LIFULL HOME’Sが不動産業界のDX推進に対する実態調査を実施
DXを進める不動産会社は2社に1社/取り組めない理由の約半数は「取り組む必要性を感じていない」/DXの目的は「業務効率化」が約8割!実際に改善・解決した課題の最多も「業務効率化」
*本調査では、不動産テックサービスを活用して業務改善を行うことを「DX」と定義しています。
調査結果サマリー
■「DXに取り組んでいる(取り組む予定がある)」企業は51.3%、一方で約半数が「取り組む予定はない」と回答 。DXへ動き出せているのは2社に1社であることが判明。
■DX導入(検討含む)の目的は「業務効率化」が約8割!実際にDX導入によって、改善・解決した課題でも「業務効率化」が最多という結果に。
■導入しているDXサービス1位「CRM(顧客管理)システム」2位「賃貸管理(不動産基幹ソフト)システム」でそれぞれ約4割、3位の「電子契約システム」も積極的な導入が進む。
■DXに取り組んでいない(取り組めない)理由の約半数は「取り組む必要性を感じていない」。
■デジタルスキルや知識の獲得は、「個人にまかせている」が55.2%、「デジタル人材」の育成は個人の主体性に依っていることが明らかに。
■DX導入による物件オーナーの反応は、「対応スピード・情報共有の利便性・集客力」といった点に高評価。一方、高齢者オーナーからは抵抗感も。
■今後DX化・デジタル化できると良い管理業務は「手作業による書類管理と郵送業務」が52.3%。
■今後導入したいサービスは「電子契約システム」が48.6%、「IT重説システム」38.8%。
「DXに取り組んでいる(取り組む予定がある)」企業は51.3%、一方で約半数が「取り組む予定はない」と回答 。DXへ動き出せているのは2社に1社程度であることが判明。
「貴社はDXに取り組まれていますか」という質問に対し、「取り組んでいる」が22.0%、「取り組む予定」が29.3%と、合わせて51.3%が回答しました。
昨今AIを含めてIT・デジタル技術が革新し、あらゆる業界においてDXが進められており、不動産業界においても不動産に特化したITサービスが提供されているにも関わらず、実態としてDXへ動き出せている不動産会社は2社に1社ということがわかりました。
DX導入(検討含む)の目的は「業務効率化」が約8割!実際にDX導入によって、改善・解決した課題でも「業務効率化」が最多という結果に。
DXに「取り組んでいる」「過去に取り組んでいたことがある」または、「取り組む予定」と回答した人を対象とした「DX導入(検討)目的を教えてください」の質問では、最も多いのが「業務効率化」で85.6%、次いで「集客力向上」が46.6%、「コスト削減/生産性向上」が41.2.%、「成約率(売上)向上」が40.4%となりました。
さらに、「DX導入によって、改善・解決した課題はありますか」の質問では、最も多かった回答が「業務効率化」で78.4%となっており、DX導入の目的と成果はどちらも「業務効率化」が最多という結果になりました。
また、DXに「取り組んでいる」「過去に取り組んでいたことがある」人のうち、導入目的で「業務効率化」を回答した人だけでみると「DX導入によって、改善・解決した課題」としても84.3%が「業務効率化」と回答しており、おおむね期待していたことと成果が一致していると言えます。
導入しているDXサービス1位「CRM(顧客管理)システム」2位「賃貸管理(不動産基幹ソフト)システム」でそれぞれ約4割、3位「電子契約システム」も積極的な導入が進む
DXに「取り組んでいる」または、DXに「取り組む予定」と回答した人のうち、「導入しているDXサービスを選択してください」の質問では、多い順に、1位の「CRM(顧客管理)システム」が42.9.%、2位が「賃貸管理(不動産基幹ソフト)システム」で41.0%、3位が同率で「電子契約システム」「IT重説システム」24.8.%となりました。
導入しているサービスの1位、2位である「CRM(顧客管理)システム」「賃貸管理(不動産基幹ソフト)システム」は、不動産業界におけるDXサービスの先駆けであり、徐々に不動産業界に定着してきたのだと推測できます。
一方、3位の「電子契約システム」においては、2022年5月18日から「不動産取引の電子契約」が可能になってから約1年と考えると、関心度の高いサービスであり、積極的な導入が進んでいることがわかります。
DXに取り組んでいない(取り組めない)理由の約半数は「取り組む必要性を感じていない」。
DXに「取り組む予定はない」と回答した人を対象にした、「DXに取り組んでいない(取り組めない)理由を教えてください」の質問では、最も多い回答が「取り組む必要性を感じていない」48.5%、次いで「予算がかけられない」41.9%、「取り組み方がわからない」20.7%となりました。
約半数がDXへ動き出していないことからもよみとれるように、不動産業界におけるDX導入の成功事例が伝わっておらず、取り組むメリットや対応への切迫感が理解されていないため、「取り組む必要性を感じていない」という回答が多くなっている可能性も考えられます。
その他フリーコメントでは「個人としては取り組んでほしいと思うが会社として腰が重い」「会社自体、新しいもの、時代のものに難色を示している」「上司に否定されている」といった、会社と従業員の間にDX導入に対する意識のギャップがあることを示す回答も一部ありました。
デジタルスキルや知識の獲得は、「個人にまかせている」が55.2%、「デジタル人材」の育成は個人の主体性に依っていることが明らかに。
「社内で、デジタルスキルや知識をどのように育成していますか」の質問では、「個人にまかせている」55.2%が最も多く、次いで多かったのは「育成していない」で33.8%でした。
従業員がデジタルスキルや知識を獲得できるよう積極的に機会を提供している会社は多くなく、また、DXを推進するうえで重要な「デジタル人材」の育成が個人の努力に依存していることがわかります。
会社として積極的にデジタル人材の育成をしていないことが、同時に「DXに取り組む必要性」を感じる機会の損失につながっている可能性も考えられます。
DX導入による物件オーナーの反応は、「対応スピード・情報共有の利便性・集客力」といった点に高評価。一方、高齢者オーナーからは抵抗感も。
