思春期特発性側弯症における装具装着の不快感を軽減 「脊柱の側方への弯曲制限」と「長時間・継続的な装着」を両立した「体幹装具SF用パーツ」を新たに開発

日本シグマックス株式会社

医療、スポーツ、ウェルネスの分野で人々の身体活動を支援する日本シグマックス株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:鈴木洋輔)は、思春期特発性側弯症治療において脊柱の側方への弯曲を制限する際、長時間、継続的に装着いただけるよう、衣服の下に装着しても目立ちにくいデザインと装着時の快適性にこだわった装具パーツ「体幹装具SF用パーツ」を開発いたしました。

▲新たに開発した体幹装具SF用パーツ (製品装着の画像は各パーツを組み合わせたイメージ)▲新たに開発した体幹装具SF用パーツ (製品装着の画像は各パーツを組み合わせたイメージ)

  • 思春期特発性側弯症の概要

脊柱が左右に曲がっている状態である脊柱側弯症には様々なタイプが存在し、その中でも発症原因が不明で、かつ10歳以降に発症する「思春期特発性側弯症」は、女児に多くみられます。

この疾患により、脊柱が左右に曲がることによるウエストラインや肩の位置の左右差、肋骨の突出といった「見た目」に影響が出ることがあります。

 思春期特発性側弯症は、身体の発育とともに進行し、発症年齢が若いほど進行する可能性が高いと言われています。そのため早期発見が重要で、長期にわたって経過を観察し、進行した場合はコルセットなどの装具療法や手術を検討することもあります。


  • 「体幹装具SF用パーツ」 開発の背景

現在、脊柱側弯症における治療としては、脊柱の側弯の進行度合いによって3つの段階があります。

初期は整形外科による定期的な経過観察を行い、脊柱の側弯が進んだ際は進行防止のための装具療法、さらに進行した場合は手術療法が適応となります。

装具療法は、装具の装着時間が長ければ長いほど治療成功率が高まるため(※1)、入浴時以外は常に装着する必要があり、脊柱の側弯の進行がおさまる、骨成熟の時期まで装具装着の指示が出されるケースが多くあります。

その際、装具の装着が継続できず、治療を途中でやめてしまうといった治療コンプライアンスが低下してしまう課題があります。

 装具を長時間・継続して装着することができれば、側弯症の進行を抑制し手術を回避できる症例であっても、装具療法をやめてしまうことで、側弯症の進行を止められず、手術を余儀なくされる患者様がいるのが現状です。

※1:引用(Weinstein SL, N Engl J MED, 2013)


  • 「体幹装具SF用パーツ」を組み合わせた新たな装具によって可能な課題解決

思春期の女児であっても学校に装具を装着していくことができるほどの目立たなさ、体育の時間等必要に応じて自分でつけ外しが可能であること、側弯症の進行を抑制できること、これらの要素を満たすことのできる装具が必要であり、2016年12月より福島県立医科大学会津医療センター整形外科・脊椎外科学講座の白土修主任教授や株式会社東北補装具製作所様と共同で、矯正効果と高いコンプライアンスを両立した側弯症装具の臨床研究を進めてまいりました。

そして、この度、新たな体幹装具用パーツ「体幹装具SF用パーツ」を発売する運びとなりました。

 これに先立ち、2022年11月に開催された「第56回日本側彎症学会学術集会」では、本パーツを組み合わせた装具に関する共同研究において、先行研究と比較し長い装着時間を得られたことを発表しております(※2)。

※2:発表内容は【共同研究の結果】の項目を参照


  • 共同研究の結果

第56回日本側彎症学会学術集会 思春期特発性側弯症に対する新しい装具の中期治療成績;多施設共同研究

 対象:思春期特発性側弯症患児 59名(10-15歳)


