【アルマーニ グループ】新プロジェクト「プーリア・リジェネラティブ・コットン・プロジェクト」を発表
サステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォース およびサーキュラー・バイオエコノミー・アライアンスと共同でイタリアにおけるファッションのサステナブルな道を革新的に拓く
2023年6月5日 – 環境の日に際して、アルマーニ グループは、現イギリス国王のチャールズ3世が皇太子時代に設立したサステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォースとサーキュラー・バイオエコノミー・アライアンスの2組織と共同で新しいプロジェクトを立ち上げたことを発表しました。「プーリア・リジェネラティブ・コットン・プロジェクト」と名付けられたこのプロジェクトは、アグロフォレストリーによるコットン生産の開発に焦点を当て、環境問題にコミットし、サステナブルな慣行を積極的に推進していることを証明するものです。
サステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォースとサーキュラー・バイオエコノミー・アライアンスが共同で支援し、欧州森林研究所 (EFI) がイタリア農業研究経済評議会 (CREA) およびPRETATERRAとともにコーディネートするこのパイロットプロジェクトは、イタリアにおいてサステナブルなコットン生産を行っていくための新たな方法を試み、科学的に評価するために、世界で初めてアグロフォレストリーによる実験的なリジェネラティブ(環境再生型)・コットン栽培地を開発することを目指します。その目的は、アグロフォレストリー・システムの活用により低カーボンフットプリントでコットンを生産しながら、景観の多様性、節水と土壌の肥沃化、生物多様性を向上させる方法を実証することにあります。この革新的なアプローチは、世界的に高まるサステナブル・ファッションへの消費者需要に応えるものであり、同時に、追跡可能で代替可能なバリューチェーンと資源の安全性を確保するものです。
「ファッションは、素材からすべてが始まり、私のデザインはすべて、生地選びからスタートします。そして、実験的に新たなファブリックを使うことで、私はファッションに革命を起こしてきました。しかし、テキスタイル産業は地球への影響が最も大きい分野の一つであるという事実は決して軽視できない問題です。サステナブル・マーケット・イニシアチブとの私たちのコミットメントは、より良い変化を促進することであり、この大胆かつ革新的なプロジェクトは、私や私の会社にとってとりわけ意義深いものです。特にイタリアの土壌を利用したアグロフォレストリー・リジェネラティブ・コットンの開発に積極的に参加することは、重要なステップであり、地域社会へのリアルなインパクトをもたらすことができるようになるはずです。かつては夢物語であったリジェネラティブファッションが、ようやく具体的な形になり始めました」とジョルジオ・アルマーニは述べています。
このプロジェクトは、温暖な気候で、多様な農作物を栽培するのに最適なイタリアのプーリア州にて、12世紀にまで遡ることができる長い伝統を持つコットン栽培を復活させます。5月から1ヘクタールの土地での最初のコットン栽培をスタートし、2024年には栽培面積を5ヘクタールまで拡大する予定です。
この農場では、5年をかけて、代替樹種とリジェネラティブ農法を用いたアグロフォレストリー・コットンの欧州初となるフィールド実験が行われる予定です。定期的な科学的レポートにて、収穫されたコットンの特性を評価し、それぞれの区画の環境負荷と生産レベルを公表していきます。
この「プーリア・リジェネラティブ・コットン・プロジェクト」は、実業家のフェデリコ・マルケッティが議長を務めるサステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォースと科学者のマルク・パラヒ率いるサーキュラー・バイオエコノミー・アライアンス (CBA) が共同で策定した「リジェネラティブ・ファッション・マニフェスト」の一部となっています。サステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォースのメンバーは、このマニフェストを遵守することで、リジェネラティブファッションへと漸進的にシフトしていくことに取り組んでいます。この循環型バイオベース産業は、地域社会に力を与えその繁栄を支えるバイオエコノミーのバリューチェーンと実践の基盤として新たに創出または回復された景観を使用します。
