光デバイス/光通信システム設計環境「RSoft」および光ICレイアウト設計ソフトウェア「OptoDesigner」最新バージョン2019.03販売開始のお知らせ
5G時代の超大容量・超高速通信を支えるシリコンフォトニクス(※1)デバイス設計を、高精度シミュレーションから製造用レイアウト作成までトータルにサポートします。
● 光デバイス設計解析ソフトウェア「RSoft Photonic Component Design Suite」とは
光デバイスのモデリングとシミュレーションのためのプログラムで、ベースとなるCADに解析用途に応じた各種ソルバ(FullWAVE™、DiffractMOD™、BeamPROP™など)を組み合わせることで様々な電磁光学問題を解析できます。
【適用分野】光学特性解析、光エレクトロニクス、光通信といった分野における様々な光デバイスの設計と解析
● 光システム設計解析ソフトウェア「RSoft Photonic System Design Suite」とは
光通信システムのモデリングとシミュレーションのためのツール(OptSim™、ModeSYS™、OptSim Circuit)により構成されるソフトウェアの総称です。
【適用分野】各国で研究されているシングル/マルチモードファイバを利用した光通信分野における、さまざまな光通信システムの設計と解析、シリコンフォトニクスデバイスの設計
●光ICレイアウト設計ソフトウェア「OptoDesigner」とは
オランダPhoeniX社が開発した、PIC(Photonic Integrated Circuit:光IC、光集積回路)作成時に必要なマスクレイアウトを作成するためのCADソフトウェアです。2018年2月よりシノプシス社傘下に入り、これによってPDK(※2)を用いた光システムシミュレーションツールから製造用のマスクレイアウト作成までのトータルフローを提供できるようになりました。
【適用分野】シリコンフォトニクスデバイスの設計
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◆RSoftおよびOptoDesigner最新バージョンの主な機能
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■シリコンフォトニクス技術の背景
近年、半導体材料の加工技術の向上や、巨大データセンターでの超大容量・超高速データ送受信に必要な次世代デバイスのニーズ、更に電気ICの製造プロセスからの流用という側面から、シリコンを始めとする半導体材料を用いたPIC(光IC)が注目されています。
特に世界のシリコンフォトニクス市場の年平均成長率は、2018年から2023年にかけて20.8%で推移し、2023年には19億8,820万米ドルに拡大すると予測(※3)されており、5Gサービス開始を目指す日本でも光通信ユニットの超小型化と低消費電力化に欠かせない次世代技術として期待されています。
■複雑な光配線を含む大規模PICでも、シンプルで高精度なシミュレーションを実現!
RSoftおよびOptoDesignerの最新バージョンでは、このシリコンフォトニクスに代表されるPICの解析およびレイアウト作成に用いられる各種ツールの機能やツール間の連携機能が強化されました。
PDKを利用し、RSoftの光システムの設計・解析ソフトウェア「OptSim Circuit」で描く回路図に基本的なコンポーネントを配置するだけで、コンポーネント間の光配線がOptoDesignerでのレイアウト作成時にプログラムによって自動追加されるようになり、更にOptoDesignerで追加された光配線の情報をOptSim Circuitの回路図にフィードバックすることで、実際のレイアウトに即した条件でのシミュレーションが可能になりました。
これまで、複雑な光配線を含む大規模なPICのレイアウト図の作成には膨大な手間と時間がかかるばかりでなく、光配線によって回路特性も変化するため、配線の影響を考慮した特性解析は非常に困難でした。今回のRSoftならびにOptoDesignerの最新バージョンを利用することで、設計プロセスを大幅に簡略化できるだけでなく、実際の物理現象を加味した高精度なシミュレーションの実現が可能となります。
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◆その他強化された主な機能
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■Photonic Component Design Suite:カスタムPDK機能の拡張により、偏光操作を行うデバイスの解析や長さや曲げ半径を柔軟に変えることができる光導波路PDKを利用できるように!