・本パーツを組み合わせた装具について タイプ別の初期平均矯正率

▲本パーツを組み合わせた装具について タイプ別の初期平均矯正率▲本パーツを組み合わせた装具について タイプ別の初期平均矯正率

→特に腰椎カーブで、高い初期平均矯正率が見られた。


・本パーツを組み合わせた装具にて治療開始後の矯正効果 〈典型例掲載〉

 11歳、女児、Risser0、Apex L1

▲本パーツを組み合わせた装具にて治療開始後の矯正効果▲本パーツを組み合わせた装具にて治療開始後の矯正効果

→本パーツを組み合わせた装具での治療開始1年後の矯正率が高くなっていた。


・本パーツを組み合わせた装具の1日当たりの装着時間について、先行研究との比較

▲本パーツを組み合わせた装具の1日当たりの装着時間▲本パーツを組み合わせた装具の1日当たりの装着時間

→先行研究と比較して、本パーツで組み合わせた装具の装着時間は長かった。


なお、本研究は継続中であり、最新のデータについて今秋発表予定です。


  • 体幹装具SF用パーツ 製品特徴

1.組み合わせたパーツによる3点支持固定で、側方への弯曲を制限

・カーブ凹側の、肋骨-骨盤を体幹カフで支え、カーブ凸側の、頂椎(肋骨)を後側方からパッドで圧迫することで、側方への弯曲を制限

▲各パーツと3点支持固定の仕組み▲各パーツと3点支持固定の仕組み


2.回すだけで調節可能なダイヤル式調整システム

・パッドに搭載しているダイヤル式調整システムにより、立位時や就寝時など、姿勢に合わせた調整を簡単に実現

▲子どもの小さな力でも調整が可能▲子どもの小さな力でも調整が可能

3.体の前面にバックルを配置

・体の前面にバックルを配置することで、ひとりで着脱が可能

▲バックルの位置▲バックルの位置


4.熱可塑性樹脂とアルミステーの組み合わせにより体型に合わせた調整が可能

・カフには熱可塑性樹脂を採用。体型に合わせて調整ができ、フィット性を高めて装着時の不快感を軽減

 ・アルミステーは使用者の体型に合わせて曲げることで調整が可能

▲カフには熱可塑性樹脂とアルミステーが採用▲カフには熱可塑性樹脂とアルミステーが採用


5.長時間・長期間の装着でも快適に過ごせるようなパーツを付属

・カフおよびパッドに付属のクッションを貼り付けることで、局所的な当たりを防ぎ、長時間の装着によるストレスを軽減

 ・付属する洗い替え用のカフカバーを使用することで、常に衛生的な装着が可能。

▲当たりを防ぐクッションや洗い替え用のカフカバーも付属▲当たりを防ぐクッションや洗い替え用のカフカバーも付属


  • 新たに発売する 体幹装具SF用パーツ 一覧

【腰椎タイプ用パーツ】

▲体幹装具SF用パーツ 腰椎カフ▲体幹装具SF用パーツ 腰椎カフ

▲体幹装具SF用パーツ 腰椎パッド▲体幹装具SF用パーツ 腰椎パッド

【胸椎タイプ用パーツ】

▲体幹装具SF用パーツ 胸椎カフ▲体幹装具SF用パーツ 胸椎カフ

▲体幹装具SF用パーツ 胸椎パッド▲体幹装具SF用パーツ 胸椎パッド

▲体幹装具SF用パーツ 骨盤カフ▲体幹装具SF用パーツ 骨盤カフ


所在地:東京都新宿区西新宿1-24-1

創業:1973年6月1日

資本金:  9,000万円

代表取締役社長:  鈴木 洋輔

社員数:  265名(2022年3月末)

売上高:  108.2億円(2022年3月期)


日本シグマックスは「身体活動支援業※」を事業ドメインとし、人の身体に関連する製品・サービスをさまざまな分野で 提供しています。祖業である医療事業では「整形外科分野」に特化し、関節用の装具やギプスなどの外固定材、リハビリ関連製品、冷却療法のためのアイシングシステム、治療・診断に用いる医療機器など、特徴ある製品を開発しています。スポーツ事業では自社ブランド「ZAMST(ザムスト)」の製品が国内のみならず海外トップ選手まで高い評価を受けています。

また、日常生活をサポートする「デイリーケア」、労働者の健康を守る「ワーカーズケア」といった成長分野において「MEDIAID(メディエイド)」ブランド製品を拡大展開しております。


 ※身体活動支援業:運動器障害の予防・診断・治療・回復、及び運動機能維持・向上を目的とした製品・サービスを提供することにより、人々がより健康で快適な生活を送れるよう支援する業(当社による造語)

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会社概要

日本シグマックス株式会社

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URL
https://www.sigmax.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル7F(総合受付8F)
電話番号
-
代表者名
鈴木洋輔
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1973年06月