アストラゼネカとキャンサーネットジャパン 卵巣がん疾患啓発 オンラインイベント「わかる卵巣がん」~卵巣がんとうまくつきあうには?~を開催

卵巣がん患者さんは、情報収集・医師とのコミュニケーションに困難を感じていた

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)と認定NPO法人キャンサーネットジャパン(理事長:岩瀬 哲)は、2021年10月14日(木)に卵巣がん疾患啓発イベント「わかる卵巣がん」~卵巣がんとうまくつきあうには?~を共同開催しました。当日は、卵巣がん患者さんやそのご家族、がんに関心のある一般の方々約200名がオンラインで参加し、専門医による卵巣がんに関する説明や、がんサバイバーの診断や治療に関する実体験を通じて、卵巣がんにおけるさまざまな情報を学びました。


本イベントは、大阪医科薬科大学 医学部 産婦人科学教室の藤原 聡枝 先生による「卵巣がんの基本的なこと」と題する講演で始まりました。卵巣がんは自覚症状が出にくく、確立された検診もないことから、進行した状態で発見されることが多いとの説明があり、加えて卵巣がんの治療やリスク因子についてのお話がありました。その中で遺伝性乳がん卵巣がん症候群(以下、HBOC)について触れながら、「どのように情報を家族と共有するかは遺伝カウンセリングを受けながら相談する必要があるが、遺伝子の特徴を知ることで患者さん本人だけでなく、ご家族のリスク対策にも目を向けることができる」と、遺伝子検査の意義もお話いただきました。
 


次に、がんと働く応援団 代表理事の吉田 ゆりさんが、ご自身が卵巣がんと診断された時の心境について発表しました。卵巣がんと診断された際、「がんショック」となり、卵巣がんの患者さんブログや医療論文などを見ても、どの情報を信じて良いかもわからず苦労をしたことを語りました。「どこに指針を置いて情報を調べて良いか分からなかったし、(自身が活動する)患者会でも情報収集に困ったという声がとても多い。知識がない、ゼロベースの人でも理解できるような分かりやすい情報提供のあり方が必要である」と、コメントしました。
 


その後、料理家で乳がんサバイバーの栗原 友さんが、HBOCの遺伝子検査を受け、乳房と卵巣、卵管の予防切除に至った経験を話しました。栗原さんは、トリプルネガティブという種類の乳がんであることが分かり、HBOC診断のために検査を受けられています。検査の結果、遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすいことが分かり、がんが見つかった左胸だけでなく右胸も切除、卵巣がん発症に備えて卵巣と卵管を摘出されています。「(検査で)自分のことを知り、備えたいと思った。そして、今後がんになる不安を少しでも取り去りたいという気持ちが予防切除をした大きな理由だった」と話し、検査によって将来的ながんのリスクを知り、その上で自分に合った治療選択をすることの大切さを語りました。


トークセッションでは、卵巣がん患者さんが情報収集時に感じている困りごとや、主治医とのコミュニケーションのあり方に関して、女性医療ジャーナリストで自身も乳がんサバイバーである増田 美加さんをファシリテーターに迎えて登壇者全員で話し合いました。

イベントに先立って実施された卵巣がん患者さんの意識調査でも、62%の患者さんが情報収集において困ったことがあったと回答しており、具体的には「信頼できる情報がどれかわからなかった」「いろいろなサイトに見に行かなければならなかった」と挙げていました。視聴参加者から寄せられた「がんと診断された際に最も欲しかった情報は?」という質問に対して吉田さんは、「がんに対する知識が無い人でも理解ができるような、読みやすい情報が欲しかった。加えて専門医からこの情報を見ると良いといったお墨付きがあれば、いろいろな情報を探すことなく、理解することに集中できたのではないか」と答え、医師の監修がある信頼できる情報が、ワンストップで入手できる情報ツールがいかに必要とされているかをお話いただきました。

