サイボウズ「大企業におけるAI活用実態調査」第3弾を公開 ー AIエージェントを導入し ている企業は6割超。 一方で、1~3年後を明確に描いている企業は1割未満
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)は、大企業におけるAI活用の進捗状況や導入時の課題を多角的に把握するため、「大企業におけるAI活用実態調査」を実施しました。
第3弾【AIエージェントの活用実態編】では、AIと人間の責任分界点の設定について、明文化している企業は2割に満たないなど、AIエージェントの本格活用に向けた今後の課題も浮き彫りになりました。
本リリースは10月28日(水)に配信を予定しておりましたが、諸般の事情により本日の配信となりました。

調査実施の背景
昨今AIの普及が急速に進む中で、多くの企業では「個人のアシスタント」としての利用に止まり、業務・組織としての変革にはつながらない現状があります。そこでサイボウズでは、従業員数1,000名以上の企業551社(情報通信業を除く)の経営層およびIT・DX部門に所属する方を対象に、AI戦略の策定状況、AI活用の実態、AIエージェント活用の現在地、そしてAIガバナンス・効果検証・組織耐性といった「使いこなしの構造」を多角的に把握するために、本調査を実施しました。
なお、本調査は3つのテーマに分けて公開しており、今回が第3弾となります。
-
第1弾:9月30日(水)【AI活用の方針・浸透状況編】
-
第2弾:10月14日(水)【コスト・ガバナンス・データ活用編】
-
第3弾:本日公開の【AIエージェントの活用実態編】
第3弾【AIエージェントの活用実態編】調査サマリ
-
AIエージェントを何らかの形で導入している企業は6割で、AI活用方針の中に「AIエージェントを含む」企業は約半数にのぼった。
-
AIエージェントを導入もしくは検討している業務は、1位「ITシステムの運用・監視・インシデント対応」、2位「社内問い合わせ対応・ヘルプデスク業務」であった。
-
AIエージェント導入/試行後の変化は、1位「業務品質・精度の向上」、2位「担当者が判断・創造業務に集中できるようになった」、3位「処理時間・工数の削減」であった。
-
AIエージェント導入の課題は「業務プロセス見直しの難しさ」が最も多く、次いで「セキュリティ・情報漏洩リスクへの懸念」、「データ基盤・システム連携の未整備」となった。
-
AIエージェントに対して、レビュー・確認する仕組みや体制がある企業は2割にとどまる。
-
1~3年後のAIエージェント活用イメージを「明確に描いている」企業は1割未満であった。
1. AIエージェントを何らかの形で導入している企業は6割
AIエージェントの導入状況について尋ねたところ、「全社で本格的に導入済み」が16%、「部門・業務限定で導入済み」が30%、「試行(PoC)中」が16%となり、これらを合わせると62%の企業が何らかの形でAIエージェントの導入に着手していることがわかった。「検討中」も17%あり、導入・検討を合わせると約80%に達する。

2. AI活用方針の中に「AIエージェントを含む」企業は約半数
第1弾のQ15(大企業におけるAI活用実態調査(AI活用の方針・浸透状況編)| IT Foresight)で示したとおり、今後のAI活用拡大領域として「業務自動化・プロセス自動化」を挙げた企業は61%で最も多かった。この業務自動化を担う手段として注目されているのが、自律的にタスクを分解・実行するAIエージェントである。
では、企業のAI活用方針の中で、AIエージェントはどのように位置づけられているのか。自社のAI活用方針の中にAIエージェントに関する内容が含まれているかを尋ねたところ、「AIエージェントを含む」が48%で最も多く、「含む方向で検討中」の21%を加えると、方針レベルでAIエージェントを意識している企業は合計69%にのぼった。

3. AIエージェントを導入もしくは検討している業務内容は、1位「ITシステムの運用・監視・インシデント対応」、2位「社内問い合わせ対応・ヘルプデスク業務」
AIエージェントを導入もしくは検討している業務内容を尋ねたところ、「ITシステムの運用・監視・インシデント対応」が47%、「社内問い合わせ対応・ヘルプデスク業務」が46%で上位となった。以下、「営業支援」33%、「開発・テスト・デプロイの自動化」29%、「マーケティング・コンテンツ制作」23%と続いた。

4. 導入もしくは検討しているAIエージェントは、「既存SaaSに組み込まれたエージェント機能」が約6割で最多
導入もしくは検討しているAIエージェントの提供形態について尋ねたところ、「既存SaaSに組み込まれたエージェント機能」が59%で最も多く、次いで「AIエージェント専用プラットフォーム(Dify・n8n等)」の35%であった。「自社独自に内製開発」は27%、「SIer・ベンダーへの外注・委託開発」は13%であり、既存ツールの機能拡張として導入する企業が多いことがわかった。

5. AIエージェント導入/試行後の変化は、1位「業務品質・精度の向上」、2位「担当者が判断・創造業務に集中できるようになった」、3位「処理時間・工数の削減」
AIエージェントを導入もしくは試行したことによる変化について尋ねたところ、「まだ測定・評価できていない」が32%で最も多い一方、「業務の品質・精度が向上した」が28%、「担当者が判断・創造業務に集中できるようになった」が19%、「処理時間・工数が目に見えて削減された」が16%と続いた。

