QLife遺伝性疾患プラス、希少遺伝性疾患情報提供の充実に向け「GENIE」と連携を開始
医療分野におけるメディア事業ならびにマーケティング支援事業を行う株式会社QLife(キューライフ/本社:東京都港区、代表取締役:有瀬和徳)が運営する、遺伝性疾患の患者さん・ご家族向け専門情報メディア「遺伝性疾患プラス」(https://genetics.qlife.jp/)は、東京都立小児総合医療センター遺伝診療部(部長:吉橋博史)が、令和5年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「患者との双方向的協調に基づく先天異常症候群の自然歴の収集とrecontact可能なシステムの構築」の一環として運営する、先天異常症候群をもつ子と家族の支援システム「GENIE」(https://genie-peer.jp/)と、連携を開始したことをお知らせいたします。
希少遺伝性疾患の情報不足解消に向け、疾患解説コンテンツをGENIEに提供
症状があるのに原因がわからない「未診断疾患」の人たちが適切に診断されるため、2015年に国家プロジェクト「未診断疾患イニシアチブ(IRUD)」が立ち上がってから、10年が経ちました。こうした取り組みの成果は着実に現れており、これまで診断が難しかった超希少疾患に対しても原因遺伝子が判明し、病名がつくケースが増えてきています。一方で、日本国内においては、希少な遺伝性疾患に関する正確かつ信頼できる情報が、当事者やそのご家族にとって理解しやすい日本語で、平易かつ正確に伝えられるかたちで十分に整備されているとは言いがたい現状があります。
遺伝性疾患プラスは、こうした課題の解決に少しでも貢献すべく、2020年の開設当初から、必要な情報を必要とする方々に、わかりやすく・正しく届けたいという思いで運営を続けてまいりました。なかでも、希少疾患のピアカウンセリング支援と情報提供に先駆的に取り組む「GENIE」の活動には、深い共感と多くの学びを得ています。このたび、東京都立小児総合医療センター遺伝診療部より、GENIEに関する共同研究のお声がけをいただき、遺伝性疾患プラスで公開している疾患解説情報をGENIEの「遺伝子・疾患情報」(https://genie-peer.jp/disease/)のページにリンクする形でご活用いただける運びとなりました。
「遺伝性疾患プラス」は、診断がついた患者さんとそのご家族にとって、よりよい情報環境の構築に寄与できるよう、GENIEへの今後さらなる疾患解説情報の提供を、取り組みの一つとして進めてまいります。
遺伝性疾患プラスについて
遺伝性疾患に関するさまざまな情報を、当事者やご家族をはじめ、幅広い立場の方々に対して、正確かつわかりやすく、そして必要なときにすぐ届けることを目指した専門情報サイトです。疾患解説、専門家インタビュー、当事者の声、学習コンテンツなどを掲載し、専門性とわかりやすさの両立を目指しています。
詳しくはこちら(https://genetics.qlife.jp/)をご覧ください。
遺伝性疾患プラスアドバイザー 菅野純夫先生(東京大学名誉教授)のコメント
遺伝性疾患プラスは、これまで遺伝性疾患に関する多様な情報を正確に、かつ、わかりやすくお届けすることを目指してきました。これらの情報の多くは、ピアサポートとは少し異なる視点から収集・編集されています。そのため、GENIEに新たな座標軸を提供でき、ピアサポート活動をやや別の角度から活性化できるのではないかと期待しています。ぜひ、ご利用いただき、ご忌憚のない、ご意見、ご要望、ご感想をいただければ幸いです。
GENIEについて
先天異常症候群をもつ子どもとその家族を支えるために、東京都立小児総合医療センター遺伝診療部が運営するピアサポートサイトです。同じ経験をもつご家族によるピアカウンセリングや交流の機会を提供するとともに、医療機関や疾患情報との接点づくりも支援しています。「疾患情報とつながる」「家族同士でつながる」「医療機関とつながる」——つながりが力になる社会の実現を目指して運営されています。
詳しくはこちら(https://genie-peer.jp/)をご覧ください。
GENIEプロジェクト責任者 二川弘司先生(東京都立小児医療総合センター 遺伝診療部 医長)のコメント
「診断がない」という課題に対し、遺伝子解析は有用なツールとなります。しかしその先には、「同じ疾患の患者さんが見つからない」「参考となる情報が少ない」といった、希少疾患に特有の新たな課題に出会うこともあります。我々は医療者だけでなく、ご家族や関係者の皆さまとともに、協力しこうした課題に立ち向かっていきたいと考えています。ご心配なことやご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。