情報収集の困難に加え、調査では54%の患者さんが「専門用語が難しく、治療説明がその場ですぐに理解できなかった。担当医師に質問や相談するのを躊躇した」と回答しており、医師とのコミュニケーションに苦労している卵巣がん患者さんも多くいることが明らかとなりました。これに対し栗原さんからは、「聞きたいことはメモをして、全てを医師に聞いた。医師だからといって、(気持ちを汲み取って)何でも教えてくれるわけではないし、自分の病気のことは自分で責任を持って把握する必要がある」と、医師と良い関係を構築しながら、積極的に質問をして疑問を解決した経験が語られました。また藤原先生からも、「患者さんが治療と向き合うためには、自身の治療方針に納得することが求められる。だから患者さんには納得するまで遠慮なく医師に相談してもらいたいし、医師側も患者さんが十分理解できるよう、分かりやすい説明を心掛ける必要がある」とのお話しがありました。

また、本イベントに参加された卵巣がん治療を経験した方々からいただいたアドバイスも紹介されました。多く寄せられたメッセージとして、「何か異変があったら躊躇せず婦人科を受診することが大事」「卵巣がんは検診での発見が難しい。なので、いつもと違う婦人科の症状があったらすぐに医療機関を受診して欲しい」というメッセージがありました。トークセッションの最後は、増田さんが「2人に1人ががんになると言われている現在、がんを自分ゴトとして捉え、女性であれば卵巣がんリスクにも意識が向くようになればと思います」と結びました。

今回、患者さんの情報収集や医師とのコミュニケーションにおける困難、一般の卵巣がんに対する意識の低さなど、卵巣がんを取り巻くさまざまな課題を参加者と共有するとともに、「わかる卵巣がん」LINEアカウントのような、卵巣がんの正しい情報をワンストップで提供できる情報ツールの重要性を改めて認識するイベントとなりました。今後もアストラゼネカは、卵巣がんの疾患啓発活動を通じて疾患に関する正しい情報の訴求と、患者さんのより前向きな治療をサポートできるよう尽力して参ります。

<イベント概要>
催事名: 「わかる卵巣がん」~卵巣がんとうまくつきあうには?~
開催日時: 10月14日(木)18:00~19:20
形式: オンライン
共催: アストラゼネカ株式会社、認定NPO法人キャンサーネットジャパン
登壇者: 藤原聡枝先生(大阪医科薬科大学 医学部 産婦人科学教室)
    吉田ゆりさん(がんと働く応援団 代表理事/卵巣がんサバイバー)
    栗原友さん(料理家/乳がんサバイバー)
    増田美加さん(女性医療ジャーナリスト/トークセッションファシリテーター)

<「わかる卵巣がん」LINEアカウント概要>
・治療や療養生活に役立つ幅広い情報
-卵巣がんの特徴や基本的な治療などを解説
-患者さんが抱きやすい疑問について、Q&A形式で解説
-さまざまな年代、家族構成の患者さんの体験談を掲載
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・ご利用方法:
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登壇者プロフィール

藤原聡枝先生(大阪医科薬科大学 医学部 産婦人科学教室)
大阪医科大学卒業後、母校で初期研修を修了し現職で勤務。専門は婦人科腫瘍であり、日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍専門医、がん治療認定医、日本婦人科内視鏡学会技術認定医を取得。婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)にて、卵巣がん委員を務め、婦人科腫瘍の研究から臨床まで幅広く活躍される。治療成績だけではなく、副作用緩和や患者さんの生活全体を考えた医療を目指して治療に臨まれている。

吉田ゆりさん(がんと働く応援団 代表理事)
81年生まれ東京都出身 千葉大学文学部行動科学科社会学卒
第一種衛生管理者/2級キャリアコンサルティング技能士/両立支援コーディネーター
2018年秋(37歳)に卵巣がんになり、手術。経験した事で「がん=死ではない」事に気がつき、一社)がんと働く応援団を設立し“がんに負けない組織・人を増やす”「がん防災プロジェクト」を企業へ提供中。

