創薬研究の実験ログから仮説を再整理、発明を支援するAI IPGenius【AI基盤最新事例】
過去の研究ノートを横断的に整理し、創薬探索研究における議論の起点づくりに活用

リーガルテック株式会社(東京都港区、代表取締役:平井 智之)は、製薬・バイオ業界の創薬研究を対象に、研究現場に蓄積された非構造データの整理と活用を支援する「AI IPGenius」を提供している。
創薬研究では、実験ノートや検討メモなどの情報が分散して管理されやすく、過去の検討経緯や仮説が十分に活用されないケースも少なくない。
同社は、こうした研究現場の課題を背景に、過去の実験ログを横断的に整理し、研究者による議論や発明検討を支援する取り組みを進めている。
背景
創薬研究の探索研究からリード最適化初期フェーズでは、多様な仮説に基づく試行錯誤が繰り返される。その過程で作成される実験ノートや議事録、検討メモは非構造データとして蓄積され、研究テーマの中断や体制変更により、当時の判断背景や仮説が把握しにくくなることがある。
その結果、過去に十分な評価に至らなかった検討内容や、条件依存的な示唆を含む実験結果が、再検討されないまま埋もれてしまうこともある。研究現場では、こうした情報を横断的に整理し、現在の研究視点で見直すための仕組みが求められている。
活用事例:AIが研究ノート・議事録を横断解析し、技術の核心を抽出

製薬・バイオ領域で創薬研究を行う国内製薬企業(企業名非公開)の研究開発部門において、探索研究からリード最適化初期フェーズで蓄積された以下の資料を AI IPGenius に投入して活用した。
・研究ノート
・会議議事録
・試作ログ
・過去の技術資料
AI IPGenius on IDX がこれらの資料を横断的に解析し、
・技術的な改善点
・新規性があり得るポイント
・類似テーマとの構造的なつながり
・過去の検証結果との関係性
といった観点から情報を整理した。
その結果、特定条件下でのみ示唆されていた活性変化や、当時は十分に検証できなかった作用機序に関する示唆、複数の検討結果を組み合わせることで再評価可能となる仮説などが整理され、研究者が再検討を行うための起点として活用された。
抽出された仮説や検討ポイントは研究ミーティングの共通資料として用いられ、テーマの再評価や検討優先度の整理、次の検討候補の洗い出しに向けた議論が行われた。
また、整理された技術情報を MyTokkyo.Ai と連携し、類似技術の検索を即時に行える体制を構築した。
特徴(AI IPGeniusについて)
AI IPGenius は、研究現場に蓄積された非構造データを対象に、内容ベースでの検索や整理を可能にするナレッジベースである。
研究ノートや議事録、共有ファイルなどを横断的に解析し、技術ポイントや検討経緯を整理することで、研究者が過去の知見を参照しやすい環境づくりを支援する。
効果
AI IPGenius の活用により、過去の実験ノートや検討記録を個別に確認する作業が不要となり、仮説や関連情報を把握するまでの探索時間の短縮に寄与した。
あわせて、点在していた実験結果や判断背景が整理された形で共有されることで、研究者が情報を再整理する際の負荷や、研究ミーティングに向けた準備工数の軽減につながった。
これにより、属人的になりがちであった過去検討の把握や共有が行いやすい環境が整えられた。
今後の展開
リーガルテック株式会社は、創薬研究をはじめとする研究現場での活用を見据え、AI IPGenius の研究フェーズ特化型機能の強化を進めていく方針である。
今後は、研究テーマ探索や仮説整理を支援する解析モデルの高度化に加え、非構造データを整理しやすくする仕組みの拡充を検討している。
これにより、過去の知見を起点とした研究検討や議論を行いやすい環境づくりにつなげていく考えである。
製品ページ:https://www.legaltech.co.jp/ipgenius/
会社概要
会社名:リーガルテック株式会社
設立:2021年3月
資本金:3億7,900万円(資本準備金含む)
代表取締役社長:平井 智之
所在地:東京都港区虎ノ門5-13-1 虎ノ門40MTビル4F
URL:https://www.legaltech.co.jp/
事業概要
・特許調査・発明抽出プラットフォーム「MyTokkyo.Ai」
・知の資産化ナレッジベース「AI IPGenius」
・秘密情報共有データルーム「リーガルテックVDR」
すべての画像
