コロナ禍で運動不足に拍車!見た目は20代でも中身は60代!? 見た目はスリムな”隠れ肥満“に潜む 「サルコペニア」のリスク
女性の9割が経験! “食事制限によるダイエット” の落とし穴と 植物性タンパク質を摂取すると隠れ肥満を改善することが判明
アンファー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:叶屋宏一 以下「アンファー」)は、女性の「隠れ肥満」に着目し、身体的特徴や食事の実態調査を実施しました。その結果、若年女性における隠れ肥満傾向(体脂肪率25%以上、およびSMI低群の特徴)として、炭水化物摂取量が少なく、摂取したたんぱく質は炭水化物の不足を補うためにエネルギー産生に優先的に使用されている可能性が考えられました。さらに、植物性タンパク質を摂取することにより、サルコペニア(隠れ)肥満を緩和することが判明しました。
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近年ではインターネットやSNSの普及により、誰でも簡単に情報を手に入れられる一方、過激なダイエットや誤った情報に接触することも多く見受けられます。今回は、誤ったダイエット方法で陥りやすい、見た目は痩せていても、体脂肪量が多く、筋肉量が少ない「隠れ肥満」に着目して調査・研究を実施しました。
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その中でも、BMIは18.5~25㎏/m2未満の「標準」でありながら、体脂肪率が高い「隠れ肥満」が20歳代女性に増加していることが指摘されています。
「隠れ肥満」は、体脂肪量が多いことだけではなく、筋肉量が少ないという特徴もあり、高齢期ではサルコペニアとして筋肉量の低下が問題となっているが※2(図2)、20歳代でも同じような現象が起こっています。ただし、20代の場合は高齢期とは異なり体内での筋肉合成機能が低下するわけではありませんので、これは無理なダイエットによる「やせ」が原因である可能性もあり、社会的な痩身志向の影響を受けやすい若年女性に特徴的な健康問題であると言えます(図3)。
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これは前述したように、隠れ肥満に陥る可能性が高くなります。実際に、見た目はほぼ同じでも筋肉量が極端に少なく、体脂肪率が高くなっている場合があります※3。
このように、見た目はスリムで体重計に乗っても判別がつかないため、見逃されることが多いので注意が必要です。
- 研究①隠れ肥満の実態調査
・目的:「隠れ肥満」と筋肉量に関する身体的特徴や食事の実態を明らかにすることを目的とする。
・実施時期:2019年7月~2019年11月
・対象者:BMIが18.5~25㎏/m2の範囲にある20歳代の女子大学生43名。
① 体脂肪率25%以上(n=23)と25%未満(n=20)の群に分けて比較検討。
②筋肉量が少ないSMI低群(SMI<5.7㎏/m2)(n=6)と筋肉量が多いSMI高群(SMI≧5.7㎏/m2)(n=37)
の群に分けて比較検討。(SMI:四肢骨格筋量指数)
・調査測定項目:食物摂取頻度調査(FFQ)、国際標準化身体活動質問票(IPAQ)、身体計測(InBody)
◇実験結果サマリ◇
■体脂肪率が25%以上群(n=23)は体脂肪率25%未満群(n=20)と比較し、筋肉量、徐脂肪体重および骨格筋量が有意に低いことがわかった。
■食事摂取量では、体脂肪率25%以上の人たちは体脂肪率25%未満の群に比べて、炭水化物摂取量が少ない傾向がみられた。
■SMI(四肢骨格筋量指数)低群はSMI高群と比較してエネルギー摂取量および脂質摂取量が有意に少なく、炭水化物摂取量は少ない傾向がみられました。一方、たんぱく質摂取量は、統計的な差異はみられなかった。
本研究より、若年女性における隠れ肥満傾向(体脂肪率25%以上)およびSMI低群の特徴として、炭水化物摂取量が少なく、摂取したたんぱく質は炭水化物の不足を補うためにエネルギー産生に優先的に使用されている可能性があり、結果的に筋肉量も少ないのではないかと考えられます。
- 研究②植物性タンパク質を摂取することによる隠れ肥満の緩和
・目的:隠れ肥満群において植物性タンパク質の食事介入により、隠れ肥満の改善が認められるかを検証した。
・実施時期:2019年7月~2019年11月
・対象者: 20歳代のBMIが18.5~25㎏/m2の範囲、且つ、体脂肪率25%以上(n=10)
・測定項目:身体計測(InBody)
◇研究結果サマリ◇
■体脂肪量、体脂肪率減少につながった
この結果から、植物性タンパク質を摂取すると、炭水化物の不足を補うためにエネルギー産生に優先的に使用されていたタンパク質を補えるため、筋肉量増加、体脂肪率の減少につながり、隠れ肥満を緩和することができたと考えられます。
- 専門家からのコメント
植物性タンパク質はカロリーや脂質を抑えながらタンパク質を摂取できるのでダイエットのお供にオススメ!
やはり近年の「隠れ肥満」に該当する若年女性の割合は非常に高いと言えます。「隠れ肥満」女性は、そのスリムな体型から「肥満」や「メタボリックシンドローム」などは連想しにくく、それによって本人にも、周囲にも健康に対する危機感、関心を持ちにくいと考えられます。「痩せたい」という一心で、極端に食事の量を減らしてしまったり、栄養バランスが偏った食事を続けると、見た目はスリムになるかもしれませんが、サルコペニア(隠れ)肥満に陥る可能性があり、筋肉量が減少した結果、体は痩せにくくなる一方で悪循環になります。さらに気づかぬうちに動脈硬化などの疾患リスクも増大します。女性(母性)の健康と栄養状態は次世代の健康に直接的に影響を及ぼすため、引き続き「隠れ肥満」を基軸に、女性の健康について研究を進め、警鐘を鳴らしていきたいと考えています。
【引用文献】
1) 厚生労働省:平成29年国民健康・栄養調査:2018
2)葛谷雅文、クリニックマガジン 45(4): 30-34, 2018
3) 医学のあゆみ 248巻9号 サルコペニア -成因と対策
【アンケート調査概要】
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2021年07月21日~2021年07月26日
・対象地域:全国
・対象者条件:20代~40代の女性、n=450
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