300万時間の業務削減へ クレディセゾン、全社員のAIワーカー化を目指し「CSAX戦略」を始動。ChatGPT Enterpriseを3,700人に導入、2028年春のAIコールセンター実現へ
株式会社クレディセゾン(本社:東京都豊島区、代表取締役(兼)社長執行役員COO:水野 克己、以下:当社)は、デジタル技術の活用によるビジネス変革・転換に取り組み、デジタル時代を先導する企業を目指して「CSDX戦略(Credit Saison Digital Transformation)」を2021年より推進してまいりました。
このたび当社は、CSDX戦略の新たなフェーズとして、全社員3,700人を対象にAI活用を当たり前とする文化を築き上げ、2027年度末までに累計300万時間の業務削減を目指す「CSAX戦略(Credit Saison AI Transformation)」を始動いたしました。
本戦略では、業務の再設計・AIガバナンスの強化に加え、AIにも読みやすい文書・API設計の徹底などを通じて、組織全体の“AIネイティブ化”を推進してまいります。
CSAX戦略の取り組みの第一弾として、OpenAI, Inc.(以下OpenAI)が提供する企業向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」を全社員に導入いたします。

これまでのCSDX戦略における取り組み
2019年より内製開発を開始し、スマートフォン向けアプリなどのフロントエンド系システムに加えて、内製開発の対象領域を順次拡大してまいりました。現在では、基幹系システムを含む内製開発を推進しております。
2021年からは「全社DX」を掲げ、CSDX戦略を発表するとともに、情報システム部門と内製開発を担うデジタル部門を統合、CSDX推進部として体制を強化し互いの強みを融合しながらより機動的なシステム開発を進めてまいりました。
さらに2023年からは「全社員によるDX」をテーマに掲げ、社員のITリテラシー向上にも注力しております。
これらの取り組みにより、2019年比で累計161万時間の業務を削減し主要システムのクラウド移行率は80%に到達、あわせて、約500人のデジタル人材を採用・育成してまいりました。
CSAX:「AIを前提とした、全社の業務の再設計」
2022年にChatGPTが登場して社会に衝撃を与えて以来、生成AIによって仕事や生活スタイルが劇的かつ急速に変化を続けています。当社はこうした社会の変化を踏まえて、AIはもはや一部の専門職のための技術ではなく、すべての社員・すべての業務が主役となる変革のエンジンであると捉え、AIの利活用を前提として全社の業務を再設計いたします。
-
全社員3,700人のAIワーカー化・全社員がAIツールを利用可能にし、すべての職種、階層でAIを日常的に活用できる環境を構築いたします。
・2025年6月から8月にかけて、OpenAIの全面サポートのもと、社長以下全役員を含む約300人を対象にChatGPT Enterpriseのパイロット導入を実施しました。業務への効果検証を行った結果、参加社員一人あたり年間170時間の業務削減効果が見込めることを確認いたしました。
・この成果を受け、同年9月より全社員を対象にChatGPT Enterpriseを導入し、さらなる業務効率化とイノベーションの創出を推進いたします。
・また、本プロジェクトに参画したメンバーをCSAXリーダーとして、プロンプト活用やカスタムGPTの開発、コミュニティ形成などを通じて、全社的なChatGPT Enterpriseの活用を推進いたします。
-
業務の再設計・AI起点の業務改革
・単なる業務の自動化ではなく、「AIがある前提」で業務全体を根本から見直してまいります。
・「人間かAIか」の二項対立ではなく、「ChatGPT EnterpriseなどのAIによるアシストを前提にした人間が本来行うべきことに集中できる業務設計」を推進いたします。
・2028年春までに本格的なAIコールセンターのサービス開始を目指します。2026年9月に予定している音声基盤更改後、OpenAIのRealtime APIなどの音声認識(Speech-to-Text)を活用し、AIによる応答や処理を段階的に拡大します。
・これにより、AIに任せられる対応は自動化し、オペレーターは複雑な対応やお客様体験の向上に専念できる体制を構築いたします。
-
AIフレンドリーな情報・システム設計・文書、規定、ナレッジなどの社内資産を人間にとっての読みやすさだけでなく、AIにとっての構造的、意味的な読みやすさ(機械可読性)を考慮して整備いたします。
・システム開発においてもAIが参照・実行できるよう、API連携、データ構造の透明性を重視してまいります。
・ナレッジやマニュアルなどの情報の一元管理やデータに関連情報などのメタデータを付与することで、データ管理において安全性の高いChatGPT Enterpriseなどがコンテキストを把握し、適切な処理・応答ができるようにします。これによりスピーディで、パーソナライズされたお客様対応を可能とし、お客様に最適な提案や応答を実現してまいります。
-
AIガバナンスの確立
・AI開発指針やポリシーの策定、AIサービスの利用状況の把握など、モニタリングプロセスの整備等を推進します。
・モデルの品質、リスク、透明性の管理、セキュリティ対策を継続的に実施してまいります。
・AIワーカーの育成プログラムの始動や運用プロセスの継続的な改善を実施します。

個人・現場起点 |
全社・組織起点 |
|
---|---|---|
文化・意識の変革 (マインドセット) |
(1)全社員3,700人のAIワーカー化 ・AIを使うことが当たり前の 文化づくり ・自律的な学習と活用習慣の醸成 |
(3)AIフレンドリーな情報・システム設計 ・設計思想の転換に向けたマインド セットの変革 ・現場・開発部門が“AIを相手に する”意識を持つ |
仕組み・構造の変革 (メカニズム) |
(2)業務の再設計・AI起点の 改革 ・AIによる現場業務の抜本的 再設計 ・顧客接点の質と効率の両立 |
(4)AIガバナンスの確立 ・モニタリング・ルール・運用体制の整備 ・AIワーカー育成プログラムの始動 |
CSDX Target 2027
「CSDX Target 2027」として、2027年度末※1までの約2年半で、累計300万時間(社員1,500人の年間労働時間相当)の業務削減※2の達成を目指します。
※1 2028年3月末
※2 2019年対比
<CSAXならびにChatGPT Enterprise全社導入についての両社のコメント>
株式会社クレディセゾン 代表取締役(兼)社長執行役員COO 水野 克己
当社はこれまで、CSDX戦略のもと、全社DXに取り組んでまいりました。今回、AIを前提とした新たな企業変革「CSAX戦略」を通じて、全業務の再設計に踏み出します。OpenAIのChatGPT Enterpriseは、社員の思考や創造性を支え、業務の質そのものを高める強力なパートナーです。全社員が安全かつ自由に生成AIを使いこなすことで、お客様への提供価値をさらに磨いていけると確信しています。
OpenAI JAPAN合同会社 代表執行役社長 長﨑 忠雄
クレディセゾン様が金融サービス業界において、いち早く生成AIを経営の中核に据え、「CSAX戦略」のもと全社員への ChatGPT Enterprise 導入を実現されたことを高く評価いたします。OpenAI は、生成AIが安全で創造的な進化を支え、強固な基盤となる未来の実現を支援します。今後もクレディセゾン様とともに、業務効率の向上にとどまらず、新たな価値創出につながるイノベーションの推進に全力で取り組んでまいります。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像