・カスタムPDKユーティリティで偏光特性、および偏波結合の影響を反映可能
・カスタムPDKユーティリティで光導波路と曲げ導波路コンポーネントの生成をサポート
■Photonic System Design Suite:OptSimで最新の送信方式に対応!
・OptSimのコヒーレントシステム解析に「Probabilistic Constellation Shaping」(※4)を追加
・ModeSYSの大口径光ファイバーのモデルにファイバー入射、曲げ、ディテクター結合用のモデルを追加
・OptSim Circuitにシノプシス社IC Validatorで光版LVS(※5)を実施するために必要なSpice(※6)ネットリスト生成機能を搭載
■OptoDesigner:OptSim CircuitとIC Validatorの連携によるLVS機能の実現。作成レイアウトと回路図の比較検証が可能に!
・シノプシス社IC Validatorで光版LVSを実施時に必要なネットリスト情報を作成済みのマスクファイルから抽出する機能を搭載
詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/photonics/
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【注釈】
※1:シリコンフォトニクス:半導体の製造技術を応用して、光回路を集積したデバイスを作成する技術で、高速光デバイスの超小型化、低消費電力化、低コスト化を実現できる、光通信システムの革新技術の一つ。主なデバイスとしては光通信用の送受信機があり、通信量全体の半数以上を占めるデータセンター内での高速通信用途などで検討されている。
※2:PDK:Process Design Kitの略称で、PICの製造を受け持つファウンドリ(半導体産業において、実際に半導体デバイス(半導体チップ)を生産する工場)から提供される基本コンポーネントのレイアウト情報や光シミュレーション用の情報を含んだブロック。最近では電気ICの設計・作成フローにならい、ファウンドリが光回路を構成する基本的なコンポーネントをPDKとして予め用意しておき、PIC設計者はPDKを組み合わせてシミュレーションや製作依頼用のマスクパターンを作成でき、ファウンドリに製造委託をする流れが増えている。
※3:MarketsandMarkets社発行の市場調査レポート『シリコンフォトニクスの世界市場予測 ~2023年:トランシーバー、スイッチ、可変光減衰器、ケーブル、センサー』(2018年02月27日発行)
https://www.gii.co.jp/report/mama172813-silicon-photonic.html
※4:Probabilistic Constellation Shaping:QAM変調信号送信時のデジタル信号処理方式の1つで各コンスタレーションポイントが異なる確率で送信される。標準的なQAM送信方式に比べ、データレートに対する柔軟性が高く、ゲインに対する感度が低いなどの利点がある。
※5:LVS(Layer versus schematic):回路図の情報とマスクファイルの情報が一致しているかを比較検証するための機能。シノプシス社のツールとしてはIC Validatorに搭載されている。
※6:SPICE:Simulation Program with Integrated Circuit Emphasisの略で、カリフォルニア大学で開発された電子回路のシミュレーション/解析を行うソフトウェア。
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シノプシス社について
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供しています。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっています。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供しています。
詳細は下記Webサイトをご覧ください。
https://www.synopsys.com/ja-jp
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サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。また、企業が所有するPC/スマートデバイス管理の効率化を実現するIT資産管理ツールをはじめ、個人情報や機密情報などの漏洩・不正アクセスを防止し、企業のセキュリティレベルを向上させるITソリューションをパッケージやサイバネットクラウドで提供しております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。
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本件に関するお問い合わせ先:サイバネットシステム株式会社
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■ 内容について
CAE事業本部 オプティカル事業部 グローバルマーケティング統括室
担当:黒木、福島
TEL:03-5297-3703 E-MAIL: optsales@cybernet.co.jp
■ 報道の方は
コーポレートマーケティング部/新留
TEL:03-5297-3094 E-MAIL: prdreq@cybernet.co.jp
■投資家の方は
経営企画・IR部/目黒
TEL:03-5297-3066 E-MAIL: irquery@cybernet.co.jp
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