簡単時短で家族で作れる「包まない」検索が10年で6倍に|クックパッド
子供も参加できて家族が楽しい「包まない」料理、土曜5時の定番に
利用者数No.1レシピサービス「クックパッド」を運営するクックパッド株式会社は、「包まないシュウマイ」「包まない餃子」などの「包まない」レシピの検索動向を調査しました。2015年から2025年の10年間で検索が約6.1倍に増加し(※1)、特に土曜日の17時にピークを迎えています。共働き家庭が時間に追われる中でも、週末は「家族で一緒に作ることができる食事」を求めている実態が表れています。

■要約
・共働き世帯が7割を超え、家庭の食事管理時間は2016年から2021年で10分短縮(※2)
・「包まないシュウマイ」「包まない餃子」の検索が2015年から2025年で約6.1倍に増加、2024年以降さらに加速
・ユーザーコメント分析で、「簡単」重視から「家族と」「子どもと」などの関係・共有重視へシフト
・親子で参加でき、失敗が少ない調理法が、週末の「家族行事」として定着
■親子時間への想い:限られた時間の中で、子どもと一緒に作る経験を
共働き増加による時間短縮は、単なる調理時間の効率化ではありません。それは、親たちが「何に時間を使うか」という選択を迫られていることを意味しています。エンタメやレジャーにかけられる予算も限定される中、家庭内で「子どもと一緒に作る経験」という価値が相対的に高まっています。
失敗が少なく、子どもが参加でき、親子で笑顔になれる調理法への需要は、単なる「時短ツール」ではありません。共働きで忙しい日々だからこそ、週末は家族で一緒に楽しく過ごしたいという気持ちの表れが、「包まない」という知恵の活用につながっています。
■共働き時代:家事と調理の時間は効率化へ
総務省統計局「労働力調査」によると、共働き世帯は2022年に7割を超えています(※2)。一方で、家庭の食事管理時間は短縮されています。総務省「社会生活基本調査」によると、仕事を持つ25~54歳の食事管理時間(準備・片付け)は2016年と2021年で以下のとおりです(※3):
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男性: 7分(2016年)→ 11分(2021年)
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女性:75分(2016年)→ 61分(2021年)
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合計:82分(2016年)→ 72分(2021年)
家庭全体の食事管理時間は約10分短縮されており、共働き化に伴う時間制約の中で、家庭は効率的かつ質の高い食事をいかに実現するかという課題に直面しています。
■文化的背景:「家族で一緒に作る」という価値
中国の北方地域では、大晦日に家族で一緒に餃子を作り、新しい年への健康と幸運を願う伝統があります。中国の北方で発展した餃子は、寒冷な気候と小麦粉文化の中で生まれ、家族の団らんや新年を象徴する食として定着してきました(※4)。この「家族で一緒に作る」という価値は、時代や文化を超えて変わりません。そして、共働き家庭という新しい時間制約の中で、その価値を実現するための工夫が「包まない」という形で生まれています。親子で参加でき、失敗が少なく、みんなで一緒に作り、囲んで食べられる — つまり楽しいコミュニケーションを通じて新しい週を迎える準備をする営みとしても、「包まない」工夫が支持されています。
■「包まない」検索はなんのために?
仕事と家事の両立という時間制約の中では、特に時間がかからず・失敗しづらい料理方法が求められます。包まずに皮に具材を乗せるだけという「包まないシュウマイ」「包まない餃子」は、そうしたニーズに応え、家族のイベントとしての機能も備えたソリューションとなっています。

