Visa、韓国へのインバウンド観光客の決済データを分析 韓国美容施術からショッピングまで、外国人観光客の消費動向に変化

*本リリースは2025年9月30日に韓国にて発表されたリリースの抄訳です。

ビザ・ワールドワイド

  • 消費額は米国、日本、中国が全体の5割以上を占め、台湾と香港も大きく増加

  • 韓国美容の需要が高く、ヘルスケア、ディスカウント店、薬局の各部門の消費額が60%近く上昇

  • 非接触決済は仁川、釜山など、玄関口となる主要都市で最も高く、ソウルを上回る

2025年9月30日、ソウル発 グローバル決済テクノロジー企業のVisaは、韓国への外国人観光客の消費動向に関する分析結果を発表しました。これは2024年4月から2025年3月までに国外発行のVisaカードで行われた対面取引のデータに基づくものです。

消費額は米国、日本、中国が最も高く、台湾と香港も50%増と大きく成長

訪韓外国人によるカード決済総額の中で、消費額が最も多かった上位7か国/地域は、米国、日本、中国、台湾、シンガポール、香港、タイでした。米国、日本、中国は前年同期と順位が変わらず、消費総額の5割以上を占め、韓国のインバウンド観光経済にとって引き続き重要な存在となっています。

上位7位のうち、4位と6位にランクインした台湾と香港は、消費額がそれぞれ前年同期比54%、50%と大きく増加しました。実際、2024年の台湾からの訪韓客は147万人と過去最高[1]で、香港からも57万人[2]と多くの旅行者が訪れました。一方、タイは消費額が14%減となり、順位を一つ落とす結果となりました。これは2024年4月、タイに対して韓国電子渡航認証制度(K-ETA)が再導入されたことに伴い、入国拒否件数が増加し、結果としてタイ観光客が減少したことが原因です。

ヘルスケア、小売、薬局の各部門では、韓国美容関連の需要増により、上位7か国/地域の決済額が前年同期比26%増加

外国人旅行客が2023年の1103万人から2024年には1637万人に急増したことに伴い、上位7か国/地域の観光客の消費額も前年同期比で26%増加しました[3]。全体的な消費額の増加に加え、購買動向が様々なカテゴリーに広がり、韓国のライフスタイル商品を幅広く試してみたいという関心の高まりが示されています。

消費額が最も多かったのはヘルスケア部門で、上位7か国/地域の総額の15%を占めました。このカテゴリーの取引は前年同期比で58%増加しました。加盟店単位では、皮膚科クリニックが半分以上を占め、美容施術の需要の高さがうかがえます。この結果から、多くの旅行客が「韓国美容施術体験」を旅の計画で重視していることが明らかになりました。

観光客にとって必ず訪れたい場所となっている美容・健康系のドラッグストアでも決済額が急増しており、このようなドラッグストアが含まれるディスカウント店部門の決済額は前年同期比で実に63%増加しました。その結果、この部門は順位を2位上げて5位となり、総消費額の10%を占めました。また、ニキビ治療薬や再生クリームといった薬局のみで扱われている韓国美容商品が観光客の間で口コミで広がり、その人気の高まりから、薬局部門も消費額が大幅に増加しました。

コンビニエンスストア、レストラン、エンターテインメントといった日常およびレジャー部門でも消費額が堅調に増加し、観光客が消費行動を通して韓国のライフスタイルを積極的に取り入れ満喫している明確な傾向が示されています。

日本人旅行客が健康関連の消費増に貢献、特に美容、スキンケアの分野

ヘルスケア部門の成長は日本人観光客が牽引し、特にウェルネス、パーソナルケア、スキンケア関連のサービスの消費傾向が見られました。同部門は日本人旅行客の消費総額の19%を占め、前年同期の17%から増加し、上位7か国/地域の平均の16%を上回るなど、ヘルスケア関連分野の成長の主要な原動力となりました。韓国の保健福祉部(MOHW: Ministry of Health and Welfare)によると、2024年の外国人患者数は過去最高の117万人に達し、そのうち日本人が44万人(38%)と最も高い割合となりました。前年同期比135%の顕著な増加で、特に20代、30代の日本人女性のスキンケアおよび美容施術に対する需要の高まりが示されています。