取り扱い業務で、「賃貸管理・建物管理業務を行っている」と回答した方に向けた「DX導入による、物件オーナーの反応について教えてください」の質問(フリーコメント回答)では、DX導入後の「対応スピード・情報共有の利便性・集客力」といった点に高評価をいただく声が多く見受けられました。
▼回答一部抜粋
・データベースで全ての資料をリアルタイムに共有しているので喜ばれている。
・迅速な対応が出来るようになり、喜ばれている。
・見やすい帳票でわかりやすくて良いと言っていただいている。
・情報が手に入りやすくなって便利。
・集客力がアップして喜ばれた。
一方で、物件オーナーが高齢者の場合、導入に「抵抗感」を感じられるといった声もありました。
▼回答一部抜粋
・物件オーナーは年配の人が多いのでネット導入には抵抗を感じる人が多かった。
・高齢者からは対面を求められる。
・高齢者も多い為、消極的。
今後DX化・デジタル化できると良い管理業務は「手作業による書類管理と郵送業務」が52.3%。
同じく、取り扱い業務で、「賃貸管理・建物管理業務を行っている」と回答した方に向けた「今後DX化・デジタル化できると良い管理業務を教えてください」の質問では、「手作業による書類管理と郵送業務」が52.3%、次いで「契約書の管理」が40.3%、「支払い・請求業務」32.9%となりました。
書類の作成、管理業務において特にDX化やデジタル化のニーズが高いことがわかります。
今後導入したいサービスは「電子契約システム」が48.6%、「IT重説システム」38.8%。
今後新たにDXサービス導入を検討している方を対象とした、「今後、導入を検討したいDXサービスはありますか」の質問では「電子契約システム」が48.6%、次いで「IT重説システム」38.8%となりました。
昨年5月に「不動産取引の電子契約」が可能になったことによる「電子契約システム」への関心は今後も高そうです。また、それに伴い、IT重説システムの導入ニーズも高まっていると考えられます。
LIFULL HOME'S総研チーフアナリスト 中山登志朗 コメント
「それでも不動産DXはこれからの不動産業界の“常識”になる」
アンケート結果からは、特段DX導入の必要性を感じていないという回答が約半数に上る48.5%と大変高い数値となったこと、また会社と従業員の間の、DX導入に対する意識のギャップを示すコメントも気になります。
ITシステムの導入によってウェブ上で可能になる接客、チャットでの会話、電子契約や管理に至るまで業務の効率を高めることができる不動産DXですが、不動産は高額であるが故に現在でも情報の非対称性や情報の限定流布が日常的に発生しており、重要情報は紙ベースで、もしくは直接口頭でというケースが少なくありません。したがって業務効率向上やコスト削減には関心があっても、DXの導入によって情報が幅広く公開されてしまってはビジネスしにくいと考える関係者がいるのも事実です。
それでも不動産DXはこれから不可逆的に導入が進み、ITシステムを活用した効率的なビジネスソリューションが当たり前の不動産業界に変わっていくことでしょう。インターネットやスマホなどの利用が当たり前になった現状を鑑みると、ユーザーのニーズや生活様式に沿ってビジネスを加速させるためにはDX化は避けられないと考えられるからです。またこのようなデジタルツールを当たり前のように活用している世代がこれからの不動産業界の主力となっていくのですから、もはやDX化は企業の成長・拡大に必須と言わなければなりません。
特に質量共に多くの物件を手掛けなければならない実務では、DXを導入し、これまで以上に業務を効率化することがマーケットでパイを獲得すること、生き残るための戦略となります。情報を幅広く公開し、効率的に伝え、ユーザーからの反響を獲得するビジネスモデルを構築する上で、DXは不可欠と言えます。
アンケート概要
・実施期間:2023年4月3日(月)~4月21日(金)
・回答数 :518名
・調査対象:不動産管理会社、不動産仲介会社
・実施方法:LIFULL HOME’Sによるメルマガ調査
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合があります。
・回答企業属性:以下詳細
・協力会社(順不同)
GMO ReTech株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:鈴木 明人)
GMO TECH株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:鈴木 明人)
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:青山 満)
Rsmile株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:富治林 希宇)
株式会社ホープハウスシステム(本社:大阪府豊中市、代表取締役:吉村 心太郎)
https://hopehouse.co.jp/mediation
オーナーズエージェント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:藤澤 雅義)
https://chintai.procall24.com/
今後も株式会社LIFULLと不動産会社向けサービスなどを提供する6社は、より良いサービス/情報の提供で
不動産業界全体のDXを促進し、不動産会社、ならびに不動産業界に従事する方々のサポートをしてまいります。
LIFULL HOME’S Businessについて(URL:https://biz.homes.jp)
不動産業にかかわる「会社や人」の課題を発見・解決し、成果をもたらす行動スイッチをONにするメディアです。お役立ちコラム/セミナー/お役立ち資料/業務支援サービスのご紹介を通じて、不動産業界の方々へ有益な情報を発信しています。
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LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
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