AIはデータセンターを構築できない:生成AIブームの影で深刻化する“熟練技能職”の不足、専門職を上回る採用難易度に
世界最大*¹の人材サービス企業であるランスタッド(本社:オランダ王国ディーメン、CEO:サンダー・ヴァント・ノールデンデ)は、最新の世界の労働市場分析により、熟練技能職*²の採用にかかる時間が専門職を上回り、AIによる成長を脅かす深刻なボトルネックとなっているという調査結果を発表しました。日本国内においても、建設業や設備管理などの熟練人材不足は喫緊の課題であり、本レポートは日本企業にとっても重要な警鐘となっています。
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物理的インフラの限界: AI拡張に必要なデータセンターや電力網を支える「熟練技能職」の需要が急増(ロボット技術者 +107%、HVAC(空調)エンジニア +67%、建設関連職+30%)
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逆転現象の発生: 熟練技能職の採用期間(56日)が専門職(54日)を上回り、成長を阻害する「二重の危機」に直面
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キャリアの再定義: 従来の熟年技能職(建設作業員(+30%)、溶接工(+25%)、電気技師(+18%))の需要が過去4年間で27%急増する一方で、「デジタルファースト」な職種へ進化しており、継続的な教育・トレーニングの機会提供が企業成長の鍵
AIが雇用に与える影響に関する議論では、仕事の代替について推測されることが多くあります。しかし、テクノロジーをトレーニングし、導入し、維持するために必要な「熟練技能人材」の需要が急増しているという重要な現実が見落とされています。
ランスタッドの最新の労働市場分析によると、AIブームにより、熟練技能職として働くことの意味が再定義されています。これらの役割はますます高度に専門化され、デジタルファーストのポジションになりつつあります。電気技師からロボット技術者に至るまで、デジタルの流暢さは今や必須条件です。この融合により、熟練技能職は従来の知識労働(ナレッジワーク)に近づいており、キャリアトラックとしての世界的な再評価と、継続的な教育・トレーニングの機会へのシフトが求められています。
■ 危機に瀕するクラウドの物理的基盤
AIの拡張には、データセンターやエネルギーシステムから自動化された生産施設に至るまで、膨大な物理的インフラストラクチャが必要であり、採用の増加はその拡大を反映しています。
生成AIや大規模言語モデル(LLM)が本格的に普及し始めた2022年後半以降の5,000万件以上の求人を分析したところ、データセンターの冷却システムの設置・保守に不可欠なHVAC(空調)エンジニアの求人が67%増加したことがわかりました。また、ロボット技術者の需要は107%、産業オートメーション技術者は51%増加しています。
従来の熟練技能職の役割も持続的な成長を見せており、過去4年間で27%増加しました。これは市場全体の平均を11ポイント、デスクベースの専門職を19ポイント上回る数値です。電気技師の求人は18%、溶接工は25%、建設関連職全体では30%増加しており、デジタルシステムの拡大に伴って熟練技能職の需要が高まっています。
■ 人材不足が成長を脅かす「二重の危機」
需要が加速する一方で、熟練技能職の人材パイプラインはますます逼迫しています。過去4年間の平均において、熟練技能労働者の採用にかかる期間(56日)が専門職(54日)よりも長くなるという、世界経済における「労働の逆転現象」が起きています。
人口動態の変化が労働力を再形成する中で、この圧力はさらに強まることが予想されます。熟練技能人材の重要な供給源である製造業では、参入する若者100人に対して102人が離職しており、これは年間1.72%の減少に相当します。同時に、世界中の労働者の約4分の1が定年退職年齢に近づいています。
■ ランスタッド・エヌ・ヴィー CEO サンダー・ヴァント・ノールデンデのコメント
「現在進行中のデジタル革命には、物理的な基盤があります。メディアの見出しはAIやホワイトカラーの仕事の未来に焦点を当てていますが、世界的な成長に対する本当の制約は、熟練技能職における専門人材の不足です。つまり、データセンターを構築し、電力網をアップグレードし、AIを可能にするインフラを維持する人々のことです。」
「熟練技能職の需要は、高度に専門化されたデジタルファーストの仕事へと進化しています。これらの役割は現在、知識労働者と同じように継続的な学習を必要とするため、私たちは熟練技能職をトップティアのキャリアトラックとして根本的に再評価しなければなりません。リーダーは、教育、スキルアップ、トレーニングへの投資を優先することで適応する必要があります。これを怠れば、私たちが達成しようとしているAIによる成長が行き詰まることになります。」