このイニシアチブは、サステナブルで責任ある開発を自社の価値観や事業戦略に取り込み、強化するというアルマーニ グループの誓約に沿ったものです。実際、2021年にアルマーニ グループはこの問題に関するガバナンスを強化し、「人・地球・繁栄」の3つの柱に基づく新しいサステナビリティ戦略を打ち出しました。アルマーニ グループはまた、ESG ポリシーに従い、自社およびバリューチェーン全体の具体的な目標も定めています。
*リジェネラティブとは、環境再生を意味する自然環境をよりよい状態に再生させることを目指す考え方。
*アグロフォレストリーとは、農業(Agriculture)と林業(Forestry)を組み合わせた造語。樹木を植え、森を管理しながら、そのあいだの土地で農作物を栽培したり、家畜を飼ったりすることを指し、森を伐採しない農業形態。
アルマーニ グループ (The Armani Group) について
1975年に会長兼CEOのジョルジオ・アルマーニによって設立されたアルマーニ グループは、世界有数のファッション&ラグジュアリーグッズを扱う企業グループです。アルマーニ グループは、アパレル、アクセサリー、アイウェア、ウォッチ、ジュエリー、コスメティック、フレグランス、家具・インテリアなどのファッション&ライフスタイル商品のデザイン・製造・流通・販売を手がけるだけでなく、食品・飲料、ホスピタリティ産業などの分野でも事業を展開しています。
www.armanivalues.com
サステナブル・マーケット・イニシアチブ (Sustainable Markets Initiative: SMI) について
2020年1月、まだ皇太子であった現イギリス国王のチャールズ3世によって立ち上げられたSMIは、自然、社会、人間、金融の各資本をバランスよく統合することで、長期的な価値を生み出す豊かで持続可能な経済を構築するために、業界を超えた世界のCEOたちが協力して取り組むネットワークです。SMIはまた、民間セクターの変革力、イノベーション、リソースが組み合わされた自然の力を活用する、野心的で持続可能な未来に向けて加速するための実践的なロードマップを提供する「テラカルタ (地球憲章)」を2021年に発表しました。
www.sustainable-markets.org
サーキュラー・バイオエコノミー・アライアンス (Circular Bioeconomy Alliance: CBA) について
CBAは、2020年に当時まだ皇太子だった現イギリス国王チャールズ3世により設立され、金融、バイオベースのバリューチェーンで事業を行う企業と、土壌の回復、生物多様性の強化、地域や先住民のコミュニティに仕事を提供し繁栄へと結びつけることを目的としています。メンバーには、政府間組織、企業、投資家、研究機関、NGOなどが含まれ、循環型バイオエコノミーに関連する分野の専門知識の提供や、プロジェクトの実施などを行っています。
https://circularbioeconomyalliance.org
欧州森林研究所 (European Forest Institute: EFI) について
EFIは、森林に関連する課題に関して、科学的研究を行い、政策支援を提供する汎欧州の国際機関です。EFIは、30カ国の加盟国と、40カ国から130以上の加盟組織があり、多様な研究分野に取り組んでいます。EFIは、欧州委員会および加盟国から資金提供を受けた、国境を越えて複雑な森林関連の科学的プロジェクトのコーディネートにおいて、25年以上の経験を有しています。このプロジェクトでは、プロジェクトの全体的なコーディネートやマネジメント、資金提供者とのやり取りなどを行います。EFIはまた実験的な設計・開発を主導し、プロジェクトの全段階に寄与します。
イタリア農業研究経済評議会 (Council for Agricultural Research and Economics of Italy: CREA) について
CREAは、イタリア全土にある12の研究センターで組織されています。CREA-AA (農業&環境センター) は、学際的・複合的なアプローチにより、農林業生態系の特徴づけ、持続可能なマネジメント、時空間モデル化に関する調査・研究を行っています。プーリア州・バーリ に拠点を置き、5つの実験農場を所有するCREA-AAが、今回のコンソーシアムの実施パートナーとなります。CREA-AAは、ルティリアーノにある5ヘクタールの「ヴェネツィアン実験農場」において、実験的栽培地の導入、モニタリング、科学的評価を担当します。
www.crea.gov.it
PRETATERRAについて
PRETATERRAは、科学的データ、経験的な先祖伝来の情報、伝統的な知識を技術革新と組み合わせ、再現可能なリジェネラティブアグロフォレストリー・システムを開発・導入しています。このプロジェクトでは、アグロフォレストリー・コットンの実験的栽培地やテストされるリジェネラティブ農法の共同開発に寄与します。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。