中国、台湾、シンガポール、香港、タイの観光客に共通のトレンドとして、デパートや小売店、ディスカウント店、アパレル・アクセサリーなどショッピング関連の分野で平均を上回る消費が見られました。中でも、中国人観光客は小売店での消費額が最も多く、中国人観光客の消費総額の20%を占めました。シンガポールの観光客の消費額は引き続き宿泊関連が高い比率(13%)を占めましたが、前年同期比(18%)からやや減少しました。

観光客の2人に1人がソウルに滞在。中国人旅行者には済州、台湾人には釜山が人気

観光客の半数以上がソウルに滞在し、宿泊関連の取引の53%を占めました。一方、仁川は日本人(16%)と米国人(14%)観光客が増え、宿泊関連の取引の割合が10%から13%へと上昇しました。これは空港のアクセスの良さや、ショッピングや医療目的の短期滞在が要因と考えられます。

台湾人観光客の訪問先は、釜山が15%と最大の割合を占めました。これは、同期間に韓国の航空会社が釜山―台北路線を再開、増便したことでアクセス性が向上したことが要因です。中国人観光客の訪問先は済州が17%で最大の割合を占めました。

月ベースでは、通常、インバウンド観光の閑散期と考えられている冬に江原道に多くの外国人観光客が訪れました。平昌と洪川での消費額の半分以上が12月から2月に集中しており、シンガポール、香港、タイ、台湾からの観光客の割合が他の月より顕著に高くなりました。特に12月は上位7か国/地域のうち、シンガポールの旅行客の消費額が最も高くなりました。シンガポールのような年中高温が続く熱帯地域からの旅行者には、韓国の雪景色やウィンタースポーツが特に魅力的に映ると考えられます。

非接触決済が2.4倍に 外国人の決済の利便性が向上

非接触決済は上位7か国/地域の全取引の15%を占め、前年同期比(6%)の2.4倍となりました。要因としては、韓国で全国的にICカード決済(EMV)端末が普及したことが挙げられます。国/地域別ではシンガポール、香港、台湾の旅行客による非接触決済の利用率が特に高くなりました。シンガポールと香港では非接触決済が主流となっており、習慣的な決済手段が韓国旅行中にも利用されていると考えられます。

業種別では、ディスカウント店(32%)、小売店(18%)、アパレル・アクセサリー店(17%)、食料品店(16%)が非接触決済の割合が最も高くなりました。ディスカウント店とは、主に健康・美容系ドラッグストアで、小売店には免税店、デパート、スポーツブランド専門店などが含まれます。アパレル・アクセサリー店はSPAファッションブランドやアクセサリー専門店で、食料品店はコンビニエンスストアを含みます。これらの部門はフランチャイズや大規模な小売ネットワークで構築されており、EMV対応の非接触決済端末が急速に普及しており、非接触決済の利用率が高い結果となっています。

取引上位10都市の中で、非接触決済比率が最も高かったのは仁川(24%)で、釜山(18%)とソウル(16%)がこれに続き、済州(14%)、京畿(13%)でも高い利用率でした。これは、非接触決済インフラが空港などの主要な観光拠点を中心に拡大していることを示しています。

韓国VisaのカントリーマネージャーであるPatrick Storeyは次のように述べています。「韓国文化を体験したいと考える外国人観光客が堅調に増加し、決済行動や消費分野が多様化していることは、インバウンド観光業界の重要なトレンドを示しています。Visaは今後もデータに基づく信頼性の高いインサイトを活用して、地域のパートナーとともに、より優れたカスタマーエクスペリエンスを創出します。」

【Visaについて】

Visaは電子決済の世界的リーダーとして、世界200以上の国と地域における決済取引によって消費者、加盟店、金融機関や政府機関をつないでいます。Visaのミッションは、最も革新的かつ利便性や信頼性が高く安全な決済ネットワークで世界を結び、個人や企業、そして経済の繁栄に貢献することです。私たちは、世界中のすべての人にとっての包括的な経済こそが、世界中の人々の生活を向上させ、経済へのアクセスが決済の未来へつながると信じています。詳しくは、Visa.com(英語サイト)またはwww.visa.co.jp(日本語サイト)をご覧ください。

[1] 韓国観光公社、台湾観光客を誘致し全国で地域観光促進の取り組みを強化(韓国観光公社のプレスリリース、2025年2月17日)

[2] 2024年 数で見る香港観光市場(Korea Tourism Data Lab、2025年2月7日)

[3] 韓国観光統計(韓国観光公社の報告書)

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会社概要

URL
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業種
金融・保険業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング24階
電話番号
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代表者名
シータン・キトニー
上場
未上場
資本金
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設立
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