※ 当プレスリリースはランスタッドのオランダ本社より3月18日(水)に発表された、プレスリリースを元にした抄訳版です。英語版プレスリリースはこちらをご覧ください: www.randstad.com/press/2026/ai-cant-build-data-centers-global-demand-for-skilled-trades-soars-in-the-ai-era/
*¹ Staffing Industry Analysts 2025、人材サービス企業売上ランキングより
*² 熟練技能職(skilled trades)について 正確で専門的なタスクを遂行するために、専門知識、実践的なスキル、そして多くの場合、正式なトレーニングや見習い期間を必要とする職業。これらの役割は、一般的に以下のような業界で見られます。
軽工業(食品、ヘルスケア、パッケージングなど)
重工業(エネルギー、自動車、機械、鉄鋼、防衛など)
建設および保守
熟練技能職は、インフラストラクチャ、産業運営、日常的なサービスの構築、保守、推進に不可欠です。
※ データについて:ランスタッドは5,000万件の求人情報を分析し、2022年から2026年までの役割の増加を調査しました。
■ ランスタッドの会社概要
[社 名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設 立] 1960年10月
[代 表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 41,400人
[売 上] 3兆9,782億円(241億2,200万ユーロ) 2024年度実績(12月決算)
(人材サービス業として世界最大*¹ )
[資 本 金] 6,816億1,436万円(41億3,300万ユーロ) 2024年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL] https://www.randstad.com/
(1ユーロ164.92円換算/ 2024年12月末時点)
*¹ Staffing Industry Analysts 2025、人材サービス企業売上ランキングより
■ ランスタッドについて
ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材不足の世の中にあっても、人材に寄り添う真のパートナー(Partner for talent)として、4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェッショナル/ デジタル/ エンタープライズ)を通じクライアント企業が成功するために必要な、高品質で多様性に富んだ柔軟な労働力の実現を支援します。また人々が有意義な仕事につき、それぞれが適切なスキルを身につけ、職場に目的と居場所を見出す手助けをします。ランスタッドが創造する価値を通じて、誰もにとってより良い、より持続可能な未来の実現に貢献します。
オランダに本社を置くランスタッドは、39の国と地域(市場)で事業を展開しており、約40,000人の社員が働いています。2024年には、170万人の人々の就職を支援し、241億ユーロの収益を上げています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ウェブサイトをご参照ください。 www.randstad.com
■ Award/表彰ほか
・LGBTQI+に関する取組み評価指数「PRIDE指標」の最高位「ゴールド」を5年連続受賞
・ランスタッドNVとしてダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI)
プロフェッショナルサービス部門 10年連続選出(人材サービス企業として唯一)
・「がんアライアワード2024」でブロンズを初受賞 (2024年12月)
・「D&Iアワード2025」より最高評価のベストワークプレイスに4年連続認定 (2025年12月)
■ ランスタッドのホワイトペーパーとコンテンツ
・ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2025(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/download/form/rebr_jp2025
・ランスタッドワークモニターレポート2026(下記のリンクよりダウンロードいただけます)
https://services.randstad.co.jp/form/the-workmonitor-2026-report
・ランスタッド法人向けブログ「WorkforceBiz」 https://services.randstad.co.jp/blog
・ランスタッド個人向けコンテンツサイト「キャリアHUB」 https://www.randstad.co.jp/careerhub/
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