6. AIエージェント導入の課題は「業務プロセス見直しの難しさ」が最も多く、次いで「セキュリティ・情報漏洩リスクへの懸念」、「データ基盤・システム連携の未整備」
AIエージェントを導入もしくは検討している方に導入時の課題を尋ねたところ、「業務プロセス見直しの難しさ」が42%で最も多く、「セキュリティ・情報漏洩リスクへの懸念」が38%、「データ基盤・システム連携の未整備」が35%で続いた。「人員・役割再定義への不安」23%、「ガバナンス・責任の所在が不明確」22%も上位に入り、本格導入に向けて、業務・技術・組織体制の各面で対応が求められていることがうかがえる。

第2弾のQ11(大企業におけるAI活用実態調査(コスト・ガバナンス・データ活用編)| IT Foresight)では、主要な業務システムとAIを連携させている企業は11%にとどまり、半数以上の企業で業務データが「Excelや個人PCにも多く蓄積」されていることを示した。第2弾の結果と合わせても、データ基盤やシステム連携の整備が、AIエージェントの本格導入を進める上で重要なテーマとなっていることがわかる。
7. AIと人間の責任分界点の設定について、明文化している企業は2割に満たない
第2弾のQ5(大企業におけるAI活用実態調査(コスト・ガバナンス・データ活用編)| IT Foresight)では、AIガバナンスを策定済み・運用中の企業が51%と半数を超えることを示した。
では、AIエージェントについてはどうか。AIエージェントによる判断や業務実行について、責任の所在を明確にする仕組みや体制を尋ねたところ、「明文化されている」は16%にとどまり、責任の所在を明確にする体制整備は道半ばであることがわかった。

8. AIエージェントに対して、レビュー・確認する仕組みや体制がある企業は2割にとどまる
AIエージェントによる実行履歴をレビュー・確認する仕組みや体制について尋ねたところ、「体制整備を検討中」が39%で最も多く、「体制あり」は20%であった。「整備は検討していない」17%、「議論自体がまだない」25%であり、監査・レビュー体制の構築は多くの企業でこれからの課題である。

9. 1~3年後のAIエージェント活用イメージを「明確に描いている」企業は1割未満
今から1~3年後(2027年~2029年)を想定したAIエージェントの活用イメージについて尋ねたところ、「ぼんやりしている」が35%、「おおむね描けている」が34%であった。「明確に描けている」は8%にとどまり、「まったく描けていない」も23%あるなど、中期的な活用像の具体化は今後の課題である。

今回の調査では、大企業におけるAIエージェントの導入が進む一方、本格活用に向けた課題も明らかになった。導入に着手している企業は62%に達する一方、業務プロセスの見直しや責任分界点、レビュー体制の整備には課題が残り、1~3年後の活用イメージを「明確に描けている」企業も8%にとどまった。AIエージェントの導入が進み始める中、既存の業務プロセスを見直し、ガバナンスやレビュー体制を整えながら、中期的な活用像を具体化していくことが、本格活用に向けた今後の課題であることがうかがえる。
3つのテーマの調査結果から見えた、大企業のAI活用の現在地
【AI活用の方針・浸透状況】、【コスト・ガバナンス・データ活用】、【AIエージェントの活用実態】という3つのテーマに分けて公開した本調査では、大企業においてAI活用が広く浸透し、活用の幅も広がりつつあることが明らかになった。その一方で、業務データやシステム連携、業務プロセスの見直し、ガバナンスや運用体制の整備など、AI活用を進める上でのさまざまな課題も浮き彫りとなった。これらの課題への対応が、AI活用を次の段階へ進める上で重要なテーマになると考えられる。
調査概要
調査主体 :サイボウズ株式会社
調査実施機関 :株式会社インテージ
調査方法 :インターネット調査(マイティーモニターよりランダムに抽出)
調査実施時期 :2026年7月6日(月)~7月9日(木)
対象者条件 :
・従業員数1,000人以上の企業・団体に勤務する人
・経営者もしくはIT・情報システム・DXに関する業務に従事する人
※情報通信業を除く
回収数 :551社
※ 本調査を引用いただく際は出所の明示(サイボウズ『大企業におけるAI活用実態調査(2026年)』をお願いいたします。
※ 記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。また、当社製品には他社の著作物が含まれていることがあります。個別の商標・著作物に関する注記については、下記をご参照ください。
https://cybozu.co.jp/logotypes/other-trademark/
IT Foresightについて
「IT Foresight」はサイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアです。
急速な変化が続く経営環境のなか、テクノロジーを経営戦略と結びつけ、組織全体で実行する視点が求められています。こうした時代において、独自の分析や多角的な視点から、今後のビジネスに必要な課題解決や成長戦略を考えるうえで役立つ知見を発信しています。
https://cybozu.co.jp/it-foresight/
※商標・著作権表示に関する注記については、こちらをご参照ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