栗原友さん(料理家)
75年生まれ東京都出身 株式会社クリトモ 代表取締役 NHK 中央放送審議会委員
2019年に乳がんが見つかり、遺伝子検査の結果、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断をうけ予防切除に踏み切った。ファッション誌のフリーエディター、PR 会社勤務を経て、2010 年より料理家として活動。築地にて鮮魚店「クリトモ商店」、目黒にて飲食店「かもちゃんち」、「クリトモ式混ぜ麺」、「クリトモ式ツナマヨ混ぜカレー」の経営を行う。

増田美加さん(女性医療ジャーナリスト)
当事者視点に立った女性のヘルスケアや医療について執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、がんやがん検診の啓発活動を行う。NPO法人「女性医療ネットワーク」理事「マンマチアー委員会」主宰。NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。増田美加オフィシャルサイト http://office-mikamasuda.com/

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卵巣がんについて
日本において毎年新たに卵巣がんと診断される患者さんは約13,000人(1)です。初期の卵巣がんは自覚症状がほとんどないため、診断された時には進行していることが多いといわれています(2)。また、健康診断において、乳がんや子宮頸がんが乳腺や婦人科検診といったオプション検査で早期発見される可能性があるのに対し、現在のところ、卵巣がんに対して検診が有効であるという研究報告はなく、国が指針として定める検診はありません(2)。卵巣がんは、検診で早期発見することが難しいがんといえます。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)について
乳がんと卵巣がんの中には遺伝性のものがあり、代表的なものとして遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary Breast and Ovarian Cancer、HBOC)があります。HBOCの方は「BRCA1遺伝子」あるいは「BRCA2遺伝子」というがん抑制遺伝子に生まれつきの変異があることで、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がんなどの特定のがんの発症リスクが高くなります(3)。「BRCA1遺伝子」および「BRCA2遺伝子」は、性別に関係なく誰もが両親から一つずつ受け継ぐがん抑制遺伝子で、このがん抑制遺伝子に変異が起き、がん遺伝子の抑制機能が失われると、乳がんや卵巣がんなどを発症しやすくなると言われています(4)。2つある遺伝子のうち1つが変異し、がん遺伝子の抑制機能が失われても、通常はもう片方の遺伝子が機能しているため細胞ががん化するのを抑制します。しかしHBOCの方は生まれつき1つの遺伝子に変異があるため、もう1つの遺伝子に変異が起きると細胞のがん化を抑制できなくなります。そのため、HBOCの方は変異のない方より、乳がんや卵巣がんなどになる可能性が高くなります。

認定NPO法人キャンサーネットジャパンについて
1991年発足。がん患者が本人の意思に基づき治療に臨むことができるように科学的根拠に基づく情報発信を行うことをミッションとして活動。2001年にNPO法人化。2007年1月に専用事務局を開設し、現在は東京と大阪を拠点に全国で活動を行っている。2016年8月認定NPO法人となり、現在主たる活動は、各種がんについての啓発イベント、養成講座や認定試験など教育事業等を実施。これらの活動を通して、がんと向き合う人々が自分らしくがんと向き合える社会を実現することを目指している。希少がんも含め、あらゆるがんに関する最新医療情報発信のため、2014年より毎年開催しているジャパンキャンサーフォーラムは、がん患者・家族のみならず一般市民を対象とした最大級のがん啓発イベントとなっている。 https://www.cancernet.jp/

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター @AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、および呼吸器・免疫を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社については https://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。

Reference
1.国立がん研究センター がん情報サービス 全国がん罹患データ(2016年~2018年)https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html (2021年9月アクセス時)
2.国立がん研究センター がん情報サービス 卵巣がんhttps://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/index.html
3.遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン 2021 年版
4.国立がん研究センター がん情報サービス
 http://ganjoho.jp/public/cancer/genetic-familial/index.html (2021年9月アクセス時)

プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021101513-33dbd92d3299bcad7b89c635347569de.pdf
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