検索動向は、家庭の実態を明確に映し出しています。特に土曜日の17時(夕方5時)にピークを迎えることから、週末の夕食準備の時間に、親たちが「子どもと一緒に作れる料理」を探していることが伺えます。
クックパッド内での「包まない」というキーワードの検索を追うと、その上昇は顕著です。2015年から2025年10月までの10年間で、検索は約6.1倍に成長しています。2020年のコロナ禍での一時的な上昇を経て、2025年にかけてさらなる加速傾向を見せています。
この上昇は一過性のブームではなく、親子で調理時間を共有する家庭の構造的な変化を示唆しています。共働き化による時間制約、それに伴う食事管理時間の短縮、食材価格高騰という社会構造の変化が、検索行動に反映されていると考えられます。
■食卓のソリューション:クックパッド内「包まない」レシピの広がり
クックパッドには、ユーザーの投稿による多くの「包まない」レシピが集まり、実際に家庭で実践されている多様な調理法による親子調理が広がっています。調理器具としては、フライパン、ホットプレート、レンジなど、一般的な家庭にある器具が活用されており、それぞれの調理法で異なる利点が活かされています。
フライパンを活用した方法、ホットプレートで一気に複数人分を調理する方法、電子レンジで手軽に調理する方法など、家庭のニーズや時間に合わせた多様な調理法が広がっています。
■ユーザーコメント分析:「効率化」から「親子時間」へのシフト
クックパッドに寄せられた最新500件の「包まない」レシピのユーザーコメント(つくれぽ)を分析すると、時系列での感情シフトが見えてきました。
2022年時点のコメント傾向では「簡単」「楽ちん」などの効率重視が20件、一方で「家族と」「子どもと」などの関係・共有重視が4件でした。
2025年時点では「簡単」「楽ちん」などの効率重視が9件に減少し、「家族と」「子どもと」「旦那と」などの関係・共有重視が13件に増加しています。
つまり、ユーザーは「調理の時短」というメリットよりも、「家族で一緒に食べる時間」「子どもと一緒に作る経験」「親子で笑顔になる瞬間」に価値を感じ始めているのです。
■家庭で実践できる「包まない」レシピ例

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■クックパッドが見る、家庭の調理の現実
共働き化と食事づくり時間の短縮という変化は、単なる統計数値ではありません。それは、毎日、仕事と家庭を両立させる人たちの日々の選択を意味しています。
クックパッドのユーザーは、限られた時間と予算の中で「家族が笑顔になれる食事」を実現しようとしています。「包まないシュウマイ」「包まない餃子」が支持される理由は、調理の手間が減るだけでなく、親子で一緒に作ることができるという点です。失敗が少ないから誰でも作れる。シンプルだから子どもも参加できる。そうした設計が、限られた時間の中での食卓づくりの現実に適応しているのです。
ユーザーがこの工夫をつくれぽで共有することで、同じ状況にある別の家庭が参考にできる。その連鎖が、新しい調理法を広げています。クックパッドは、こうした家庭の現実に寄り添い、みなさまがレシピを通じて工夫を伝え、家族で作ることができる環境づくりに貢献してまいります。
【クックパッドについて】
クックパッド株式会社は「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げる、料理とテクノロジーの会社です。日本を含む世界67カ国・地域、26言語で展開する料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」、料理のAIコーチングサービス「moment」、生鮮食品オンライン市場「クックパッドマート」などを運営しています。私たちは料理を通じて、ヒト、社会、地球の豊かな未来を目指します。
社名 : クックパッド株式会社 https://info.cookpad.com
本社所在地 : 〒153-0044 東京都目黒区大橋2-22-44
代表執行役:佐野 陽光(さの あきみつ)
資本金 : 50,000千円(2025年3月末)
設立年月日 : 1997年10月1日
従業員数 : 105人(2025年3月末 連結ベース)
主要事業 : 毎日の料理を楽しみにする事業
※1「たべみる」 について
・クックパッドの食の検索データサービス「たべみる」
利用者数No.1の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行えます。
・「たべみる」データご利用時は、以下クレジットのご掲載をお願いします。
※使用ツール:クックパッド 食の検索データサービス「たべみる」 ※SI値:Search Indexの略で、1000回あたりの検索頻度です
※2 総務省統計局「労働力調査」
※3 食事管理時間:総務省統計局「社会生活基本調査」(2016年・2021年データ)
※4 周 星「餃子―儀礼化された民俗食品及びその象徴した意義」『文明21』(愛知大学国際コミュニケーション学部, 第17号, 2006年, 特集:地域と民族の生活文化)
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