サイボウズ「大企業におけるAI活用実態調査」第1弾を公開―大企業の63%がAI活用戦略を策定済み
AI活用の最大の課題は「使いこなせる人材が少ない」が49%。次いで「回答精度・信頼性への不安」が40%、「セキュリティ上の懸念」が37%
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)は、大企業におけるAI活用の進捗状況や導入時の課題を多角的に把握するため、「大企業におけるAI活用実態調査」を実施しました。

調査実施の背景
昨今AIの普及が急速に進む中で、多くの企業では「個人のアシスタント」としての利用に止まり、業務・組織としての変革にはつながらない現状があります。そこでサイボウズでは、従業員数1,000名以上の企業551社(情報通信業を除く)の経営層およびIT・DX部門に所属する方を対象に、AI戦略の策定状況、AI活用の実態、AIエージェント活用の現在地、そしてAIガバナンス・効果検証・組織耐性といった「使いこなしの構造」を多角的に把握するために、本調査を実施しました。
なお、本調査は3つのテーマに分け、順次公開を予定しております。
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第1弾:本日公開の【AI活用の方針・浸透状況編】
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第2弾:10月14日(水)公開予定【コスト・ガバナンス・データ活用編】
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第3弾:10月28日(水)公開予定【AIエージェントの活用実態編】
第1弾【AI活用の方針・浸透状況編】調査サマリ
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AIを「全社的に推進・活用している」企業は6割。9割超の企業は何らかの形でAI活用に取り組んでいる。
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AI活用戦略を策定済みの企業は63%に達し、経営層が主導する企業は72%だった。
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AI活用の現状は「一部業務で効果は出ているが全社に広がっていない」が31%で最多となり、組織変革まで実現できている企業は21%に留まった。
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AI活用の最大の課題は「使いこなせる人材が少ない」が49%。次いで「回答精度・信頼性への不安」が40%、「セキュリティ上の懸念」が37%だった。
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人材育成に取り組む企業は76%に上る一方、AI活用の専任組織を持つ企業は34%に留まる。
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今後の活用拡大領域は「業務自動化・プロセス自動化」が61%、「データ分析・意思決定支援」が54%で上位となった。
AIの全社的な活用推進は6割、ステージは普及段階へ
1.AIを「全社的に推進・活用している」企業は60%、AI未活用企業は3%
AI活用状況を確認したところ、「全社的に推進・活用している」が60%で最も多かった。「一部の部門・業務で活用している」25%、「試験導入・PoC段階」8%を合わせると、9割超の企業が何らかの形でAI活用に取り組んでいることがわかった。一方で、「取り組んでいない」「禁止されている」と回答した企業は合わせて約3%にとどまった。

2.AIの全社員利用率は「40~60%未満」が24%で最多、「80%以上」は14%
AIの全社員に対する利用率を尋ねたところ、「40~60%未満」が24%で最多となり、「20~40%未満」が23%で続いた。一方で、「80%以上」と回答した企業は14%となり、企業ごとにAI活用の浸透段階が異なる状況がみられた。

3.AI活用用途は「文書作成・メール作成・議事録作成」が83%で最多
現在のAI活用用途について尋ねたところ、「文書作成・メール作成・議事録作成」が83%で最も多く、「情報収集・リサーチ・要約」が66%、「データ分析・集計・レポート作成」が52%で続いた。AI活用は、まず日常的な情報処理や文書作成業務から広がっていることがうかがえる。

AI活用の浸透は、戦略策定と経営層のリーダーシップが左右
4.AI活用戦略を策定済みの企業は63%、「特にない」は17%
AI活用戦略の有無について確認したところ、63%の企業が何らかの形で戦略を策定していた。その内訳は「全社に共有されている」が37%、「全社に浸透している」が12%、「一部の担当者のみ把握している」が14%であった。一方で、「現在策定中」は14%、「特にない」は17%となった。

5.経営層が関与するAI推進体制は72%、そのうち経営が意思決定まで担っているのは27%
AI活用の推進体制について尋ねたところ、「経営層が示した方針に沿って推進組織が実行している」が45%で最も多く、「経営層がAI活用を主導し意思決定している」が27%で続いた。両者を合わせると72%となり、多くの企業で経営層がAI活用に関与していることがわかった。

6.経営層がAI活用を主導する企業の90%が全社的にAIを推進・活用
AI活用状況と経営層の関与度をクロス集計したところ、「経営層がAI活用を主導し、意思決定している」企業では、90%が「全社的に推進・活用している」と回答した。一方で、「経営層はほぼ関与していない」企業では23%にとどまり、経営層の関与度によってAIの活用・推進に大きな差がみられた。

AI活用は進む一方、全社的な変革にはつながっていない
7.AI活用の現状は「一部業務で効果は出ているが全社には広がっていない」が31%で最多
AI活用による成果について尋ねたところ、「一部の業務で効果は出ているが全社には広がっていない」
が31%で最も多かった。次いで「業務効率化・コスト削減に成果が出ている」が25%、「組織全体の変革・業務変革に直結している」が21%となった。AI導入は進む一方で、全社的な変革につながっている企業はまだ限定的であることがわかった。

