複数の運航管理システムが連携し、 ドローン同士の衝突を回避する基盤構築実証に成功
Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「次世代空モビリティ実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」(※1)の一環として実施された実証に協力企業として参加し、同一空域内で複数の異なるドローン運航管理システム(UTMS:UAS Traffic Management System)が連携する環境下での運航検証において、自社が開発・提供する「Terra UTM」を活用しました。
本実証では、KDDI株式会社をはじめとするUTM事業者4社が、それぞれ異なるUTMSを用いて同一空域内でドローンを飛行させ、飛行計画の調整、フライトステータスの共有、運航者間の調整を通じた安全な運航の実現を検証しました。
※1 次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(Realization of Advanced Air Mobility Project:ReAMo(リアモ)プロジェクト):https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP2_100181.html
実証の背景と目的
ドローンの活用は、農業、測量、インフラ点検にとどまらず、災害対応や物流といった公共性の高い分野にも拡大しています。一方で、複数のドローンや有人機が同一空域内を安全かつ効率的に飛行するには、飛行計画、運航状況、気象・空域情報などを共有・調整できる仕組みが不可欠です。これに対応するため、国土交通省航空局は、無人航空機間での衝突を防止し、安全・効率的な運航管理をより広く実現することを目的に、適正な機能を持つUTMサービスプロバイダの認定を開始する予定です。本実証は、この制度の開始に先立ち、UTMSの機能性と運用性を検証することを目的として実施されました。
実証の概要
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実施日 : 2025年2月19日、2月20日
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実施場所 : 福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市原町区萱浜字新赤沼83番)
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実証主体 : KDDI株式会社、株式会社NTTデータ
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協力企業 : 株式会社トラジェクトリー、Terra Drone株式会社
参加各社は、実災害を想定したシナリオの下、それぞれのUTMSを活用し、最大5機のドローンを同一空域で運航する検証を行いました。飛行計画の調整、フライトステータスのモニタリング、空域・気象情報の共有、緊急用務空域の設定など、多様な運用ケースに対応したシステム連携が実施されました。
各社のUTMS間の連携は、国土交通省航空局が運用するドローン情報基盤システム(DIPS2.0)(注2)に相当する機能を模擬的に構築して実証しました。また、UTMS非利用のドローン運航者を含む運用シナリオも組み込まれ、デジタルツールを活用した運航情報の共有と相互調整の有効性も確認されました。
※2 ドローン情報基盤システム(Drone/UAS Information Platform System:DIPS)https://www.mlit.go.jp/koku/content/001443274.pdf
Terra UTMの活用内容
本実証において、テラドローンは「Terra UTM」を活用し、以下の機能を担いました。
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飛行計画の作成・登録
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飛行エリアの重複検知および他社UTMSとの調整による重複解消
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フライトステータスの共有と可視化
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DIPS2.0模擬環境経由でのUTMS間連携
特に、緊急空域が設定される状況下での調整や、複数の運航者がリアルタイムに情報を共有・対応する場面においても、「Terra UTM」の安定稼働と連携性が確認されました。


今後の展望
本実証の成果を踏まえ、テラドローンは「Terra UTM」の更なる機能強化を進め、安全性・効率性を両立する次世代のドローン運航管理体制の確立を支援し、災害対応や物流、監視・点検といった社会課題の解決に取り組んでまいります。
Terra Drone株式会社
Terra Drone株式会社(テラドローン)は、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)の開発・提供や、国外を対象にした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも注力し、幅広い産業に貢献しています。
テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2020年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。
テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。
詳しくは http://www.terra-drone.net
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net
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