPや研修・ソリューション、健康経営支援を軸とする「メンタリティマネジメント事業」、病気・ケガ、出産・育児、介護による休業・復職支援や仕事との両立支援を軸とする「就業障がい者支援事業」、個人向け保険販売を軸とする「リスクファイナンシング事業」を展開。
従業員の「ウェルビーイング」、「ハピネス」向上を掲げ、今後は福利厚生アウトソーシングや労務管理支援、組織活性のためのツールなどへと事業拡大。各種サービスのDX化を推進し、効果につながるプラットフォームとソリューションをより多くの企業に提供しウェルビーイング領域における圧倒的地位を目指す。
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