8.81%がAIによる業務の変化を実感
AIによる業務プロセスへの影響を尋ねたところ、「一部の業務フローが変わった」が40%で最も多く、「仕事の仕方は変わっていないが速度が上がった」が31%、「業務プロセスを大きく変えた」が10%となった。これらを合わせると81%が何らかの変化を実感していることがわかった。

最大の壁は「人材・ノウハウ・費用対効果」
9.AI活用の課題は「使いこなせる人材が少ない」が49%で最多
AI活用における課題・不満について尋ねたところ、「使いこなせる人材が少ない」が49%で最も多かった。次いで「AIの回答精度・信頼性に不安がある」が40%、「セキュリティ上の懸念が解消されていない」が37%、「社内データや業務コンテキストと連携できていない」が34%となった。

課題・不満の要因を外部要因と内部要因に分類すると、内部要因としては「人材」「ノウハウの蓄積」「費用対効果」の3点に集約された。これらはAI活用の定着や成果創出に直接影響する要素であることから、以降では各企業における対応状況について分析を行った。
10.76%がAI人材育成に取り組む。取り組み内容では「全社員向けAIリテラシー研修」が46%
AI人材育成の取り組みについて尋ねたところ、「全社員向けのAIリテラシー研修」が46%で最も多く、「IT・DX担当者向けの専門研修」が31%で続いた。全体では76%の企業が人材育成施策に取り組んでいる一方で、「特に取り組んでいない」と回答した企業も24%存在した。

11.AI推進の専任組織がある企業は34%、兼任担当者がいる企業は41%
AI推進体制について確認したところ、「兼任担当者がいる」が41%で最も多く、「専任のAI推進チーム・組織がある」が34%で続いた。専任・兼任を合わせると75%の企業で何らかの推進体制が整備されていた。

12.プロンプト・活用ノウハウを組織的に共有している企業は44%
AI活用ノウハウの共有状況について尋ねたところ、「社内ポータルなどで組織的に共有・蓄積している」が44%で最多となった。一方で、「個人の中に留まり共有はほぼされていない」は22%であり、ノウハウの組織的な蓄積については企業間で差がみられた。

13.AI活用について「KPIを設定し、定期的に測定・評価」している企業は28%
AI活用の評価状況について確認したところ、「KPIを設定し定期的に測定・評価している」は28%であった。一方、「KPIを設定しているが定期的な測定・評価は行っていない」の21%、「KPIは設定しておらず、定性的な評価のみ行っている」21%も合わせると、71%の企業が何らかの形でAI活用を把握・評価していることがわかった。

14.AI活用の効果測定は「定性的評価」が34%、「定量的なKPI設定」が30%
効果測定の方法について尋ねたところ、「定性的な評価(アンケート・ヒアリング)」が34%で最も多く、「定量的に計測した結果をKPI設定している」は30%であった。また、「測定方法・指標は統一されていない」と回答した企業も17%みられた。

このように、AI活用の内部課題への対処状況には企業間でばらつきがみられた。今後、より高度なAI活用や業務変革を実現するためには、人材育成やノウハウの蓄積、効果測定の仕組みづくりを継続的に進めていくことが求められる。
企業が期待する次のAI活用は「業務自動化」と「意思決定支援」
15.今後の活用拡大領域は「業務自動化・プロセス自動化」61%、「データ分析・意思決定支援」54%
今後のAI活用拡大領域について尋ねたところ、「業務自動化・プロセス自動化」が61%で最も高く、「データ分析・意思決定支援」が54%で続いた。それ以降は「社内ナレッジ管理・情報検索」が20%、「カスタマーサポート・顧客対応」が13%、「製品・サービス開発」が13%となった。

今後のAI活用拡大領域として、「業務自動化・プロセス自動化」「データ分析・意思決定支援」が半数を超える企業から期待を集めた。一方で、これらの領域で成果を創出するためには、人材不足やノウハウの蓄積不足、費用対効果の可視化といった課題の解決が欠かせない。AI活用を全社的な成果につなげるためには、経営層のリーダーシップのもと、活用目的を明確化するとともに、これらの課題に継続的に取り組むことが求められる。
調査概要
調査主体 :サイボウズ株式会社
調査実施機関 :株式会社インテージ
調査方法 :インターネット調査(マイティーモニターよりランダムに抽出)
調査実施時期 :2026年7月6日(月)~7月9日(木)
対象者条件 :
・従業員数1,000人以上の企業・団体に勤務する人
・経営者もしくはIT・情報システム・DXに関する業務に従事する人
※情報通信業を除く
回収数 :551社
※本調査を引用いただく際は出所の明示(サイボウズ『大企業におけるAI活用実態調査(2026年)』をお願いいたします。
※記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。また、当社製品には他社の著作物が含まれていることがあります。個別の商標・著作物に関する注記については、下記をご参照ください。
https://cybozu.co.jp/logotypes/other-trademark/
IT Foresightについて
「IT Foresight」はサイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアです。
急速な変化が続く経営環境のなか、テクノロジーを経営戦略と結びつけ、組織全体で実行する視点が求められています。こうした時代において、独自の分析や多角的な視点から、今後のビジネスに必要な課題解決や成長戦略を考えるうえで役立つ知見を発信しています。
https://cybozu.co.jp/it-foresight/
※商標・著作権表示に関する注記については、こちらをご参考ください。
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